第八十一話『ズルい男』
「なるほどね、だいたい答えは見えてきたな〜!」
と、僕は腕を伸ばしながら笑った。
「え、そうなの?」とカナデが驚く。
「うん、だいたいね!」と僕が笑った。
魔王城で幾つかのモンスターたちと戦い、最後のボス、エキドナを倒した後、魔王であるハーデスちゃんと今後について相談している僕ら。
「だいたい分かったって、どうすればいいの?」
カナデが聞く。
「それは簡単だよ!」
ハーデスちゃんのとなりに座って、彼女の頭をポンポンする。
「ハーデスちゃんと僕で世界中を回って、戦闘を減らすのさ!」
と、簡単ですよね!?というテンションで僕が皆に言った。
「ええっ!?」とカナデ
「え!?」とヒビキさん
「いいね」
と親指をグッとたてるキョウちゃん。『いいね』と『親指』のその組み合わせは青いSNSのトレードマークでもあるがたまたまだろう。
「私も行く」
とキョウちゃんが言う。
「えっ!!」というカナデ。
「キョウちゃん・・・」というヒビキさん。
二人が驚いていた。
そしてキョウちゃんはさらに続ける。
「ヒビキも行こう」というキョウちゃん。
「え?私も?」とヒビキさんが驚く。
「そう。一緒に行けば納得できる」
とキョウちゃんがヒビキさんに言う。
「なるほど」
と僕が頷く。
ところどころビシッと重要なことを言ってくれるキョウちゃんだった。
「このへんが良い落とし所だと思うな〜」
と僕は言う。
「どうだい?ハーデスちゃん」と聞く。
「うむ。なるほど、コウタじゃったか?コウタが一緒に来てくれるならつまらなくなさそうじゃしな」やっと名前を覚えてくれたようだ。
「はい、きまりね」
パンと手を叩きながら、僕が笑う。
「どうしますか?ヒビキさん」
と微笑んでヒビキさんに聞く。
「え、ちょっ!!私は??」とカナデが慌てて僕に聞く。
「え、こないの?」と微笑んで聞き返す僕。
「え〜、言ってもいいけど〜、もうちょっと誘ってほしいなぁ〜」
と恥ずかしそうに微笑むカナデ。
すこし顔が赤くなってて可愛い。
「じゃぁ、カナデさんも僕達と一緒に旅してください」
と膝をつけて紳士ポーズでお願いする。
「そこまでいわれちゃぁ、しょうが無いわね〜」
と微笑むカナデ。
「あ、ヒビキさん、すいません、外堀うめちゃいました!」と笑う僕。
「もう一回聞きますね、一緒に行きませんか?」
と改めて聞き直す僕。
「うーん、さすがコータ君。ずるいわね」
と笑うヒビキさん。
「コウタはずるい」
と、いう声がキョウちゃんの方角から聞こえた、が気のせいだろう。多分。メイビー。
「降参よ、降参!!わかったわ!私もハーデスちゃんの旅に参加させてちょうだい!」
とヒビキさんが僕らに言った。
「よし、決まりだね!そうと決まれば・・・」
と僕が言う。
「唐揚げパーティーにしよう!」
僕がそう言うと、唐揚げ大好きキョウちゃんが目を光らせて「賛成!」と言った。「レモンもあるしね!」と僕が付け加えた。




