ep100 魔剣使いクロー②
「おい魔剣使い!さっきの言葉はなんだ?ダークエルフだと?お前はここに来るまでにどこで何をしていた?」
カレン隊長が話しかけてきたが、俺は無視して剣を構える。
なにをするのか。
〔溜め〕を作ってから放つ、俺の唯一の飛び道具。
「〔発閃〕」
その場でズバァァッ!と振り抜いた剣から衝撃波が発射する。
「発閃だと!?」
カレン隊長の驚く声が聞こえた。
そんなに驚くことなのか?
「ギィィィィ!!」
一頭の魔物に命中。
休んでいる暇はない。
連射はできないが、他の魔物たちへも撃つ!
「〔発閃〕」
俺は若干の〔溜め〕による間を作りながらも〔発閃〕を連発した。
「おい!市民の上に魔物が落下したらどうする......いや、一頭も仕留めていない!?」
カレン隊長の言うとおり、俺は一頭も仕留めていない。
というより、それで仕留める気など毛頭ない。
確実に当てるため、威力も抑えている。
「ギィエェェェェッ!!」
〔発閃〕に被弾した魔物たちがやかましい咆哮とともに、次々と俺に向かってガァァァァァッ!と迫ってきた。
もし野原を駆けるウサギに向かって猛禽類が群れをなして襲いかかってきたなら、もはや地上に跡形も残らないだろう。
眼前に映るはまさしくそんな地獄の光景。
だが、狙い通り。
「特殊技能〔ニュンパギャッシュ〕」
銀光の斬閃が煌めく。
「ギャアァァァァァッ!!」
断末魔と噴き溢れる血潮。
俺は一振りで一体をズバァァァッ!と深く斬り抜いた。
その瞬間、続いていた他の魔物たちがびくんと一瞬たじろいだ。
その隙を見逃さない。
「ハアァァァッ!」
俺は鮮血にまみれた落下寸前の魔物にガシッと掴まりグルンと飛び乗って、それを踏み台に別の敵へ向かってダンッ!と跳躍する。
「特殊技能〔ニュンパギャッシュ〕」
一連の動きを死の舞踏の如く繰り返していく。
「ギャアァァァァァッ!!」
こだまする悲鳴。
風雨のように乱れ舞う紅き狂い華。
今の俺は......まさしく魔剣使いの如し!
『やはり力が増している......?力だけじゃない。ここまで非常識な動きまでできるなんて...』
俺は戦いながら自らの能力の著しい向上を実感する。
『クロー様。貴方は格段に強くなっています。この程度の魔物の如きはもはや敵にすらなりません。さっさと片付けてしまいなさい』
『言われるまでもないよ。うおぉぉぉぉ!!』
......元の位置にスタッと着地する。
周囲には斃れた魔物と赤い驟雨の跡が広がっていた。
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