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フリントの意思 ーもう1人の英雄ー  作者: けんぴ
1章 ドリュー解放 1つ目の英雄譚
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3話 初めての魔獣使役(一匹目)

今回からサモンの一人称視点が入ります!わかりにくかったら教えてください。

キョウコを出てから2日、もう少しで保護地域を抜けようとしていた。保護地域は魔獣が存在しない人類が生活できる場所だ。


「よし、ここからは本当に気を付けていかないと、魔獣が出てくるからな。」


次の保護地域の町ルクスまでは徒歩で7日ほどかかる予定だから野宿が必要となってくる。火を焚けばここらに存在する危険度の低い魔物は寄ってこないが警戒は怠ることができない。次の地域までは集中しなければ。


保護地域の門についた。門番が立っている。


「君は?」


門兵が話しかけてきた。


「キョウコ村のサモン・フリントと言います。」


「ああ、フリントさんところの…そうか、村を出るのだね?」


父と母はここらでは有名な騎士であった。特に門近辺に魔物が発生したときは我先にと夫婦で討伐に出かけていたのだ。


「フリントさん夫婦は本当に立派な方々だった。君も立派な人物に成長するだろう。汝が生に光あらんことを!」


門兵は敬礼をしてくれた。ありがたいことであった。


「ありがとうございます。父と母のように成長してまたキョウコに戻ってきます!」


そういって門をくぐり保護地域の外に出た。



門をくぐってから2日サモンは魔獣と出会わなかったが、スキルについて考えていた。スキルは自らの実力に応じてできる範囲が広がる。何ができるかはスキルについて考えると理解できる。


魔獣使役 lv 1

魔獣合成 lv 1

意志疎通 lv 1



今のところこの3つだ。サモンは考えていた。魔獣を使役することは未だに許せない。だが、使わないことには自分を見つめることも出来ないだろうと、獣に明確な意思があるのかも確認したかった。だからこそ出会った魔獣を使役しようと覚悟を固めていた。



3日目、ついにサモンの前に一匹の魔獣が現れた。スライムだ。赤いその体からして炎属性のスライムだろう。


『きゅぴいいいいいいいいい』


スライムは一般の住民でも倒せるほどの魔獣だ。しかし次に会った魔獣をと決めていたのでサモンはスキルを使用した。


「はあーー!魔獣使役!!」


手から灰色の光が魔物に向けて発射された。スライムは動かなくなったが1~2分するとはね始めた。


『ご主人様、使役していただき、ありがとうございます。』


思った以上に礼儀の正しい、見かけによらない意志が頭に入ってきた。スキルが俺に告げているが頭で伝えたいと思ったことは魔獣に伝わるらしい。


(俺はサモン・フリントという、これからよろしく頼む。お前ら魔獣にはみな意志があるのか?)


魔獣に意志があるなら、それは明確な意志で両親を殺したということになる。ならば俺はあの魔獣を絶対に殺さなければならない。俺は一番気になっていたことを聞いた。


『それは一部の上級魔獣に限られた話です。わたくしはご主人様に使役いただいた瞬間に自我を宿しました。』


そうか、ならば魔獣本人に確認しなければならない。あのボルケーノドラゴンに…旅の目的が一つ明確になった。


『ご主人様、よろしければわたくしに名をいただけないでしょうか?』


思考を重ねているとスライムが話しかけてきた。使役ということは主従関係を結ぶということだ。スライムと呼ぶわけにもいかないか。


(そうだな、属性は炎で間違いないか?)


『流石ご主人様です。私は火に適性を有しております。』


いや、まあ色見ればわかるけどね。そういえばもう一つ確認しなければならないことがあった。


(お前人類を襲ったことはあるか?)


『私はまだ生まれて間もないですから。ご主人様が初めてであった人類でございます。なので、ご主人様を襲ったということになります。魔獣は本能に人類を襲うよう刻まれていますから。』


なんだと?魔獣は人類を襲うように創られているのか?


(俺を襲ったことについてはいい。しかし、どんな存在に刻まれたのだ、その本能を)


『ッハ!魔王によって刻まれております。元をただせば私はご主人様が決して肉眼で見ることの出来ない小さな生物であったと記憶しております。』


(つまり魔王が動物を魔物に作り替えていると)


『ご主人様のいう通りでございます。』


なら…魔獣に罪を問うのはおかしな話だ。殺すべきは魔王だ。しかし、俺はまだ魔獣を赦せない。親を奪われたのだ。そんな簡単に考えは変わらない。ただこのスライムは俺が使役した。面倒を見よう、元は生き物なら、あの森にいた動物たちと変わらないのだから。


(質問に答えてくれて感謝する。お前の名前は今からエンガイムだ!それと俺のことはサモンと呼べ!)


するとスライムは光だし、光が収まるとより赤くなっていた。


『サモン様、このエンガイム、あなたの従魔としてこの命捧げます。』


(よろしく頼む。ところで今変化しなかったか?赤さが増したが)


『従魔のステータスはスキルを確認してくだされば幸いです。私は名をいただいて存在の階級が上がりました。ただいまより、正式なサモン様の従魔でございます。』


(なるほど、分かった。)


スキルボードか、いつも通り念じればでてくるのだろうか。エンガイムのスキルボードと念じてみる。いつも通り空中に青いボードが出てきた。


名前:エンガイム 歳:生後1か月

クラス:マグマスライム スキル:超高温

HP 300

PW 100

DEF 1500

INT 100

SPD 500

SPI 100

属性 火

進化前:ファイアスライム


うん。一般住人の10倍は高いステータスだ。DEFに関しては聖楯騎士ほどの能力がある。強いな。


(強いな、すでに俺を超えているのではないか?)


『お戯れを、サモン様は魔獣使いでございますれば、わたくしの能力はすでにあなたの物です。使役をしてくださる間、私の能力はサモン様に加算されています。私よりサモン様が弱いという可能性はゼロです。』


なんだと!?自分のステータスも確認してみる


名前:サモン・フリント 16歳

クラス:魔獣使い スキル:魔獣合成

HP 300

PW 300

DEF 1800

INT 5100

SPD 600

SPI 1000

属性:無 火

魔獣スキル 超高温


100%エンガイムの能力が加算されていた。なるほど、そういうことか、ますます人類の敵のようなスキルだな。


強さが増える分にはうれしいが、複雑な気持ちになった。


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