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ごく平凡  作者: 美月里亜
9/18

隣の芝生は青い9

「やっぱり、学校帰りのパフェは最高だな」

突然の前野の告白から数時間後。

オレと天王寺は、前野の真意が分からないまま、中学時代からお世話になっている、『カフェいちご』に来ていた。

分からないまま、と言う言い方は相手にとって非常に失礼な気はするが、本当に分からないのだから仕方ない。

あの後、前野はオレのマドンナの森久保に呼ばれ何事も無かったように帰ってしまったし、後に残されたオレは、女子生徒たちの嫉妬の眼差しを存分に受けながら、天王寺と教室を出た。


「わぁー、天王寺くんが来てるー久しぶりーーーー」

カウンター越しから、金髪に染めた髪をひと纏めにした、メイクバッチリだが、年はオレたりより二つ上の、この店の一人娘谷山いちごが現れた。

天王寺が来てると、母親から聞いたのだろう。急いでしてきた彼女のメイクは中途半端で、右目だけ、まつ毛が上を向いていたり、アイシャドウの色が左右違っていた。

天王寺のイケメンパワーはやはり凄まじい。

「お、いちご、相変わらずすごい色の髪だな、よくそれで退学にならないな」

「バカ高だからね、天王寺くん、もう1つパフェ食べる?私のおごりで」

ここのカフェの一番大人気のプリンアラモードは、一日限定10個しか出していない。

それなのに、学校終わった天王寺が食べれるのは…もう勘のいい読者なら分かるであろう。

ここの母親がいつ天王寺が来てもいいように天王寺のためだけに用意しているのだ。

「マジで?んじゃ、もう1つお願いしちゃおうかな」

「了解しましたー」

いちごと隣に立っている化粧の濃いいちごの母親が声を揃えて答えるのを見てから、

「あ、じゃ、オレもプリンアラモード」

と言ってみた途端に、

「申し訳ありません。本日プリンアラモードは完売しています、食べたければそこのコンビニに行ってください」

と、冷たい目でまたまた声を揃えて言ってくる。


こうやって学校以外での場所でも差別を受けてしまう。

ドリンクだって、オレの氷だらけのアイスコーヒーとは明らかに違う天王寺の濃いアイスコーヒー…。


「オレの半分やろうか?」

出たー、天王寺の天然ぶり。

ほらほら、いちごたち親子のオレに対する嫌悪の表情。

お前には見えないのか?天王寺?


「いや、そんなに腹減ってないから大丈夫」


天王寺ほどでは無いが甘党のオレもプリンアラモード好きなのになー。


ああ、神さま、オレにもプリンアラモード食べさせてください。

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