第六十一話『角』
「よし、お宝もゲットしたし、一気に行きますよ」
とさらに強く『覇竜の剣 - ドラゴンキラーナイフ』を構えて暴れているミノタウロスに向かった。
とはいうものの、
「すごく・・・暴れております・・・」
ドカン、バキンと城のものを容赦なく破壊していくミノタウロス。キョウ、カナデ、ヒビキは攻撃が当たらない位置にしっかりと、避難している。
「めちゃくちゃ暴れてますやん」
ミノタウロスが暴れまくって、城の中の調度品とかをバンバン壊している。この城かっこいいのになぁ、もったいない。
「調度品もったいないなぁ」と僕が言う。
「いいものたくさんある」
と、キョウちゃんも太鼓判の調度品達だ。
「この暴れ方は・・・一体」
一向に収まる気配のない、ミノタウロスの暴動。
これは尋常じゃないな、角が痛いのかな。
「さっきは、角を切られてると痛いのかわからないって思ったけど・・・これは明らかにあるパターンだよね」
と、推測が進んでいた。
「検索しよう」
どうせミノタウロスが暴れまくっていて、近づけないのでちょうどいい。検索検索!!牛、角、痛み!いろいろ調べてみると次の物が出てきた。いきなりぴったりのものは出てこなかったのだ。
「牛の角 - 爪のように痛みを感じない部分があり、それを角鞘と呼ぶ。芯の部分は切ってしまうと失神してしまうものが出るほど痛い」
とのこと。
「あぁ、めっちゃ痛いらしい。牛じゃなかったら、痛くない動物もいるみたいだけど。彼は『牛頭人身』だ。さっきの攻撃は角鞘だけではすまなかったということだな」
と、暴れ続けるミノタウロスを見る。
「いいや、暴れてるうちに、後ろからやっつけよう!」
卑怯という声が聞こえてきそうだが、気にしない。真正面から攻撃して、うっかり、やられちゃうよりはずっといい。卑怯より生存!それが僕のジャスティス(正義)!!
暴れていると言ったって、攻撃力はそのままだ。
あんなのに当たったら、こちらが一撃でやられてしまう。
正気を失っていたとしてもあんなの当たったらそれだけでアウトだ。
すたたー。とミノタウロスの背後に回りこむ僕。
「お忙しいところすみません!このまま、うしろから、いかせていただきます!!」
と営業マンのように丁寧に言いながら、ナイフを振り上げ、ジャンプして、心臓の当たりに『覇竜の剣 - ドラゴンキラーナイフ』を差し込・・・む・・・。ところで気が付かれた・・・。
ヤバイ。
僕のナイフは心臓まで届かず、ミノタウロスの固い筋肉に遮られ、致命傷に至らなかった。それどころか嫌な感じに引っかかってしまい。角に加えて、背中の痛みによりさらに暴れるミノタウロスに吹き飛ばさられる僕。
ドサッと吹き飛ばされる。
そして立ち上が利ながら言う「しかし、ほんと強いな!」
全然倒せない、なんなんだこれは。
「あの攻撃もこの攻撃も致命傷に至らない。ほんと最強のモンスターだよ君は!!」と笑い、また構えた。
強かろうがここで、諦めるわけには行かない。




