第八十六話『カニランキング』
「じゃあ、カニを買いに行きましょう!」
とカナデが腕を振りながらそう言った。
「私は、先にホテルで休んでるわ!買い出しお願いね!コータくん!」とヒビキさんににっこりとお願いされる。
「了解です!」と僕が敬礼する。
「私もホテル」とキョウちゃんもヒビキさんと一緒にホテルに先に向かった。
「じゃあ、三人でいこっか!」
とハーデスちゃんと、カナデに言う僕。
「うむ」というハーデスちゃん。
「よし、一番美味しいカニを買いに行きましょう」
腕まくりするポーズをして微笑むカナデだった。
「じゃあ、早速検索してみようかな」
と、僕がスマホを取り出す。
買い物をするときはまず検索。
それが現代っ子のルール!
先人の知恵をお借りしようではないか。
「シンプルに『カニ』で検索してみるか。」
と、検索すると、ショップのランキングが出てくる。
そう、生態とかではなく、いきなりショップだ。
みんなが知りたいのは、買えるかどうかなのだなぁ。
カニ美味しいもんねぇ。
カニだけで、ネットショップが350種類以上でてくる。
「うわー、カニってこんなに人気なんだなぁ!」
と僕は驚く。
そんなこと全然しらなかった。
人類はみんなカニ大好きなのだ。
「そういえば、どの種類のカニが人気なのか全然分からないや」
といいながらスクロールする。
「1位ズワイガニ。2位ズワイガニ。3位ズワイガニ。4位ズワイガニ。5位ズワイガニ」
と読み上げる僕。ズワイガニの圧勝だった。
ズワイガニしかないのかと思うレベル。
「どんだけズワイガニ人気なの?ズワイガニしかないってことはないよね?」
とスクロールを続ける僕。
「お、9位に毛がに登場。毛ガニって種類の名前なのかな?毛が生えてるズワイガニとかはないのかな?」
とよく分かってない僕だった。それもちゃんと検索すれば出てくるのだろうけど、こういうのは人に教えてもらう方が速いよね。
「15位に松葉ガニというのがある、これは僕は聞いたことなかった。」松葉・・・ガニ・・・?ちょっと細いのかな・・・?この写真で見分けるのは難しい。
さらにスクロールしていくと、セコガニ、タラバガニがでてきた。
「22位でやっとタラバガニなんだぁ」
と僕は驚く。
タラバガニ、ズワイガニくらいしか聞いたことなかったけど、ズワイガニが圧倒的一位なんだなぁ。
こちらに来てから、検索する回数が増えたので、どんどん賢くなっている気がする。
「つまり、一番人気はズワイガニらしい」みんなに言う僕。
「ほほう、ずわいとな・・・」なんとなく分かってる感をだすハーデスちゃん。
「分かってる感だしてるけど、まったく分かってないでしょ、ハーデスちゃん!!」と突っ込む僕。
「うむ、そういう説もある」
そういう説が、あるらしかった。
そうこう話していると、市場について、カニが見えてきた。
「おお、これがカニかのぉ!!」
と目を輝かせる、ハーデスちゃんだった。




