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何処へ?
「あの、さささん。有名人で神様より能力は上と言われても、状況が飲み込めないのですが。」
私は、目の前にいるささという、部屋に突然現れたお姉さんと話をしている。
「やっぱり、実際に体験しないと理解も何も無いわよね。」
と、ひとりで納得していた。
「じゃあ、実際に見てみますか。」
「えっ?」
さささんは、ショルダーバッグから羽のついたペンを取り出し、空間に円を書いた。
すると、円の中が薄い緑色に光った。
「さぁ、行きましょう!」
「ええっ」
私は、強引にさささんに薄い緑色の円の中に押し込まれた。
気がつくといちめんの花畑。
でも、色が黄色しかない。
水色の空にどこまでも黄色い花が咲いている。
「ここはどこですか?」
さささんを振り返り聞いてみる。
しかし、そこには、さっきまでいたお姉さんはいなかった。
私がきたであろう入り口もどこにもない。
360度すべて黄色い花畑が続いているだけだった。