再会の始まり
青い悪魔は消えた。だがそれはあの男のことなのだ。あの男が改ざんした記憶が飛んだせいか自分の青い目にノレンは違和感はない。だが人の手を握るたびにカナメの顔が出てきだす。巷では記憶障害者が続々と現れているので、その何かなのは分かっているでもカナメの手は本物であると何故か信じていた。信じていたものが消えたからそれを思い出すと鬼と悪魔が再び対立する。やってきた殺し合いを水に流すためノレンは閻魔の後継者になりたかった。閻魔お嬢様の事情を知っていたからである。しかしながらノレンは悪魔を倒したヒーローにもかかわらずもう一人のヒーローがその場を仕切っていた。そいつはサタンを名乗り悪魔衆を束ねていて、赤色の澄んだ目をしている。
「あの方はカナメ?」ノレンは口が滑り偽りの記憶だと恥じたとき、サタンの目にノレンがとまった。
サタンはノレンを探すため目立てばよかったのだ悪魔衆をほっておいてノレンに駆け寄る「俺を覚えているか?」そう聞くがノレンにとっては半分初めましてと言わんばかりなのにあの手の温もりを触らずとも感じサタンの手を握った。すると自分がまるで半身を取り戻したような自由さが手の中に宿った。
「カナメなの?」覚えているがきいてしまう
「そうだよ俺だよ」
そのことを受け入れわたしは今混乱している。閻魔の後継者でありサタンの息子であったはずのカナメと恋人であることにとまどっているのだ。
「えっと- - -その」顔を赤らめてその場を去ろうとしたが彼は手を掴み握って真剣な目で見つめてくる。妄想が現実になりそうでこわくなってきて上目遣いで見つめてマジな目なのを確認した。私は思い切って「デートする?」と早速アプローチしたがカナメはマジな目で「何言ってんの?まず目のことでしょ。危ないんだよ忘れたの?戦争した事実はきえないんだよ」
「あんたは私の言ったこと忘れてるでしょ何回も告白してくれたじゃん!わたし本能のまま動くって言ったし!」
急に言い合いが始まった周りの鬼や悪魔はヤジをとばす「夫婦ケンカか若いの」
「そんなんじゃないって!」
「そうじゃないから!」
わたしたちがハモると周りの悪魔と鬼が一緒に笑ってくれた。なごやかで優しい空気で怒りながら二人は幸せを感じつつあったでも未来を見るカナメは落ち着かない表情だ。
「どうしたの?」
「俺記憶障害関係なく君を忘れてたというかうすうすしんじれなくなって- - - 」
ノレンも同様だった。全部夢とおもっていた。手が光ることをにぎらなくても出来るようになっていた。お互い信頼しあってるのだろうか。目が紫に変わるのを二人は空を見上げて隠した。
「なんかお互い変だよね」
カナメはその言葉を裏切るように言い返した。
「変でいいじゃないかこんな愛し方、おれたちにしかできないぜ。自分を信じることが君を信じること、二人でできた目なんだから。でもやらなきゃならないことがあるその先にレンとの約束を果たす。」
「ねえわたしとの約束は?」
ノレンは半ギレだ
「今しよう」カナメは目を閉じ手にそっとビンのフタの開けた時に残るやつを薬指にかけた
「え?」
これを肌身離さず持ってたら結婚してやるよ。
ノレンはそのギャップにツボったのだった。
「ふざけるなこのあんぽんたん」
遠くで二人を眺めていた鬼が青い眼と黒い炎をまとって偽りの記憶にすがるものの心の叫びが二人の耳に届いた。
のろしがあがる
「どうやら戦いたい奴がいるらしいぜ。おれたちと!。」