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フリントの意思 ーもう1人の英雄ー  作者: けんぴ
2章 希望を分かつ者たち
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10話 エンガイムさん

日曜はお休みです!ごめんなさい。

サモンが目覚めたのはナダル山の近くにある洞窟の中であった。エンガイム達を襲っていた小竜は全滅させたが、エンガイムは敏感に気配を感じ取りサモンに正確な魔獣の数を伝えていた。


『サモン様、山の中腹に3215体の小竜が潜伏しております。多くは地中に潜っているようですね。山の頂上にはあの竜が…恐らく眠っているのでしょう。動きがありません。』


『すごい察知能力だな…っていうかエンガイムもララもボルも、光りすぎてて見づらいんだけど。』


サモンが聖獣使いへの覚醒を果たすと同時に、エンガイム達は聖獣へと進化を果たしていた。それぞれが光を纏い、まるで太陽のようだった。


『これは申し訳ございません。ただいま変形致します。』

『はーい!』『わかったー』


そういうとエンガイムはヒトの姿になっていた。サモンの好みど真ん中を全速力で貫いたような見た目に、加えて、とても際どい服装をしていた。ララとボルは進化前に寄せて光を抑えていた。


『おおおおおおい!エンガイム、なんだ急に!!』


サモンは顔を真っ赤にしていた。自分好みな程良い肉付きの体型、美しく肩まで伸びた黒い髪、豊満な胸は下と上が出ていて真ん中だけ布?のような、輝く黒い物質で隠されていた。黒いパンツの上に謎の透けるスカート。もしこの場に男がいたら全員一度は振り向く絶世の美女がここに爆誕していた。


『サモン様が今まで見てきた女性たちの中から特に視線を送っていた箇所を選び抜き、サモン様が究極に好まれる姿に致しました。因みに服装はサモン様の好み通りに仕立てたつもりでございます。』


『や…やめてくれ!!集中できない!あとお前心に響く意思はダンディだから違和感半端ないよ!スライムに戻ってくれ!!』


『なら、女性よりの意志に致しますわ。サモン様、私はサモン様の物、何なりとお申し付けください。』


一瞬でサモン好みの声に仕立て上げた。なにこのスライム。ほんと怖い。


『いや、戦えなくなっちゃうから!?エンガイムさん!』


エンガイムはサモンの二の腕にしがみ付き、上目遣いでサモンを見つめた。


『私が守りますから。もう嫌です。あんな思いしたくありません。サモン様がいなくなったら私はどうすればいいんですか?もう私の魂はあなたの物なんです!離しません。』


エンガイム涙流しよった… 

目の前で涙を流しながら見つめてくる色気が半端ないスライムはカンナ以外にサモンを悩殺した2人(?)目の女性となったのだ。


『因みに、完全に人間と同じ体のつくりにしましたから…いつでもどうぞ…。』


エンガイムさんがほほを染めながら斜め下を向いて体を少しくねらせた。


あ、ダメだこれ。サモンは煩悩を振り払うようにエンガイムを無理やり影に押し込み、ララに言った。


『ごめん、ララ山に速攻で行って小竜全滅させたいから変形頼めるか?』


『わかったわ…またサモンを好きな女の子が…私だって人間になりたい。』


いいえ、エンガイムさんはスライムです。サモンは心の中で突っ込んだ。


『そういえば、私も進化したからもっと早く移動させられるわよ!』


そういうとララが変形した。サモンが一度だけ村で見た5人が搭乗可能な4つの車輪がついた魔力起動のスピーダという乗り物から車輪を2つにし、一人用の乗り物にしたような物に変形していた。色は白銀で重厚感がある。正直格好良かった。


『中々いいな、スピードはどのくらい出る?』


『んー馬の5倍かな?ここから山の中腹までなら10秒で行けるわよ!』


最早そこまで行くとどんなスピードなのか検討もつかなかった。


『まあ、とりあえず行ってみるか…』


乗った3秒後、すでに山を駆け上っていた。



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