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第八十〇話『ティーミーティング』

「そこをなんとか・・・」

と、僕がヒビキさんにお茶をお願いする。

「いやよ!!」

と、ヒビキさんが言う。こんなヒビキさんは珍しい。


すると、ガタッと音がする。

キョウちゃんが立ち上がった音だった。


「私が淹れる」

と、ハーデスちゃんのバイデントにやられ倒れていた。キョウちゃんがボロボロになりながら、立ち上がって言った。


「しかたがない、私も手伝うか!」

よっし、と立ち上がりカナデが言う。


「カナデちゃんまで!」

ヒビキさんが驚く。


「ありがとうカナデ!」

と言うと、カナデはキョウちゃんの方を見ながら、僕に大して手首をひらひらさせた。

例には及びませんよという合図だろう。


カナデさん男前!!


「さて、どこから話を進めますか?ハーデスちゃん!」

と僕がハーデスちゃんに聞く。


「ぐぬぬ、どうやら私の負けのようじゃ、これ以上、恥を晒したくない、いっそ殺せ!」と、言うハーデスちゃん。重いお願いだった。

「それはない。そんな楽はさせないよ!」

と僕が微笑んでお断りする。


「罪があるなら、ちゃんと償えばいいし、誰かが死んで終わりということはない」

と僕が言う。


「目標はみんなが『楽しく過ごせる世界』だろう、一日中ネットを見てゴロゴロできるような、幸せな世界だ!」

元いた世界も天国といえば天国なのだ。


「また、よくわからないこと言ってる」

と、僕の言う『ネットでゴロゴロ』に突っ込みつつ、カナデが笑いながらお茶を差し出した。

お茶は、キョウちゃんと二人でやってくれていた、キョウちゃんはボロボロなのでほとんどはカナデがやってくれたのだろう。


「お茶を飲みながら、楽しく女の子と話したり、できる世界にしないとダメだろう!」と熱弁する僕。


「ところで、魔王を倒したら平和が訪れるの?」

と根本の質問をする。

「つまりハーデスちゃんがいなくなったらどうなるの?」

と続けてハーデスちゃんに訊ねる。


「そうじゃな、第二第三の魔王が現れるじゃろうな。そもそも私も生まれたばかりだしの」

と、自分の姿を指差して言うハーデスちゃん。

「ですよね、美幼女だもんね。」と僕は納得した。


「ほらね?ハーデスちゃんを倒してもあんま意味ないんだよ」と僕がみんなに言う。


「でも・・・どうしたらいいのかしら?私達の村が魔物達に襲われているのは事実だし・・・」とカナデが続ける。

「なるほど、魔物に村を襲うのをやめて欲しいんだって、それって可能なの?」と人間チームの要望を魔物チーム代表のハーデスちゃんに聞く。


「そうじゃな、直接私が注意すれば止めることは可能じゃ」

と説明するハーデスちゃん。

「ふむふむ、でも、ここ、魔王城からみんな、やめてー!!って言ってもやめてくれるわけじゃないってわけね」

と僕が納得する。そんなのネット社会でもムリだ。


「なるほどね、だいたい答えは見えてきたな〜!」

と、僕は腕を伸ばしながら笑った。


「え、そうなの?」とカナデが驚く。

「うん、だいたいね!」と僕が笑った。

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