深淵と虐殺
〜騎士とドラゴンが戦い始める少し前〜
それにしてもすっごい数の魔物だなぁ。見える範囲でも一万体はいるぞ。
鑑定したいけど流石にあの量を見るのはなぁ、簡易鑑定とかあれば、、って出来るじゃん!
こういう便利な機能があるなら先に教えて欲しいなと心の中で文句を言いつつ、[簡易鑑定!]
『[ゴブリン]x9999…
ホブゴブリンx5000
ナイトx2000
ファイターx500
ソルジャーx100
メイジx1000
シーフx300
アーチャーx500
ライダーx300
ダークプリーストx50
シャーマンx30
キングx10
エンペラーx1 etc…
[オーガ]x3000…
ナイトx1000
ウィザードx300
バーサーカーx10
ガーディアンx50
ロードx1 etc…
[スケルトン]
[コボルト]
[スライム]
[ハーピー]
[ワイバーン]
[ワーム]
etc… 』
「いや、多い多い、そんないたの⁉︎」
驚いた、多いとは思っていたが、まさかここまで多いとは、でもどうすっかなぁ。
ん、って待てよ今の俺ってレベルまだ1だよなぁ、つまり、あいつら殺せばレベル上げれるじゃねえか!
よし、滅ぼす!せっかくだし、新しく習得した魔法を使ってやるぜ!
えーと確かこうだよな、こういう魔法系って完成をイメージするのも大事ってよく聞くし、俺が放つ魔法は、、、
闇が渦巻き、集まり、ねじれ、球体になっていくところを想像する。
取り敢えず撃ってみよう!こうなんか片目を手で隠しつつカッコつけて<深淵魔法 アビスボーォォォォォル!!!>
俺が適当に撃った魔法は魔物たちの中心に真っ直ぐ行ったかと思うとその瞬間、
世界は闇に包まれた。
そう思うほど急に視界が暗くなったかと思うと、すぐに晴れて、そこには数十体にまで減った魔物の姿があった。
あっレェ?もしかして俺殺り過ぎちゃった?
取り敢えず[簡易鑑定!]
『ゴブリン、オーク、コボルト、スライムetc…
職業:エンペラー』
どうやら一番強いのが残ったらしい。じゃあ後やることと言ったら一つだけ、突っ込むぜェェェ!
魔法で遠距離から嬲り殺すような趣味はナイシナァ!
〜絶望の魔物達〜
ぷるぷる、僕は震えていた。いつもより激しく、盛大に震えていた!
「うぅ、僕悪いスライムだよ〜!でも、ここまでされるような事はしてないよぉ〜!」
一緒に来た仲間のスライム達はよくわからない気持ち悪い闇に呑まれていっちゃったしぃ、、、
周りの景色に擬態している僕の目の前では、つよ〜いオークさん達を率いていた最上位オークさん、オークエンペラーさんが力比べに負けて両腕もがれてるし、かっこいいゴブリンエンペラーさんはサクッと頭斬られていったし、ワイバーンさんは空から地上に落とされてるし、ハーピーさんと連携して攻撃したコボルトさんは土手っ腹に風穴をあけられてるし、、、奇襲して飲み込んだワームさんはお腹突き破られてるし、ハーピーさんは羽むしり取られてるし、、、
うぅ、僕たちエンペラーだよぉ、一番強いんだよ〜
「なんでこんな事なってるのぉ〜」
「ダカラ、ナゼ、コウナルノダァァァ!!!」
「僕が聞きたいよぉ〜」