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癒しの香り

10月も半ばを過ぎると陸の涼しさと共にダイビング業界も落ち着いてくる。

大手のショップでもなければツアー客も3~4人くらいとなる。


当然、私がサウザーダイビングの手伝いをする必要もなくなるわけで..


それに、あそこは片岡さんと陽菜乃さんのお店だから..


だから今日はショップVisitで丘ダイバーをしている。


「どうしたの、桃ちゃん? うわの空で」

「いえ.. 別に。すいません、詩織さん」


「サウザーダイビングの事、気にしてるんでしょ? 」

「 ..まぁ..はい.. 何となく変な感じの別れになっちゃったなって.. はぁ.. 」


あの日の後に、サウザーダイビングからVisitに連絡が入ったのだ。

繫忙期も過ぎたので私の手伝いは必要なくなったとの事だ。


私はお世話になったお礼と置きっぱの自分の器材を取りにいった。


▽△▽△▽△


「片岡さん、この10カ月ありがとうございました。いろいろ勉強になりました。もしまた大変なときはいつでもお手伝いに来ます」


「ああ、まぁ、あとはがんばって。サークル活動とかするんでしょ? 手伝いは別にいいから。他はいくらでもいるんだし」


「 ..そうですね。じゃあ、さようなら。陽菜乃さんにも『お世話になりました』と伝えてください」


▽△▽△▽△


「桃ちゃん、気にすることないわよ。片岡君ってそういう奴なんだから。だから私は反対だったのよ。女癖悪い、人のせいにする、人を見下す。この3つ取り上げただけで最悪じゃない。なのに、うちの悟志は変なところを買ってるんだよね」


「でも、まぁそんなところありましたけど、教え方は上手かったですよ」


「ほら、桃ちゃんもそういう事言う。悟志と同じ」


「すいません。でも、あの片岡さんが悟志さんだけには頭が上がらないって何なんですか? 」


「そりゃ、私たちが先輩だからだよ。あ、あとあれだ! あいつ一回だけ本気で恋したことあって、酷いフラれかたしたんだよ。あいつプライド高いからまさかフラれるとは思わなかったんでしょうよ。ははは、ざまーみろっての。思いだした! その時、たしか一晩中、悟志の前で泣きじゃくって、翌日、目を腫らしてたよ。その過去を知っているからじゃない? 」


詩織さんは話している間にテンションが上がりどんどん言葉が汚くなっていった。


—シャリン♪


「いらっしゃいま.. 陽菜乃さん」


「桃ちゃん、こんにちは」



****


「ごめんね、外に呼び出して.. 」

「いいえ。私も陽菜乃さんに会えてよかったです.. もう..すっかり秋ですね」


近くの公園のベンチは少し冷く、薄雲からの太陽の日差しもあまり暖かくはなかった。


「 ..桃ちゃん、ごめんなさい。私、別に隠すつもりはなかったんだ。といってもダメだよね。結局は隠してたんだから.. でも、それで桃ちゃんを変な気持ちにさせるつもりはなかったの。私、桃ちゃんといて楽しかったよ。桃ちゃんを妹のように思ってた。だから.. だから.. 」


「大丈夫ですよ。私、陽菜乃さんの事、大好きですから♪ 」

「桃ちゃん.. ありがとう」


「私もお世話になりました。そしてこれからもよろしくお願いします。前にも言ったけど陽菜乃さん『アクチーニャ』に遊びに来てくださいね。大歓迎ですから♪ 」

「桃ちゃんがいるサークルね。絶対に遊びに行くね。桃ちゃん! 」


私に抱き着いた陽菜乃さんはとっても甘い香りがする。


にこにこクスクスの癒しの陽菜乃さんは本当に甘い香りがした。

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