表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

俺の嫁は魔姫様!?~とある万年Bランク冒険者と魔姫様の軌跡~

俺の名前はクラウドレイン…長いから親しい友人からは『レイン』と呼ばれている。

まぁ、名前なんぞどうでも良いか…しがないBランク冒険者をやっている男だ。

今日も俺はそれなりに収入のあるクエストを受けてそこそこ強いモンスターを狩り、2~3日程暮らせる位の糧を獲て帰還してきた。


この世界には各国に『ギルド』と言う『冒険者』を雇う組織があり、俺もそこで15~6歳の時にはBランク冒険者を名乗れる程の実力を身に付けた…が、それから10年程、ランクが上がらないままでいた。


ギルドには10歳から登録出来て、冒険者の実力に合わせたランクがあり、分不相応な依頼を受けて死ぬ、何て事が起こらない様にしている、が、それでも、冒険者何て職をやっていれば死ぬ時は死ぬんだが…


ともかく、ランクは最高ランクがSに設定されていて、順番にA.B.C.D.E.Fとなっていて、

Sランクは超人、Aランクは一流、B.Cランクは凡人だ。

それ以下は、初心者に毛が生えた程度で、B~Cランクまでなら大抵の奴は辿り着ける。


Aランク以上に上がるには、『資質』や『才能』が必要だ。

勿論、『努力』でもギルドマスターが認めてくれれば上がれる。


ギルドマスター(親父)曰く、俺にはAランクになれるだけの資質と才能はある…らしい。

が、今の俺の生き様には、何か大切な物が足りていないのだと親父は言う。


当然、父親がギルドマスターと言えどそんな俺がBランクから上がれる訳が無く、日に日に腐って行った…

そうして出来上がったのが、やる気の無い今の俺、と言う訳だ。


『若いクセに何してんだ』と言われても、もう何とも思わない位にはAランクへの渇望は無くなった。

何せ、別にBランクでも生きていけるし、生活には何にも困っちゃいない。

寧ろ毎日3日分位は稼げるから今では半年以上は遊んで暮らせる位には金が貯まった。

・・・別に友達が居ない訳じゃないが、俺は基本的に一人(ソロ)で活動しているから儲けは全部自分のものになるんだよな…


因に、その友達(女)がギルドの酒場を経営しているから安く飯を食える事、別の友達(男)が鍛冶師をしているから安く武器や防具を修理したり新調したり出来る事も金が貯まる理由だ。

今では受付嬢も友達だな。

俺には、飯や装備を頼れる友達は居ても、背中を預けれる冒険者友達が居ないだけなんだ。

因に、全員既婚者である。だからどうしたってんだが…親父は暗に身を固めろとでも言いたいのか…?

それが、俺に足りないものなのか…?

だが日々戦いの俺は、恋愛に何て全く興味を持てず、惚れる女も現れなかった…

そんな俺が、まさかあんな…(見た目は)年端も行かない少女と同居する事になるとは…







今日も俺は、金を稼ぐ為にギルドの転移陣に乗って、ある森へとやってきた。

ここは魔族の領域なのだが…俺達の国の王様(リチャード様)と、魔国の魔王様の仲は良いから魔族も仲間だ。

俺の様に王国ギルドの印を身に付けている冒険者や商人は魔族にとっても味方である為に依頼を受けて共同戦線や護衛なんかもしてくれるし、王国にも魔国ギルドの魔族冒険者何てざらに居る。

王国内でも『サクラ』と言う名の竜人や、『ヴィクトル』と言う名の邪神が有名人で人気者だしな。

現魔王様の『ティエサ様』と『ユウキ様』も可愛いだとかで人気者だし。

因に、魔物は魔族の中でも狂暴(誤字ではない)な奴がそう呼ばれる。

そうでない魔物は、今では魔族の括りに入り――



(チッ…狂った火熊か…こいつはしぶとくて面倒だな…火傷しちまったし…退くか…?)


「きゅんっ!」


「っ!?治癒魔法!?…マンドレイクか!!うらぁっ!!」


『ガァァッ!!ガフッ!?』


「すまん!助かったぜマンドレイク!」


「きゅ~っ♪」



―こうして戦闘の手助けもしてくれる。



閑話休題


とにかく、ここで狩れる魔物は金になるから俺は好んでこの森を狩り場にしているんだ。


が、その日の森は何時もと様子が違った…


「っ!?きゅっ!!きゅんっ!!きゅっ!!きゅんっっ!!」


「…は!?」



突然騒ぎだしたマンドレイクが、俺の手を掴んで走り出した!!

普段は温厚で人懐っこいマンドレイクの突然の行動に…だが、慌てた様子のマンドレイクはしばらくして立ち止まった…



「はぁ…はぁ…いきなりどうしたんだ…?

って…なんだよこれ…!?」



基本的にはこの森で人や人型魔族に遭遇する事は滅多にない…が、無い訳じゃあない。

けど…

そこには、冬でもないのに森の一部が銀世界になっている不思議空間が広がっていて…その中心には、青色で、白いふわふわな縁取りが付いた外套、帽子、手袋(マフ)と言う、一年中雪に閉ざされた機械の国の民族衣装を着けている、美しい白銀の髪の可愛らしいダークエルフ(見た目は10歳位に見える)が座った状態で眠っていた…


その周りには謎の氷像が6体程…近付いて見ると、全員盗賊だった。


そして、中心に居るダークエルフに近付き、改めて顔を見た瞬間、俺は息をのんだ…



「・・・。」


「きゅんっっ!!きゅんっっ!!」



閉じられた瞼には髪と同色の、輝く様な睫毛、高いと言うより高め、と言った方が良いが、整っている鼻梁…薄い唇は小さく開き、規則正しく寝息をたてている…

ハッキリ言って、かなりの美少女だ。


そんな彼女にマンドレイクは手を伸ばしてペタペタと触りながら治癒魔法を施していくのは…まるで妖精が戯れている様にも見えて―



(…いや、エルフやダークエルフは見た目で年齢を判断出来ないから美人…と表現するべきか…?)



そう思いながらも、救助をするべきと判断した俺は、彼女を背負うと、盗賊共の氷像を『ボックス』と言う一般的に使われる亜空間に収納する魔法でしまい、ギルドからの支給品である『転移札』を使ってギルドへと帰還した。

本来なら魔族は魔国のギルドへ預けるべきだが、俺は魔国のギルドには(つて)がないからな…



「きゅっ!?きゅっ!?」


「あ…しまった…。」



どうやら俺は、冷静なつもりでも慌てていたらしい…

彼女にくっついていたマンドレイクも一緒に連れてきてしまった様だ…



「悪い…急いでいたから連れてきちまった…;」


「きゅっ…!きゅふぅぅ…



最初は慌てていたマンドレイクだったが、俺と女の子が居る事に気付くと安心して再び女の子にしがみついて治癒魔法をかけ始めた…



「ははっ…おまえ案外度胸あるじゃねぇか。」


「むっきゅん♪」


「って…あれ?女の子の姿が変わってる…?」



いつのまにか民族衣装は消え去り、代わりに白いシャツにベージュのズボン、靴も革製のブーツと言う、一般的冒険者の服装になっていた…勿論、服の上からは革製の鎧を着込んでいる。


「・・・・・腕輪?」


ふと、俺の首に回している腕に、青色の腕輪が着いているのに気付いた。

腕輪にはスノードーム…と言う、民芸品の装飾が付いている。



「…まぁ、今はそれより治癒帝さんだな…



それから、人命救助をした冒険者の義務として、すぐに医務室の治癒帝さんの元へと向かった。



「…どうでしょうか?治癒帝さん。」


「ん~…眠ってるだけだねぇ~♪

そのマンドレイクちゃんが殆ど治してくれたみたい♪

と言うか…そのマンドレイクちゃんは、相当高位の存在だしボクの知り合いだよ?」


「・・・・・は?」


「きゅ?」


「…どうしたのかな、“メープル”ちゃん?本当は喋れるんでしょ~?」


「・・・・・うふふっ♪バレてしまいましたか♪

流石、王国一の治癒魔法使い様のフリージア♪」


「ひさしぶりだねぇ~♪マンドレイクの女王、メープルちゃん♪」


「そうねぇ~♪ここ最近は落ち着いていたし…

あっ、そこの貴方もメープルって気軽に呼んでね♪」


「あっ…あぁ…?」


「じゃあボクもフリージアって呼んで欲しいな♪レイン君♪」


「…それで、フリージア。その子は私の知り合いの娘でして…、今、魔国はゴタゴタしているのです…

そこで、彼女はしばらく彼に預けようと思うのですが…


「…へぇ…それはまた、何でかな?

彼は確かに強い…それに、ギルドマスター、レインハルトさんの息子さんだから資質も実力も秘めている…けど、彼はまだBランクだよ?」


「…?

そうなのですか??えっと―


「クラウドレイン…だ、いや、です。

メープルさん。」


「さっきまでの口調で良いですよぅ♪」


「あー…うん。分かった。

それで、何で俺なんだ?

半永久的な護衛は、Aランク以上の依頼だ…俺にはその依頼を受ける資格がない。」


「あら、ならこれは個人的な頼み、と言う事で如何でしょうか?」


「ダメだ。

俺は冒険者で、ここはギルドだ。

ちゃんと受付を通さないと俺には頼み事を出来ない。」



嘘だ。

俺はこの女の子に惹かれている…

でも、だからこそ、だ。

マンドレイクの女王の知り合いの娘…と言う事は…

彼女は…最低でも魔国の公爵位の身分はあるはずだ…

なら、たかが王国ギルドのギルドマスターの息子でしかない今の俺は、どうあがいたって彼女の身分に釣り合わない。

なら、本当に惚れちまったら…俺には不幸な結末しか待っていない…

まぁ、それこそ半永久的な護衛を任せられるAランク以上…一流の冒険者になれれば別だが…

Aランク冒険者の中には護衛対象と恋仲になり、結婚した奴がそれなりに居るからな。


どちらにせよ、俺には縁の無い話だし…

何より、見た目は可愛くても性格ブスなら幻滅だ、美しい雪姫様とは綺麗なまま別れたい。



「さて、だからこの話しは終りだ。

女王様ならその女の子を守れるだろう?

事情があって守りきれないのなら、Aランク冒険者か帝…そこにいるフリージアさんに頼みな。じゃあな。」



そう言い残して俺は医務室を後にした。

因に、『帝』ってのは数が少ないSランクの冒険者で構成された奴等で、そんな冒険者に与えられる称号だ。

現在は虹帝、炎帝、水帝、風帝、土帝、雷帝、氷帝、光帝、闇帝、治癒帝の10個が設定されていて、虹帝以外は埋まっている。

その内の1つ、治癒帝がギルドの医務室を担当するフリージアさんな訳だ。

後、光帝のアリアさんと闇帝のラティクスさんが人気だな。

炎帝のフレイさんは特務騎士団長と夫婦だと聞いた事がある。

皆、かなり前から…それこそ俺が生まれる前から帝をしているらしいが…まぁ、俺にはあまり関係無いな。

さて、後は氷像の件を説明しないと…


受付にやってきた俺は、受付嬢に話を通してもらい、ギルドの一室に移動した。

そこで医務室に預けた女の子の事とその女の子を見付けるまでの過程を説明する。



「―で、これがその氷像だ。」


「・・・・・。どう見ても、魔法で凍らされた“人間”…ですね。」


「ああ、その女の子の仕業だろうな…ダークエルフだし、魔法は得意だろう。

それに、女の子は恐らく温度に反応して防寒着を自動装備する魔導具を身に付けているから氷魔法の使い手で間違いない、彼女を売却目的で捕まえようとした盗賊から身を守るために魔法を放ち、魔力切れか何かで気絶した…と考えるべきかな。」


「…分かりました、ご報告ありがとうございます。

報酬は追って連絡いたします。」


「ああ。」



よし、突発的人命救助…しかも相手が魔国貴族なら結構な金が貰えるぞ♪

さて、ならばこれで今日の仕事は終わりで良いか。









それから俺は、何時もの様に晩飯に使う食材を買い、帰宅した。

すると…?



「おっ…おかえりなさい…///」


「・・・・・は?」



…さっき助けたダークエルフがそこにいた。

・・・エプロン姿で。

しかも、何とも言えない良い香りが漂っている。

どうやら晩飯を既に作っていたらしい。

そんな手の込んだ事をやる人物は一人しかいない。



「・・・・・治癒帝(フリージア)さんにやられたぁぁぁっ!!;」



そうだよ!!;あの場にはフリージアさんが居たんだ!!;

治癒帝権限で依頼なんかどうにでもなるっ!!;


案の定、女の子は依頼状を持っていて、おずおずと俺に渡してきた…



「あっ…あの…その…わたし…しばらくあなたと一緒に暮らす事になりました…よろしくお願いしますっ!!」



依頼状を渡した女の子は、それからはにかんだ笑顔で俺を見つめてくる。



「あっ…あぁ…。」



ようやく硬直が解けた俺は、受け取った依頼状に目を通した…



「…っ!!そうゆう事か…。」



依頼状には、先ずこう書いてあった。

指命依頼『記憶喪失の魔族の保護』

この依頼は、依頼者本人からの希望により『クラウドレイン・バンバルディア』専用依頼とする。

尚、指命対象がBランク冒険者だが、当ギルドは治癒帝権限により特例で依頼を受諾した。


保護対象…名前不明

種族…ダークエルフ(だが、何かとの混血?)

性別…女性

年齢…25歳

職業…虹色魔導師(級の氷魔法使い)

メイン属性…【氷】【治癒】【?(不明属性)】

サブ属性…【炎】【水】【風】【土】【雷】【光】【闇】


装備品

・武器…無し

・防具…レザーメイル、レザーシューズ

・アクセサリー…スノードーム(腕輪型魔導具:一定の寒さで防寒具自動装備/氷属性の魔法威力特大上昇/忘却無効)

┗魔防具『スノーショータイム!!』(寒さ無効/氷属性吸収/古代魔法『アイスブレード:ノスタルジア』を1日1回のみ使用可能、魔法『タイムストップ』の詠唱破棄可能)



備考…名前と出生に(まつ)わる記憶が封印されている…ようだが、魔導具の効果のせいか完全では無いようだ。

魔法は全て使えるようだが、やはりメイン属性で、魔導具による補整もある氷属性が一番威力も精度も高い。

種族判定及び魔力判定にて妙な反応あり、恐らく何かしらの種族との混血(ハーフ)と思われる。

魔導具は彼女専用だが、氷剣と時剣を造り出す強力な古代魔法『アイスブレード:ノスタルジア』が封じ込められている。



「…はぁ…厄介な…;」



そう言いつつも、俺は口角が上がるのを感じた…



「あの…?」


「んっ…?」


「だっ…大丈夫…でしょうか…?いきなり押し掛けて…こんな事…


「ああ、それなら嬉しいから問題ないぜ?

こちらこそ宜しくな―…

あー…そっか…名前も封じられてるんだよなぁ…

だが…名前が無いと不便だし…



俺はふと、最初に出会った時に彼女がしていた服装を思い出した。

そう言えば機械の国には『マロース爺さんとスネグーラチカ』の民話があったっけ…

ならそれをベースに…



「……………『スノウラチカ』なんてどうだ?

何かお前、氷魔法の使い手みたいだし、初めて会った時は機械の国の民族衣装だったから、そこの民話の人物から名前を拝借してオレ流に変えた。」



尤も、確か元の名前は此方の意味で既に“雪娘”であり、更に本来なら“スネグーラ/チカ”で切るのが正しいらしいが…だから完全に語感だけだな。

ついでだが『スノウ』はこの国での“雪”の別称だからおおよその意味はそのまんまだったりする。

それを省きつつも俺がそう伝えると、女の子は嬉しそうにはにかみ、続いて、自らに刻み付ける様に名前を呟いた…



「スノウラチカ…良い名前ですね…♪

改めてよろしくお願いします、クラウドレインさん♪」


「ああ。よろしくな。スノウラチカ。

親しい奴等は俺の事をレインって呼ぶんだ、だからお前も、レインで良いぜ?」


「あ…では私の事も愛称で呼んでください♪」


「ん…なら、スノウって呼ぶぜ?」


「はいっ♪」




こうして俺に、(見た目は)幼い同居人が出来た。


…ちなみに、フリージアさんの差し金なのか、帰ってきた時には既に彼女の部屋(元々あった空き部屋がそうなってた)があって、そこにベッドやクローゼット等の家具が置かれ、彼女の服等の日用品が用意されていた…



「フリージアさんの仕事の早さには脱帽だな…


「そうですねっ♪」



そう答えたスノウは嬉しそうに、無邪気に、俺の腕を抱きしめる様にしてくっついてきた。


…いくら何でもおかしいなこれは。

助けた、と言っても俺は彼女を発見しただけだ。

しかも、彼女まで導いてくれたのはメープル…さんだ。

なのに何で彼女は俺にこれほどなついているんだ…?



「…?

どうしました?レインさん。」


「ん…そうだな、単刀直入に訊こう。

何でスノウは、俺をそんなに信頼してるんだ??」


「えっ…?」



俺が訊ねると、スノウはキョトンとした後、ふにゃりと笑った。


「だって、レインさんは私を見付けても襲いかかって来るどころか、助けて下さいました♪

それに、私は妖狐とのハーフなのですが…



そう言って髪と同色の白銀の狐耳と尻尾を出して見せるスノウ…可愛いな。



「ほら、レインさんは嫌なお顔をしない、それどころか嬉しそうなお顔をされます♪

ならわたしはあなたを信頼に足る人物だと判断しますよ?」


「そっ…そうか…///」



信頼できる…そう言って再び抱きつき、猫のように俺の胸に自分の頭を擦り付けてくるスノウ…

なんかこそばゆいな…

見た目が好みなのもあるが、中身も見た目相応な無邪気な子だから、俺としてはこのままずっと―



(・・・いや、ダメだ…。

いくら良い子で俺になついていても、彼女は依頼人で俺は冒険者だ。

それに―)



今ので確信した。

彼女は現魔王様の一人娘だ。

魔王様はダークエルフで、その旦那は妖狐…

そして、ダークエルフであるはずなのに狐耳と尻尾が生えている彼女の、ライムグリーンの瞳…ダークエルフでは珍しいそれは、彼女が魔王様の娘である何よりの証だった。

だから俺はスノウをそっと引き離した。



「さて!じゃあ飯が冷めちまう前に食おうぜ♪」


「あっ…はっ、はい♪直ぐに用意しますねっ!!」



引き離した瞬間、寂しそうな顔をしたスノウに、俺は気付かないふりをした…スノウも取り繕う様に笑顔を浮かべたから、そのままにした…

が…これは、逃げてるだけ…なんだろうな…























シリル:ここは、ある意味では理想的な世界ではあったのだろうな。


ヨースケ:だけどここ、その後人間と魔族の境目が無くなり過ぎて結果的に滅びに向かうんだろ?


シリル:まぁの、神魔戦争じゃったか?

なんと下らない。この世界の《神様》とやらが、つまらぬからと下界に手を出し、遊び始めたからのう。

結果的にそやつが管理する世界は疲弊。

そんなアホをやらかした愚神は

適当な魔族……そう、《スノウラチカ》を悪役…

《悪い魔王》に据えて異世界から勇者を呼ぼうとしとったからのぅ?


ヨースケ:滅ぼして正解だったな。


シリル:……幸せそうじゃったスノウラチカとクラウドレインを見ていると辛くはあったがの。


ヨースケ:……仕方無い。仕方無かったんだ。


シリル:………うむ。他の世界では、幸せになれると良いの。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ