ep68 魔剣使いvsダムド②
俺は剣を構える。
「!」
「!」
「......」
ヤツらも各々武器を構えた。
先ほどよりもヤツらの警戒が増している。
ナメていてくれた方がやりやすいが、ヤツらもバカじゃない。
特に、魔銃を持ったシヴィスは未だに突っ込んでは来ない。
「......」
しばらく緊迫の静寂がつつむが......。
「調子に乗るんじゃねーぞ魔剣使い。
固有技能〔ウィザードリィ・ナイフ〕」
トレブルがナイフを自らの顔前に持っていったかと思うと、刃が魔力を帯びてビリビリと黄色く光り出す。
「くたばれや!」
叫ぶと同時に俺に向かってビュッ!とナイフが投げ放たれた。
魔力の衣を纏ったナイフは風を切って一直線に俺の心臓めがけて疾ってくる。
「速い。だが」
俺は問題なくサッと体を反転してよけるが、
「!」
驚かされる。
躱したナイフは速度を緩めることなく飛翔していき、軌道上にある建物をズドンと貫いた。
「これは、迂闊にかわすとまわりへの被害が大きすぎるな......」
俺が懸念を抱いたのも束の間、トレブルが二撃目の構えに入る。
俺は撃たせまいと一挙に間合いを詰めにかかる。
が、ブーストがぬっと割って入って立ちはだかった。
「固有技能〔ウィザードリィ・アックス〕」
今度はブーストの振り上げた鈍器がブゥゥゥンと重々しい魔力を帯びて光る。
「死ねぇ」
鈍器がブン!と破壊的に振り下ろされる。
俺はタンッ!と横っ跳びで避ける。
直後、ドガァァァンと地面がえぐられるように粉砕される。
凄まじい威力。
まともに喰らえば普通の人間なら骨ごと砕かれ肉塊の如く潰されてしまうだろう。
「相変わらずすばしっこいねぇ」
ヤツらの攻撃は止まない。
続けてひとり離れた位置からシヴィスが引き金を引いた。
バーン!という銃声が吠える。
「チッ!」
俺は反射的に真後ろに跳び退がった。
なぜなら、ヤツの銃弾が俺の足元に放たれたから。
ここで俺ははたと気づく。
今のは一発目とまったく同じ銃撃の仕方。
そして俺もまったく同様の動き。
「動かされた?......はっ!」
もう遅い。
跳び退がった位置にちょうどトレブルが飛び込んで来る。
「固有技能〔ウィザードリィ・ナイフ〕」
さっきの魔力を帯びたナイフ攻撃だ。
だが、投げつけては来ないで残虐に刺殺する突きを連発してきた。
「クッ!」
俺は剣でもって捌く。
ヤツの攻撃の重みが遥かに増している。
「シッ!」
俺は距離を嫌うようにまた跳び退がった。
この動きも最初と酷似している。
「学習ねえなぁ。終わりだぜ魔剣使い!
固有技能〔ウィザードリィ・アックス〕」
狙いすましたかのような絶妙な位置取りをしていたブーストが魔力を放つ鈍器を振り上げた。
もはや直撃は免れない。
回避技を使う?間に合うか?
いや、これは想定どおり。
「特殊技能〔ニュンパ・ギャッシュ〕」
俺は跳び退がりながら技を発動した。
「死ねぇぇぇ!!」
ヤツの鈍器が俺を全身ごと砕き潰し殺さんと襲ってくる。
俺は跳び退がりつつ身体をクルンと反転させながらその回転を利用して一閃を放つ。
剣は鋭利な半月のようにぐりんと弧を描きながらヤツの鈍器とかち合う形となる。
「テメーの剣ごとテメーを潰す!」
「どうか...な!!」
ガキィィィン!
鋭い金属音がはしる。
「えっ?」
武器が弾かれた。
どっちの?
ヤツの鈍器のみが。
「シィィィッ!!」
俺はさらに一歩踏みこむと剣を思いきり振り抜いた。
「あっ......」
剣は鈍器を弾いた後、そのままヤツの腕を斬り裂き、その斬閃は体まで到達してヤツの上半身をえぐるようにズバァァァッ!と深く斬り裂いた。
「ぶ、ブースト!」
トレブルが叫んだ。
ブーストはブシャァァァと血飛沫を放ちながらそのデカい図体をバターンと仰向けに倒した。
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