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第八十九話『ゆで時間』

「よし、みんな揃ったね」と僕がみんなを確認する。

「調理開始だ!!」と僕が言った。


キョウちゃんが持ってきてくれた鍋などを並べて、調理を開始する。僕ら。


「まず、カニのお腹の部分からミソなどを取り出すみたいです」

と僕がヒビキさんに伝える。


「分かったわ」

それだけでもうだいたい分かってくれた。調理はいつもだいたいヒビキさんがやってくれているから、コツというか、セオリーみたいなものをよくわかっているようだった。


「カニミソも美味しいんだけど、お子様チームにはまだ早いんで、君たちには、イクラをあげよう」

「えー、それ食べたいのぉ!!」

とハーデスちゃんが言う。

とりあえず、食いつくハーデスちゃん、食べたら後悔すると思うけどね・・・。


「ふむ、後で一口だけ食べてから判断するといいだろう」

と僕は笑う。多分お子様には速い味だ。

一口くらいなら経験としては良いかもしれないしね。


「できたわ!」

とカニの食べない方がいい部分を、さささっと、取り出してくれていたヒビキさん。


「さてゆでますか」

と僕が言う。

すでに鍋に沸騰させたお湯が入っている。


「一旦沸騰させてから、カニを淹れると、温度が下がるので、そのあともう一度沸騰させるんだけど、その長さは、大きさによって違うみたいです」

と一覧表を読み上げる僕。


再度沸騰後

2kg:18分

3kg: 20分

4kg: 25分


しかし、読んでもサイズがよくわからなかった。

「うーん、買って来たカニ、どのくらいの大きさなんだろう」

買ってきたカニのサイズ、つまり重さがイマイチ分からない。なんとなく食べきれるだろうという量を目分量で買ってきたのだが、若干買いすぎたかも・・・という気がしてきた・・・。


「こういう時はネットに聞こう」とスマホを取り出す。

「カニ 大きさ 重さ」

で検索する。


すると、1kgは大人約2〜3人分というわかりやすい表示が出る。


「便利!!ネット便利!!」と喜ぶ僕。


「あ、お箸の大きさと比較しているサイトもある!!超便利!!」

と画像をスクロールする。


「お箸にすっぽりはいるくらいの横幅が500g。少しはみ出すくらいが1kg。足がかなり大きいのが2kgサイズらしい。」

かなり理解できた。

そして買ってきてあるカニを見る。500g、1kg、2kgが1つずつあるように見える・・・。


「いくつか、買ってきたんだけど、これ・・・かなりの量の予感。2kgサイズで5〜6人前らしい。3個買ってきちゃったんだけど、この大きいの一個で十分という説が・・・つまり10.5人分?そして僕達は5人。しかも多くが女子・・・」

ちなみにカニは3個じゃなくて、3杯というらしいけど。


「大丈夫!!食べるわ!!」とカナデが言う。

「食べる」とキョウちゃん

「食べましょう!」とヒビキさんも言う。


女子陣はやる気だった。

カニが、ちょうど茹で上がっていた。

とても美味しそうだ。


「いただきます!」みんなで挨拶をした。

まずは、意外に茹でるのに18分かかったカニ2kgを食べ始める僕らだった。

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