異世界と盗賊団
〜???〜
薄れた意識が戻ってきて、起きた自分が目にしたのは古びた廃墟だった。
外に出てみると森が広がり、草木が鬱蒼と生い茂っている。
「ここからはチュートリアル無しなのかぁ」
そう愚痴をこぼしつつも、辺りを詳しく調べる。
しばらくすると少し草が生えた小道を発見する。
この廃墟には何も無さそうだし、森を突っ切るほどの勇気が無い俺は、大人しく見つけた道を歩くことにした。
俺は、この時、少しはしゃぎすぎていたのかもしれない。ここは異世界だ、それにチートスキルもある、俺は何処かで楽観的な考えをしていた。
だからだろうか、ここは異世界だが、夢でも幻でも無い現実だと言うことに気付くのが遅れてしまったのは、、、
小道を歩き、しばらくすると、道も綺麗になって行き、少し荒れているが、舗装された道へと出た。
そして、目の前には、、、
『俺はブッチョ!「オラはデッチョ!『「2人合わせてブデッチョ盗賊団だ!!!」』
謎の盗賊団(2名)が現れたのだった。2人で団を名乗って良いのだろうか?
そんな事を考えていると、、、
『おい!聞いているのか!』「死にたくなかったら有り金を全部よこしな!」
「聞こえてるけど、うっせーよ!何でやらないといけないんだ!初対面で有り金奪おうとか常識ないのか!」
「た、確かに、、『いや、騙されんな!俺たち盗賊だから奪って良いの!』
「何だってぇ⁉︎よくも騙したな黒髪やろぉー!」
「何も騙してねえけどなぁ、、」
どうやら異世界系で出てくるちょっと頭が悪くて弱い盗賊だ。
負けたら三下のようなセリフを言って逃げて行くのだろう。
最初の敵だからそれほど強くは無いだろうが、、、一応確認するか、どれどれ、ステータスは、、、
そう、気軽の考えて鑑定をした自分は後悔する事となる。
『ブッチョLV55、デッチョLV46』
へ?強くね?そう驚いてる俺に向けて、盗賊2人が殺気を飛ばす。
な、何だ、急に寒く、、それに足が動きにく、、
「ねぇねぇ、にーちゃん、、、アイツ鑑定して来たよね?『ああ、してきたなぁ。つまり、殺して良いってことよ!』
殺気か、何かのスキルのせいかはわからないが、動けない自分に2人が近づいてくる。
『バカだなぁこいつも、威圧のスキルも無効化出来ないくらいの弱さならさっさと逃げればよかったのに、、』
「でも、オラ達には好都合って奴だよね!すぐ忘れるだろうけど感謝だけはしとくよ!お前のおかげでオラ達はもうしばらく長生きできるべ!」
『「じゃ、この世からさよーならぁーだべ」だな』
そして俺の頭は切り落とされた。視界が真っ赤に染まる。せっかくのスキルを使うことも出来ず、俺は死んだのだった。
[条件を満たしました。カルマ値の減少と引き換えに[無限の選択肢]を発動します。]