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第七十二話『油断だめ』

エキドナを調べた結果、とくに弱点らしい弱点はみつからなかったけど、いつまでもネットサーフィンしてたら、やられてしまう。


「とりあえず戦ってみますか!」

と、僕は剣を取る。とくに致命的な弱点や、隠し大技があるわけではなさそうなので、闘いながら様子をみるしかなさそうだ。


「戦闘開始だ!」

と、エキドナに向かっていった。

ただ走る。エキドナの視線が僕を追う。

まずは小細工なしでまっすぐだ。


走りつづける僕。

「とりあえず、正面突破だ!!」

『覇竜の剣 - ドラゴンキラーナイフ』を抜いて、まっすぐエキドナに向う。走りつつ、上段に構える。勢いをつけて、そのまま攻撃に移るイメージだ。


「おおおおぉぉ」

と、ジャンプしながらエキドナに斬りかかる僕。

依然、その瞳の中に僕が写っているようだ。

美しい微笑みを浮かべる。


そこには噂と違わぬ美少女の姿があった。


『上半身は』


エキドナは、背中の翼を使い、一瞬で浮上し、僕の剣を避ける。

僕が振り下ろした先にはすでにエキドナはいなかった。

するりと僕の剣戟を抜け、

僕の腕を下半身のヘビが攻撃した。


がぶりと。


「ぎゃー!!」

叫びだす僕。これは半端ない痛さ。

思考を続けるのがムリなレベルの痛さだ。

そして一瞬では終わらない。


ヘビはいつまでも僕を噛み続ける。力は強まる一方だ。


「うわー!痛い!痛い!痛い!」

と、叫びつつける僕。カナデ、ヘルプミー!!

かっこ悪いことこの上なかった。

しかしほんとに痛い。


元いた世界では痛みとは無縁の生活だったら、激痛が走るとほんと我を失う。


「んもー!油断するから!!」

と、僕の腕を『がぶりといってるヘビ』の方に『突き』を放つカナデ。

突きをしたカナデの剣先は、ヘビに刺さり、僕を噛んでいる力が一瞬弱まる。

その瞬間を逃さず、ヘビの口から非難する僕の右手。


「ぬおおおおぉぉぉ、助かったぁ!」

と、ヘビの口が腕から外れて、ほっとする僕。

ほんとよかった。

マジで痛いよヘビ!!


「サンキュー、カナデ!」と、感謝を伝える。

「サンキューじゃないわよ!!油断しないでよね」

と、優しくカナデに怒られた・・・。

「す・・・すいません」僕は謝るしかなかった・・・。


「キョーちゃん、痛い!薬かなんかない?」

「ある」

と、アイテム使いのキョーちゃんに助けを求める僕。


「毒とかないといいんだけど・・・」

特にそういう記述はなかったら、大丈夫・・・だと信じたい。


「これで大丈夫」

傷口になにかそれっぽい薬を塗ってくれたキョーちゃん。

痛みが少し和らいだ気がする。


「油断だめ」

「はい・・・すいません・・・」

キョーちゃんにもしっかり怒られた。


油断していたわけじゃないんだけどなー。

エキドナは、とくに、派手なバトルの伝説があるわけじゃないけど

普通に強いということが分かった。


「二回戦開始といきますか!!」と僕は走りだした。

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