表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フリントの意思 ーもう1人の英雄ー  作者: けんぴ
2章 希望を分かつ者たち
22/37

4話 作戦会議と第二の襲撃

サモンは壕に戻り偵察の結果を伝えていた。


「…以上だ。山の中腹に小竜の集団がいる以上、竜も山中にいる可能性が高いと思う。村の周辺には数えきれない量のコンドルのがいたからまずはこいつらが襲撃してくると思う。」


「…なるほど、ありがたい情報だ。偵察の任務までこなしてくれるとはな。感謝する。それで今後の対策を話し合いたい。」


「ああ、そうだな、スワン、お前はコンドル相手ならどれ程相手にできる?」


「コンドルなら…条件にもよるが、私は一応身体強化魔法に適性のある珍しいタイプでね。戦闘力を上昇させれば最低でも100体は一気に相手にできる。」


「…強いな、そのほかに一気に10体以上相手にできる人はいるか?」


民兵の中で10人が手を上げた。思ったよりもまともな戦力だ。


「そうか…次のコンドルの襲撃、全方位からの大規模襲撃になると思う。最初俺が中央口から外に出て上空に全方位魔法を放つ。残りを討伐してほしい。残りがどれくらいになるかはわからない。先ほど手を上げてくれた10名が1人ずつ入り口に備えて、1人に5名の民兵を付かせる。計6人で防衛にあたるといいだろうな。どうだ?」


「…ふむ、申し分ないな。しかし、予想外の出来事。例えば小竜の集団が襲撃してきた場合はどうする?」


「そこで俺とスワンの出番だ。小竜が出た場合は結界に入れ。結界への攻撃は俺が感知できる。小竜とコンドルには戦闘力にデカい差があるからな。攻撃の強さで判断できる。小竜が現れた場所に俺らが飛んでくことになる。」


「それだと、10か所同時だった場合がつらいな…」


「あら、私もいますから。小竜なんて500体いても問題ないですよ。」


コミュさんが剣を腰に差し広間に来た。剣は出発前にケントさんがコミュに渡したミスリルのソードだった。


「流石はコミュ様ですね。なら、問題はないか…」


「あとスワン、サモンさんは私より強いですから、心配しないでください。」


いや、それは使役状態であればの話であって、使役してない状態のサモンがコミュさんに勝てる要素は一つもない。ヒトの姿でもステータスは変わらないのだ。All 10000。伊達じゃない。


「そんなことはないですよ。でも、そうですね、コミュさんもいてくれるならこの対策で大丈夫でしょう。」


こうして会議は早めに解散。スワンがそれぞれの入り口近くに兵を配置させた。襲撃があった場合観測班が警鐘を鳴らす。サモン一行も中央口付近の部屋に場所を移った。カンナは鍛冶用の部屋にこもっているらしい。いいことだ。


「サモンさん、少々いいですか?」


コミュさんだ。


「はい、なんでしょうか?」


「…私を普通に使役して下さって結構ですよ。遠慮されているようですけど、私はサモンさんの従魔なのですから。」


なるほど、確かにサモンはドリューを出てからコミュさんを使役していなかった。そうする必要がある状況ではなかったのもあるが、通常ヒトの姿でしかもカンナの母親であるコミュさんを使役したくなかったというのもある。しかし、今後どのような状況になるかもわからないからコミュさんの意見をしっかりと受け取った。


「わかりました。…因みに少し試させてください。」


コミュさんを使役してみる。


サモン・フリント lv 50

クラス:魔獣使役 スキル:魔獣合成

称号:ドリューの英雄

HP 16000

PW 17000

DEF 16000

INT 22000

SPD 16000

SPI 18000

属性:無・聖

魔獣スキル:エンジェルブレス


あ、人間じゃなくなった。サモンは自分のステータスを見て思った。


『使役状態で私のステータスも1.5倍になったようです。サモンさん、本当にすごいことになりましたね。』


コミュさんが意思伝達で話しかけてきた。


『因みにエンガイム、ララ、あと…ボルちゃん?も使役してみましょう?』

『なるほど、戦力の確認というわけですね?コミュ殿の意見には私も賛成です。サモン様も私たちと繋がっている状態で使えるスキルを把握しましょう。』

『そーなの?コミュさんすごーい!』

『わかったよ!コミュさん!』


『というか、コミュさんはすでにこいつらと仲がいいのですか?』


会話してるとこなんて見たことも聞いたこともなかった。


『ええ、サモンさんの影にいるときは自由にみんなでおしゃべりしてますのよ。ボルちゃんは壕に入る前にサモンさんの頭から降ろされて影の中で大泣きしたので私が慰めておきました。』


『そ…それはどうも。知らなかった。』


サモンはエンガイムのいうことも最もだと思っていたので全員を使役状態にした。そしてスキルを確認する。


サモン・フリント lv 50

クラス:魔獣使役 スキル:魔獣合成

称号:ドリューの英雄

HP 25000

PW 35000

DEF 32000

INT 38000

SPD 35000

SPI 31000

属性:無・聖・闇・火・水・土・雷

魔獣スキル:エンジェルブレス/スカイ/ハイバスタード/ハイボルテージ


もう滅茶苦茶だった。サモンはまだ合体や魔獣騎士の誓いの効果をよく把握していなかったが、使役時よりも力が上がるのは感じていた。このまま合体したら自分自身に恐怖を抱きそうだった。


『サモン様、使用できるスキルについては解説いたしましょうか?』


流石、エンガイム先生。


『頼むよ…』


エンガイムさんのまとめによると


物理攻撃系

白銀の閃刃光 (光の速さで斬撃を飛ばす)

エターナルブレイド (距離関係なく届く光の刃)

シックスブレイド (自身の周りに6本の光の剣を纏う)

ドラゴニック・ファング (敵を引き裂く)

ドラゴニック・スカイフォール (上空へ高く舞い上がり、対象へ向け急落。)


魔法攻撃系

ドル・ファイア (大火球による攻撃)


バーニング・ショット (小火球による攻撃)

サンダーニードル (無数の雷の針を飛ばす)

フォトン・サンダー (局所的に雷を落とす)

サンダースラッシュ (雷で敵を引き裂く)

ライトニングカッター (小さな雷を飛ばす)

ドラゴニック・ライト (破壊力の高い光線を発射)

ドラゴニック・ダーク (対象の足元に深淵なる闇を作る)

エンジェルブレス (破滅の光)

エンジェルフォールン (対象を超重力により押しつぶす)

ハイホーリーランス (全方位へ光の槍を放つ)


魔法防御・回復系


ホーリーフィールド (聖なる結界を張る)

ホーリーライフ (対象の傷を癒す)

シン・ホーリーシールド (絶対防御の聖楯)

エンジェルブレス (対象のいかなる傷も癒し、消費した魔力を元に戻す)


身体強化系


ドラゴニック・スカイ (飛翔能力)

バスタード・プロテクション (大剣使用時、使用者のステータスを全て2倍)

ドラゴニックスキン (防御力極大 up)

ホーリーグレイス (自身の防御力を倍にする)

エンジェル・ライト (状態異常完全無効・魔力2倍)



あくまで今わかる情報でありサモンが使った場合どうなるかエンガイム先生にもわからないそうだ。今までの経験からしてよくないのは分かる。


『ありがとうエンガイム…まあとりあえずコンドル襲撃の際はハイホーリーランスかな…』


『ッハ!我がスキルいつでもお使いください。』


『おそらくサモンさんが炎の魔法使うと村が更地になりそうですもんね。』


コミュさん、それ洒落になってないよ…サモンは心の中で苦悩した。


『とりあえず、コンドル襲撃の時はコミュさんも騎士モードで守りに入ってもらうので使役はしな…』


『いえ、サモンさんに使役して頂いたほうがステータスが上がってありがたいのですけど?』


その点に関して否定できなかった。サモンは諦めて全員使役状態で戦闘をすることに決めた。




その1日は何事もなく過ぎ去ったが、次の日の明け方、警鐘が鳴った。


スワンが壕内にも警鐘を鳴らした。サモンは飛び起き、すぐに中央口から外に向かう。上空には全方位から大量のコンドルが飛んできていた。すでに降り立っている魔獣もいるようだった。


「ドラゴニック・スカイ!!」


村の建造物に被害を出さないようにボルのスキルを借りる。ボルは頭の上だ。ララは目立つので影にいてもらっている。エンガイムは懐、コミュさんは北3番目の入り口にいた。


『ボル!コンドルの群に突っ込むけど泣くなよ!?』


『サモンと一緒なら大丈夫だよ!僕、泣かないよ!』


頭の上でキュピーと鳴く。


サモンは飛翔によりコンドルの集団の中心に向かった。頭の中でコンドルのみにホーリーランスが当たるようにイメージ。全方位のランスを放った。


「ハイホーリーランス!!」


数千の槍がサモンから全てのコンドルに向かっていった。この前のような強大な光ではなかった。全てのコンドルが一瞬のうちに小さな光の槍に貫かれている。そして光に飲まれ、文字通り消滅した。


「あ…」


『サモン様、凄まじいですね。コンドルの気配が消えました。』


作戦会議を無駄にしたサモンであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ