01話、入学 比宮学園
「ふぅ…」
場所はとある駅、そこには一人の青年が壁に寄りかかっていた。
「遅い…。」
一人の青年はスマホを開き時間を確認する、時刻は集合時間からはまだ十分時間があるが彼が来てから数十分経過していた。
青年の名前は藤宮 章斗、今年はれて高校生として進学した彼はその身を黒い軍服のような造形の制服を着て目を瞑り考え事をしていた。
「わり~、遅くなった。」
そう言い章斗に駆け寄って気たのは章斗と同じ黒い軍服制服を着た人物が三人居た。
その三人は章斗の中学時代からの知り合いで親友たちだ。
左側に居るのは少し茶髪交じりの毛に章斗より少し背の低く何処か中性感のある童顔青年は河原 正弥。
右側に居るのは正弥よりもさらに背が低く、ニヤケ顔の絶えない黒髪に少し白髪が混じった少年のような男子は椎野 魁武。
そして真ん中に居るのが、章斗と対して背の差がなく、その顔には黒い伊達メガネを掛けているのが、章斗の最大の親友にしてこの四人のまとめ役の高宮 拓真。
「よっ」
ようやく来た友人たちに、そう言い右腕を上げて挨拶を交わす。
「時間には遅れていないからいいよ。」
章斗は拓真達と共に駅のホームへ歩いて行った。
―電車内―
章斗達が電車にのってから数十分、あと少しで目的地の駅に着くと言う時、四人はこれからの学園生活を楽しみにしていた。
「これから新しい学校か、わくわくするぜ。」
魁武は目に見えて楽しそうにして電車の窓から外の景色をみて、指を鳴らす。
「うるさいなぁ」
と章斗
「周りの迷惑を考えなよ」
と正弥
「静かにしろ、筋肉バカ」
と拓真
魁武に向けた三人の多種多様な罵声に心を折られた本人は座席に座りうつ向いたまま動かなくなった。
「しかし、新しい生活か」
章斗はそう言い窓の外を見る、そこには自分たちがこれから生活する場である比宮学園が見えてきた。
「そろそろかぁ」
そう言いうつ向いていた魁武が急に立ち上がった。
魁武はさっきの罵倒のダメージは微塵も感じなかった。
「あ、立ち直った」
正弥がそう言うとほぼ同時に電車が目的地についた。
―比宮学園 校門―
章斗達は学園の校門に到着した、その道中に魁武が言った発言に三人が三度ほど突っ込みを入れて心をへし折ったのは余談だ。
「しかしまぁ……広いな。」
章斗がそう言い辺りを見回す、目の前にはこれでもかって程に広い学園が広がっていた。
「ほんとに…東京湾の真ん中にこんなバカデカい学園作りやがって。」
章斗はそう言い辺りを見回す、そこには多種多様な制服を纏う学生たちが居た。
「そりゃ日本最新鋭の魔装機龍学園だからな、デカくて当然だろ。」
拓真そう言い何でもないかのように校門をくぐって行った。
「お、おい待てよ。」
魁武、正弥も先を歩く拓真を追って行く。
「待てよ。」
章斗も拓真たちを追いかける、これからの学園生活に期待を胸に込めて。
―比宮学園 体育館―
ここ比宮学園には三つの学科がある、一つは章斗達が通う機龍実戦科通称ジッカと呼ばれる生徒、ジッカは基本的に魔装機龍の実戦及び取り扱いを学ぶ学科で学内依頼をこなす事により奨学金という名の報酬を手にできる、制服は黒い軍服だ。 二つ目は機龍整備科通称セッカと呼ばれる生徒、セッカは魔装機龍の整備及び製作を学ぶ学科で自身の発明品で特許を取ることができる、私服は紺色のツナギ。 三つ目は学業推進を掲げる普通科だ、普通科は特に別称は無く一般の学校と変わりのない事をするが、卒業後の成功は約束されているようなエリート学科、制服は男子が白のブレザーで女子が白のセーラー服。
ここ比宮学園にはこの三種類の生徒で構成されている。
「これで校長祝辞を終了します。」
その後入学式は生徒会の挨拶を終えて、その後の一連の予定を終えて入学式が終わりを迎えた。
―比宮学園 1年B組―
章斗、拓真、魁武、正弥は自分のクラスである、1年B組のホームルームを聞いていた。
「私がこのクラスの担任の御門 隆です、これから3年間よろしくお願いします。」
御門先生はそう言い頭を下げた。
章斗はこの御門 隆という先生を見て、目をしかめた。
(この人どっかで見た事あるような・・・)
「それでは、皆さんに自己紹介をしてもらいましょう。」
こうして波乱の自己紹介が始まった。
章斗の場合
「藤宮 章斗、16歳、彼女なし、今は特撮やアニメを見ることが趣味です、彼女募集してます、よろしく。」
イケメンでない章斗がそんな事を言えばクラスの空気が凍てつくのは目に見えた結果だった。
拓真の場合
「高宮 拓真だ、魔装機龍の事が知りたいので際しい女性が居たら、駅前のホテルで朝までご教授願います。」
この自己紹介で拓真の信頼性等が一切なくなったのは言うまでもない。
魁武の場合
「椎野 魁武だ、好きなものは一に筋肉二に筋肉、三四がプロテインの、五が筋肉だ、よろしくな。」
クラス内の全員が一斉の魁武をバカだと認識した、今後これほどの思いが一つになることは無いだろう。
正弥の場合
「河原 正弥です、好きなものは生物全般で、特に爬虫類と魚類に昆虫類がすきで、昆虫だったら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
その後先生が止めるまで正弥の自己紹介|(?)は続いた。
そのことによりこの四人はクラス内全員にバカだと認識された。
―比宮学園 放課後―
「よし、学生寮いくか。」
魁武がそう言いカバンを手に取り章斗達に声をかける。
「そうだな。」
拓真がそういい正弥も頷く、そして荷物をまとめて教室を出る。
「あ、俺はこの後先生に呼ばれてるから。」
章斗はそう言いカバンを肩にかける。
「なんだ、ふじみん、入学早々やらかしか。」
章斗の事をふじみんと呼ぶ魁武はそう言い章斗をあおる。
「うるせぇぞ筋肉バカ。」
章斗はそういい魁武にデコピンをして教室を出て行った。
―比宮学園 学年室―
章斗は学年室で御門先生からある物を受け取っていた。
それはホルスターに入ったメカメカしい拳銃だった。
「これが君の魔装機龍召喚機だよ。」
先生そう言い章斗にデバイスを手渡す。
「何故今なんですか。」
「君の魔装機龍が今日整備が終わって待機状態になったからだよ。」
先生はあっさりと答えた。
「なんでそうなったんですか。」
章斗の疑問はあっさりと答えられた。
「君は学内抽選枠だったね、その機体の名前はスレイザード、詳しくは学生証にデータを送っておくよ。 そして君の疑問の答えはね、その機体はランクCの最低ランク機体で整備が後回しになったからだよ。」
先生の斜め上の回答に困惑する章斗。
「用事はこれだけだから、早く寮に戻りなさい。」
先生に言われて章斗は寮への道を歩き始める。
―比宮学園 とある桜並木―
章斗は寮へ向かう道を歩いていた、そこは学園生徒ならだれでも通る道。
しかし今は章斗以外は誰も居ない、章斗そんな状況を寂しく思うが気にせず歩く。
「はぁ、最低ランク機体か。」
章斗はそう言い学生証である携帯端末を操作して、機体情報を見る。
「抽選に当たったはいいが最低ランク機体か。」
章斗はそう言い昔を思い出す。
その記憶は今ここに居る理由その物、昔に森の中で魔獣に追われている時に現れた魔装機龍、日本の汎用機体である黒霧弐式の記憶だった。
「たしか黒霧弐式はランクBの機体だったな。」
章斗がそんな事を思っていると突然もの凄い風が吹き抜ける。
章斗が不意に目を閉じてしまう。
「風つっよ。」
章斗がそう言い目を開けると目の前には学園内で一番大きい桜の木の下で章斗同様に目を閉じて片手で髪の毛を抑える美少女が居た。
「・・・ッ」
章斗は声も出さずにその美少女を見入る。
その美少女は白いセーラー服を着て、髪の毛を後ろに纏めていた。
「貴方も新入生さんなのですか。」
美少女はいつの間にか目を開けて章斗に話しかける。
「あ、あぁ。」
章斗は半ば条件反射の様に答える。
「私は榊 謡と言うのです、貴方は何と言うのですか。」
「藤宮…章斗……。」
またもや無意識に返事する章斗の事を謡は微笑み、謡は章斗に近づく。
「これからお互いに頑張りましょうね、藤宮さん。」
謡はそう言い女子寮の方へ向かって言った。
章斗はその姿を呆然と見送る。
「い、いけねぇ早く寮にいかねぇと。」
章斗はそう言い謡とは桜を挟んで反対方向にある男子寮に向かう。
―比宮学園 男子寮―
章斗は寮に戻りシャワーを浴びて、遊びに来た拓真と正弥をルームメイトの魁武と共に迎える。
「宴の準備はできてるぜ。」
魁武がそう言い二人を招く。
「遅かったな二人とも。」
章斗も机の上に料理を乗せて迎える。
「待たせたな。」
拓真はそう言い床に敷いてあるクッションに座る。
「うまそうだな。」
正弥もそう言い座る。
そしてすべての準備が整い、拓真が乾杯を言おうとすると。
「「「かんぱ~い」」」
三人の声が響く。
「か、かんぱ~い。」
拓真も遅れて言う。
それから時間は立ち全員のテンションが頂点に達すると、歌いだす者、躍る者、寝る者など様々な行動を取り出す。
そんな中、章斗は帰り道の出会いを思い出す。
「なんだふじみん、たそがれやがって。」
魁武はそう言い章斗に無理やり炭酸飲料を飲ます。
「何しやがるこの筋肉ダルマァ。」
章斗はそう叫び魁武にペットボトルごと飲ませる。
魁武は鼻からジュースを思いっきり吹き出して倒れた。
「ウラァァァァァ。」
章斗は魁武を踏みつけて雄叫びを上げる。
そうして時間は過ぎて行き、築くと外は明るくなり各自の部屋に戻り、その日の先生の話が全然入ってこなかったのは別の話。
これから超不定期投稿ですがよろしくお願いします。