03話、対決 スレイザード
「よし。」
訓練室にみんなのやる気と緊張が立ち込める中、四人の生徒は人一倍やる気に満ちていた。
「では、自分の小隊以外のメンバーとペアを組んで下さい。」
その言葉を聞き藤宮 章斗はその場で凍り付いた。
そして、数分後。
「なぜ…こうなった。」
章斗はそう言い目の前の人物を睨んだ。
章斗の目の前にはクラス内ランキング3位の小賀 彰斗があざ笑うように見ていた。
―数分前―
「早くペア作らないと…。」
章斗はそう言い辺りを見回す、皆はすぐにペアを作り始め拓真、正弥、魁武はすでにペアを組んでいて、章斗は周りを見回す。
「早く、見つけねぇと。」
章斗はそう言い探していると、後ろから肩を叩かれた。
「ペア組もうぜ。」
そう言われ章斗は後ろを向くと、そこには彰斗が立っていた。
「いいけど。」
章斗はそう言い学生証の端末で登録した。
―そうして現在―
「ではルールを説明します。」
そう言い担任の御門 隆はそう言い入学初の模擬戦のルールを紹介し始めた。
「ルールの説明をする、さっき組んだペアで模擬戦をしてもらい小隊での勝ち数で小隊のランクを決める、制限時間は5分で相手に多くダメージを与えたほうの勝ちだ。」
御門先生はそう言い対戦の順番を発表した。
次々に発表されていき、章斗と彰斗の対戦の番も発表さてた。
―第二訓練場―
数十分たち章斗と彰斗は訓練場の仮想コックピットブースに入り模擬戦の準備をする。
『では装置の説明をする。』
ブースのスピーカーから御門先生の声が聞こえてきた。
『この訓練用仮想コックピットブースは基本的には本来の魔装機龍コックピットと同じものだが、違う点はまず、デバイスを差し込まなくてもこの様に通信ができる事と、衝撃吸収装置がなく、逆に機体ダメージを受けると振動するようになっている。』
先生が淡々と説明をしていき章斗と彰斗はお互いにデバイスを仮想コックピットに差し込む、するとコックピット内に明かりがつきだし瞬き真に明るく照らされた。
『ではお互いにヘットギアを付けて出撃待機状態にしろ。』
先生はそう言い通信を切った。
章斗はシート後方にあるバイザー型ヘットギアをかぶり機体情報を確認する。
機体名、スレイザード
ランク、C
アーマー、一刀式近接武装 黒鉄
魔術設定、-
章斗が魔術設定を確認しようとした時に彰斗から通信が入った。
『早くしろよ。』
彰斗はそう言い放った、彰斗の機体はすでに待機状態にありしびれを切らして章斗に通信してきたのだ。
「チッ、やかましいなぁ。」
章斗はそう言いスレイザードを出撃待機状態にする。
すると、メインモニターが付きガレージと思われる背景が映し出される。
「おぉ。」
章斗は感心したように呟く、メインモニターの映像は現実と区別がつかないほどのクオリティで感心した。
すると章斗の機体が動き出しカタパルトにセットされる。
『これより、小賀 彰斗対藤宮 章斗の模擬戦を開始する。』
先生のアナウンスにより二人の緊張感が高まる。
『両者、発進。』
先生の掛け声と共に二体の魔装機龍がカタパルトから出撃する。
―闘技場ステージ―
章斗と彰斗が降り立ったのは仮想対戦ステージの闘技場ステージだ、特徴としてはギリシャのコロセウムのような作りで相手との遮蔽物は無く狭い戦域で接近戦がしやすいステージである。
章斗は前方の機体を見る、章斗のスレイザードの前に立つのは両手に持つ二丁の機関銃と全体的にオレンジ色でトゲトゲした造形になっている。
『機体名はギラ・セルヴ、Bランクの中距離型だ。』
彰斗はそう言いスレイザードに二丁の銃口を向ける。
その瞬間銃口は火を噴きスレイザードに無数の魔力弾が襲い掛かる。
「クッ。」
章斗はそう言いスレイザードを右方向に走らせる。
ギラ・セリヴの魔力弾がスレイザードの居た所をなぞるように追って行く。
「クッソ。」
章斗はそう言いスレイザードの唯一の武装である黒鉄を抜く。
『馬鹿が、貴様の攻撃なんざ届くかよ。』
彰斗はそう言い攻撃をさらに強力にする。
「さっきより強くなってる。」
章斗はまたもや逃げに徹する。
「近づけない。」
章斗はそう言いタイムカウントを見る、すでに2分半を切っており残り時間の半分を切っていた。
『そろそろ終わらせるか。』
彰斗はそう言い二丁の機関銃を捨てて背中からガトリングガンを取り出す。
「な…に…。」
章斗はそう喘ぎギラ・セルヴの猛攻がスレイザードを襲う。
「ヴッ。」
ギラ・セルヴの猛攻を喰らったスレイザードはダメージゲージを半分ほど削りスレイザードは膝を着く。
『これで、おわりだ。』
彰斗はそう言いガトリングガンを向ける。
「いまだぁ。」
章斗はそう言いスレイザードを突撃させる。
その速度は今までの移動速度は今までの速度のはるか上を行き、彰斗もその速さに驚き反応が遅れる。
章斗はその隙を見逃さずギラ・セルヴに突進をかます。
ギラ・セルヴは体制を崩し後ろに後ずさる。
「オラァァァァ。」
章斗はそう叫びスレイザードを一旦後退させて黒鉄を握り占める。
「限界なる加速!」
章斗はそう言いギラ・セルヴの胴体、コックピット部分を貫きそこで模擬戦が終了した。
―放課後―
その後模擬戦は進み章斗達B-K小隊は全員白星で終えることができた、なお機体撃破をしたのは章斗のみでその日は学園中でちょっとした話題になった。
「今日は祝杯だ~。」
魁武はそう言い他の三人よりも少し先に走って行った。
「あいつは相変わらずだな。」
拓真はそう言い魁武を追う。
章斗と正弥はその姿を見て二人の後ろを歩く。
「今日は楽しかったな。」
正弥は呑気にそう言い章斗に話しかける。
「あぁ。」
章斗は短く言い歩く。
「章斗何考えてんだ。」
先を走っていた魁武が章斗の肩に腕を回し言う。
「今日は祝杯だぁ~、料理は任せるぜ。」
魁武はそう言い章斗を揺さぶる。
「全く…それにしても俺ら祝杯多いよな。」
章斗はそう言い苦笑する。
「それは俺らだからだろ。」
拓真はそう言い章斗達と男子寮に向かう。
―同時刻 学園内大掲示板―
比宮学園で一番大きな電光掲示場がある講堂前に少女は居た。
「藤宮さんは凄いのです。」
少女、榊 謡はそう言い楽しそうに微笑んだ。
「榊さ~ん、何してるの。」
普通科生徒の制服を着た女生徒はそう言い謡に手を振る。
「今行くのです。」
謡はそう言い駆け寄る。
指摘を貰ったので訂正しました。