第七十四話『フォーメーション』
「つまり、この階にいるはずなのに、見当たらない!!」
魔王の姿は消え。
依然エキドナは無傷のまま。
戦いは続いている。
「このままだとジリジリやられる、いなくなった、魔王も気になる!」
そう言って力を込める。
『覇竜の宝石』が光り出す。
僕の体が光に包まれる。
「出し惜しみしないで総攻撃しよう!」
剣を構え、超常の力を身にまとい、僕は、エキドナに向かっていった。
今は魔王のことは置いておいて、エキドナだ。
エキドナとは依然カナデが戦闘中。
翼の力で宙に浮いているままだ。
「とおおおおぉぉぉぉ!!」
カナデの剣がエキドナの下半身のヘビと戦っている。
カナデの剣をスルリと避け、カナデにヘビが頭突きをする。それをなんとか剣で弾く、カナデ。
エキドナはさらに、遠距離支援のキョウちゃんとヒビキさん、二人の攻撃を受けないように、常に、カナデを挟み、遠隔チームふたりの射線を塞ぐように動いている。
かなり賢いようだ。
このままでは、ジリジリと体力を削られてしまう。
「僕は、本体を狙おう」走りつつ、そう言う。
『覇王の宝石』が輝き出す。
「おおおおおおおおぉぉぉ!」
走りつつ、全力でジャンプする。
そして、エキドナはしっかり、その動きを目で追っている。
その顔には笑みすら浮かんでいる。
妖艶な美少女の笑顔だ。
うっとりしてしまう。
一節によると、彼女は、かのメデューサの孫でもあるという。
まさに魔性の血族。
女子陣には怒られてしまうが、確かに魅力的なのだった。
そして、知能も高い。
だが、今はそんなことを言っている場合ではない。
エキドナを高く飛越し、天井に着地する。
そう前回の戦闘で学んだやり方、だ。
急に、方向転換すると、相手は一瞬ついてこれない。
その隙を狙う。
『覇王の宝石』が輝きが増し。
『覇竜の剣 - ドラゴンキラーナイフ』も光を放つ。
その剣の力を壁を蹴ると同時にエキドナに叩きつける!
「おおおおお!」
と僕が叫び、更に光を増す剣。
その斬撃が、エキドナに襲いかかる。
瞬間。
エキドナの大きな翼が動き出す。
なんと、ギリギリの所を攻撃を避けられてしまった。
そう、急な方向転換にエキドナはついてきた、その行動すらも予測していたのかもしれない!!
ところが、その隙を逃さずヒビキさんが叫ぶ!!
「キョウちゃん!!チャンスよ!!」
そう、僕の攻撃を避けるためにエキドナは大きく移動したのだ。
キョウちゃんとエキドナの間には、僕も、カナデもいない!!!!
「了解」
シュタッ!
とその瞬間キョウちゃんの投げナイフが『エキドナ』に突き刺さった
そう、初めてのダメージを与えたのだ。
うめき出すエキドナ。
「キエエエェェェェェェェ」
という、声なのか、ヘビの鳴き声なのか分からない音が僕らの耳に届く。美しかった顔に狂気の表情が浮かぶ。
「最大のチャンス到来だ!!」
天井を蹴り着地していた。僕がそのまま、エキドナに向かった。




