謎だった種族と盗賊退治
〜古びた廃墟〜
起きてすぐ、強烈な吐き気が込み上げる。転生して、胃の中に物が何も入っていないせいか、おそらく胃液のようなものが口から溢れる。口がヒリヒリする。
「ご、ゴッふ、、はぁ、はぁ、」
しばらくすると、吐き気も治ってくる。その代わりに首の違和感が強くなった。
無理もないついさっき、頭を切られたのだ。今の時間だと後のことだが、、、
落ち着こう、まずは、情報を整理しよう。
わかったこと一つ目、近くには小道があり、そこを通っていけば舗装された道に出ることができる。
二つ目、ただし、そこには盗賊が待ち構えている。人数は2人。片方がLV55、もう片方が46。
三つ目、鑑定に対して急に反応したため、この世界の人に勝手に鑑定するのは危ないのではと言うこと。
そして、四つ目が、、、何故か、俺は転生する前の体と全く同じと言うこと。
一つ目から三つ目はまだ良い、これから対策を考えれば良いからだ。
問題は四つ目、俺は転生したはずだ。決して転移ではない。
自分に鑑定すればいけるか?[鑑定]
『種族:人間?
種族説明:人間?は非常に人間に似た、魔導生命体です。呪われた地の魔力が集まり、強力な人の思念が宿った物だと言われています。そのため、姿は生前の姿をしており、人間との区別は基本的につきません。
筋力と防御が極めて低い代わりに、知恵と敏捷、器用が高いです。
狡猾で素早く、手先が器用と、魔物の中でもトップクラスの危険度を誇る種族です。
また、それぞれ独自の魔術が使え、油断をすればたとえ誰であろうと死に至る可能性があります。』
どうやら俺はいつのまにか人間を辞めていたらしい。
と言うか俺、こんな強い種族なのにアイツらに何も出来ずに死んだのか、、、
そう考えると怒りが湧き上がってくる。盗賊相手なら、、、ヤっても、良いよ、なぁ?
しばらくして、魔術の確認をした俺は小道を進むことにした。
「さぁ、盗賊退治のお時間と行こうじゃないか」
あの時の事を思い出し、少し顔を歪めながら、俺は歩き始めたのだった。
しばらく歩くと舗装された道に出て、目の前には、、、
『俺はブ「あーはいはい、知ってるよ、ブッチョとデッチョでしょ。で2人合わせてブデッチョ盗賊団何でしょ?」
「アレェ?アイツオラ達のこと知ってる見たいだべ!ついにオラたちも有名になったんですかね!?」
『俺たちはつい、この間始めたばっかだろう!おかしいと思え!』
「そ、そうだったべ、オメェ何もんだべ!」
「んー俺か?言っても良いけど意味ないと思うよ。」
「何でだべ!さっさと言えだべ!」
『俺たちのセルフ無くしたんだから代わりにお前が言えよ!』
「だから無駄だってお前らもう、死んでるし。」
『「へ?」』
アイツが、そういうと、急に視界が回転する。目が回って見えるようになった時には、自分の体が目の前にあって、、、意識が、薄れていく、何か、赤い液体のようなものが顔にかかり、、、
「んー優しすぎたかなぁ、、結局こいつら自分たちが首刎ねられたことにも気づいてなかったみたいだし。切れ味が良すぎるのもダメっていうことがわかったな。あのレベルだしもうちょい鋭い方がいいかもとか悩んで強くしたのがダメだったかぁ。」
転がっている頭を蹴り飛ばしつつ、二つの死体を後にして俺は道を進むのであった。