青い血
「あなた誰なの?」
赤い瞳の青年の正体は言わずともわかっていた。鬼の私が見えることとその瞳の色は死者の証である。カラーコンタクトでは出せない引きずり込まれそうな色、その赤は霊界の選りすぐりの飼い犬のものだった。それとは関係なく名前が知りたかったのだ。
「そうだな」 「君に教えたところでどうもできやしない。俺はカナメ。死神さ」
「!!」
(死神は今戦争している西洋の神である「悪魔」じゃないか)
「敵- - -なの?」少しだんまりが続くがカナメは急にしゃべりだす。
「ああ敵だけどだからどうした? 俺の本当の敵はその青い目を持つクソ野郎そのものだ!!あいつは俺たち地獄の案内人をそそのかしてサタン様をただの無知なエネルギー体に変えた「浄化」と称してな!!そのエネルギーが青い目の正体だ。この赤い目はてめーらのボス閻魔と組んだ証。俺は犬になりさがったんだ
ついてこい!」
「え?」話についていけない。なぜ青い目がわたしについたんだろう?
「青い目は心が綺麗なものにしかつきにくい。おまけに可愛いなんてバチでもあたったんだろ。それの使い方をおしえてやる」
敵に褒めてもらってもうれしくないはずだった。さりげなく可愛いといわれたことは顔を曇らせる。これでいいのか迷う様に。
カナメが走り出した。ノレンはついていくか迷ったがカナメは気にせず走ってる様にみせかけノレンの方を哀愁ある赤い目で見た。
(そうだ。この人は私を助けようとしてくれたんだ敵だった筈のわたしを!)
(恩を返すことがわたしのいまのすることだ!迷うな私!ついていけ!)
「どこにいくの?カナメ」
カナメは鋭い形相で呟いた。
「奴がいる」
辺りが嵐の前触れの様に静かだ。






