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フリントの意思 ーもう1人の英雄ー  作者: けんぴ
3章 心の光
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黒に近い灰色

2日以上、サモンは魔物相手に戦い続けた。黒色の森の中、とめどなく襲い掛かってくる魔物たち。サモンは途中デスピクシーの他に3体の魔物を使役する。


ダークウルフ、オロチ、デスプラント。元は力の無い魔物であっても今のサモンは極限まで強化した状態に成長させることが出来た。使役した魔物とサモンは急激にレベルを上げた。そして、周囲から襲い掛かり続けた魔物たちは逆にサモン達からの逃亡を図るようになっていた。


サモン・フリント lv 84

クラス:サタン・サモナー スキル:サタン・エボルブ

称号:闇に堕ちし者

HP 100000

PW 200000

DEF 100000

INT 100000

SPD 300000

SPI 20000

属性 無・闇


使役状態のサモンは以前とは比べ物にならない程に激しく、そしてとどまることを知らない力を持っていた。しかし、それは余りにも悪魔的だった。


『主よ、周囲に魔物の反応はありません。』


ダークウルフがサモンに語り掛ける。


『そうか、よし、引き続き周囲の警戒を怠るな。デスピクシーよ、この森を抜けるまであとどの程度の時間がかかる?』


『今のペースで北を目指せば1昼夜くらいかしらぁ?でも抜けた後から人里まではもう3日間程度かかるわねえ。』


『わかった。』


『サモン殿、食材を調達してまいりました。』


木の上からオロチが下りてくる。


『ありがとう。さて、20分休憩したら早速出発する。』


デスプラントが影から出てきた


『サモン、今お前の身体は悲鳴を上げている。回復魔法で動けるのもあと3時間が限度。恐らくお前は意識を失うであろう。保護領域を創るから。お主は寝ておけ、我がオロチとダークウルフと共に融合して移動しながら進めば問題なかろう?』


『…それは。』


『お前の目的とする魔王討伐の前に力尽きてどうするのだ?休むことの出来ぬ戦士はまさにバカだ。休みなさい。』


『…忠告感謝する。ではよろしく頼む。』


サモンはオロチがとってきた果物をほおばりデスプラントの保護領域の中で眠りについた。

それは3日ぶりの睡眠。サモンは1昼夜、森を抜けるまで寝続けていた。



道中


「ねえ、サモン様の調子はどぉ?」


デスピクシーは心配そうに地を掛ける融合魔獣に聞いた。


「「「心配ない。気持ちよさそうに眠っておられる」」」


「…体はこれで回復するでしょうけど、精神が心配ね、心が復讐心に駆られている。命を顧みない状態よ。起きたらまた無理な戦いに身を投じるでしょうね。」


「「「…サモン様の過去も我らには伝わっている。あんな事があったのだ。復讐に身を駆られるのも当然であろう?だから我ら闇の4使役獣が闇の力でサモン様をお守りするのだ。」」」


4体はサモンの身に起きた出来事すべてを知っていた。光の勇者の素質を心に持つ主が復讐に駆られ闇に堕ちる今の現状をどうにかしたいと願ったが、彼らだけではどうにもならなかった。






森を抜け、更に北へと向かうなか、サモンが目覚めた。


『『『おはようございます。サモン様。』』』


3体は融合を解き、デスプラントが保護領域を展開。オロチの採取した果物をサモンの前に用意する。


『ありがとうなお前ら。おかげで大分楽になった。現在どこら辺にいるんだ?』


先ほどまでのサモンとは打って変わって冷静な声を出すサモンに4体一同喜びを感じていた。


『現在はぁ、森を抜けてから3時間程走ったところよぉ。』


『そうか、迷惑をかけてすまないな。ありがとう。』


『何を言うか。休めと言ったのは儂だ。お主が倒れる方がよっぽど迷惑だ。』


『手厳しいな…』


サモンは苦笑いを浮かべる。サモンが笑顔を浮かべたのも3日ぶりの事だった。


『主よ、周囲の索敵完了いたしました。半径20km以内に敵はいません。』


ダークウルフが戻ってきた。


『お疲れさま。…ところでお前らに名前つけなきゃだよな。今のままだと呼びにくいし。よし、ちょっと考える。』


数分考えた後、サモンは4体それぞれに名前を付けた。


デスピクシー : ルナ

ダークウルフ : ゼブルス

オロチ    : ヤマト

デスプラント : ヴィント


『よし、じゃあ出発しよう。これからもよろしく頼む。』


『『『『はい』』』』


サモン一行は再び人里を目指して出発した。まずは今自分がどこにいるのか。そして、魔王の寝床へ突っ込む算段。どのようにあのクズを殺すか。それがサモンの考えを支配していた。


正常な思考能力が戻ってなおサモンは心を闇に覆われていた。


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