表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

75/106

第七十五話『隠れ兜』

「了解」

シュタッ!

とその瞬間キョウちゃんの投げナイフが『エキドナ』に突き刺さった


そう、初めてのダメージを与えたのだ。

うめき出すエキドナ。

「キエエエェェェェェェェ」

という、声なのか、ヘビの鳴き声なのか分からない音が僕らの耳に届く。美しかった顔に狂気の表情が浮かぶ。


「最大のチャンス到来だ!!」

天井を蹴り着地していた。

僕がそのまま、エキドナに向かった。

ナイフを握る力も強くなる。


僕は、走りだし、大きくジャンプをして

振りかぶってエキドナに斬りかかる。


エキドナは大きく避けようとしたが、キョウちゃんのナイフが刺さったままで、弱っていたので、動きが鈍くなり僕の攻撃をかわしきれなかった。


「グエエエェェェェ」

凶悪な鳴き声が響き渡る。

僕の攻撃が当たり、エキドナの翼を片方、切り落とした。

これで機動力をかなり奪ったはずだ。


だが同時にエキドナも攻撃してきており、ヘビの部分をしなるように使い僕が吹き飛ばされた。

僕は吹き飛ばされ、地面に落ちる。

エキドナは、浮力を失い、ドンっと地面に落ちる。


そして、最大のチャンスがやってきた。


この位置関係がかなり良い。

また、キョウちゃんの射線が完全に通っている。

射線が通っているとは、つまり、エキドナとキョウちゃんの間になにもないということだ!!


2回目のチャンスだ。

1回目もしっかりキョウちゃんは当てている、このまま当てれば、この戦いは勝ちだ。みんながそう確信した。


「キョウちゃん、チャンスよ!」

とヒビキさんがキョウちゃんに言う。

千載一遇の好機がやってきた。

ここでナイフを当てたら、エキドナを倒せる。


「うん」

とキョウちゃんがナイフを投げようとした。


その時。


「えっ」

キョウちゃんがそう言った瞬間。

前に倒れる。

持っていたナイフも手から滑り落ちる。


「どういうことだ??」

と僕が言う。


すると、キョウちゃんの体に槍が刺さっていた。

そう、ハーデスの武器『バイデント』だ!!!

何もないはずの空間から、攻撃をうけたのだ。


僕は「はっ」と気が付く。

そういうことか、と走りだしキョウちゃんの元へ向う。

そしてその何もない空間に蹴りを入れる。


「ぐえっ」

と言いながら、少女が地面にたたきつけられる。

そして、何もなかった空間に少女が突然あらわれる。

そう、そこにはハーデスの姿があった。


そして、兜が転がっていた。


「この兜、やはり光学迷彩ってことか」

と転がっている兜を指差した。

光学迷彩はSFに出てくる透明人間になるマントのことだ。


落ちている兜と、突如現れた美少女魔王のハーデスちゃんという2つの事実から推測が確信に変わる。


この兜が、被ると姿が見えなくなる「隠れ兜」だということだ。

このことはネットにも書いてあって、なんとなくは存在を知っていた。

まさか実在するとは信じていなかったが。


そして、僕らは追い詰めつつある、エキドナとハーデスちゃんに

ともう一度、対峙する。

「キョウちゃんが心配だ。素早く終わらせるよ!」

と言って、剣を構えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ