第九十〇話『お子様』
「いただきます!」みんなで挨拶をした。
まずは、意外に茹でるのに18分かかったカニ2kgを食べ始める僕らだった。
「どう?おいしい?」とハーデスちゃんに聞く僕。
もちろん僕が剥いて上げたのだ、美味しいタレも渡して上げた。
「こ・・・これは!!」
ハーデスちゃんのテンションが上がる。
「熱い!!」
と、食べる前に苦戦しているハーデスちゃん。
「そこからかい!!」と僕。
「ゆっくりでいいから!ふーふーして食べて!」
「ふぅ、ふぅ」と冷ますハーデスちゃん。
「キョウちゃん、剥いてあげようか?」
とその間にキョウちゃんに聞く僕。約束していたからだ。
「できる」
と言うキョウちゃん。
とはいうもののかなり苦戦している様子
「はい!」
と僕は自分のほうにあったカニを、剥いて渡してあげた。
「ありがと・・・」
と鍋で熱いからか、はわからなかったが、顔を赤くして受け取るキョウちゃん。
「ずるい!!私にもやるのじゃ!!」
と、やっているとハーデスちゃんが言ってきた。
「さっきやったでしょ!食べれた?」
「なんだかコータがお母さんみたいね」
とカナデが笑う。
「お父さんじゃなくて?」と僕も笑う。
「その面倒の見方は母親よね」とヒビキさんも笑う。
「ハーデスちゃん、ほっぺにカニついてる!!」
「ぬぬ?とって!」
「はいはい」と言ってハーデスちゃんの口をふく僕だった。
「完全に母親ね」とカナデが笑う。
「完全にお母さんよね」と、ヒビキさんも笑っていた。
「あ、そうだ、イクラもあるんだよ。大人チームはカニミソね」とイクラとカニミソを出す。
「これは・・・なかなか・・・」
とカナデがカニミソを食べる。
多分初めてなのだろう、神妙な顔をしている。
「うーん、私にはまだ速いかも」と笑う。
「美味しいわ!」
とヒビキさんは幸せそうな顔をしていた。
「かっかっか、カナデはお子様じゃのぉ!どれ、わたしにもすこしよこせ!」
とカナデのカニミソを奪い取る。
ああ!もう知らないよ?と僕は笑う。
「どれ!」
とカニミソを口にするハーデスちゃん
「$?3//!!」
と良くわからない声をだした。
声なのかそれは、それは。
「ぎゃー!!」
と、全く口に合わなかったらしく、洗面台に走っていくハーデスちゃんだった。
「だから言ったのに!」
と、僕が笑う。
「いくら美味しい」
と、キョウちゃんが、イクラを食べていた。
戻ってきた、ハーデスちゃんがそれも見つけた。
「私にも、すこしくれんかの?」
とハーデスちゃんがキョウちゃんに言う。
「はい」
と、適量わたすキョウちゃん。
さっきのことがあるので、かなり恐る恐るイクラを口に運ぶハーデスちゃん。
一瞬間をおいて
「うーまーいー!!」
と叫ぶ。
大満足のハーデスちゃんだった。
そしてまだまだ残っているカニたち。
「まだまだ食べるわよ!!後半戦行きましょう!!」
と何故か、カナデが区切って気合を入れなおした!




