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第五十九話『方向』

「風圧なんとかしたい。こちらの動きが読まれてるのが問題だよなぁ」

と考える。読まれている?読まれないようにすればどうしたらいいのか・・・分かったぞ。と頭のなかで一人作戦会議。コータ会議が繰り広げられていた。


そして・・・

「よし、次はこれで行こう」

作戦が決まった僕はさらに強くナイフを構えた。


そして、ミノタウロスの動きをじっとみる。

今までの、攻撃を思い出してみる。

ミノタウロスは、いい感じに僕に避けられないように、しっかり風圧が当たるように攻撃してくる。

これはなんなのか考えていた。


「方向が重要だと思うんだよな〜。」と僕。

「方向?」カナデが僕に質問する。

今までの攻撃は、ただ走って行っていただけだが、それを防ぐ方向に攻撃してきている。つまり近づくことができない。


「そうそう。」と頷く。

「縦と横があると思うんだよね」と付け加える。


「あー。」と納得するカナデ。

そもそも剣戟というのはその2つだろう。縦に袈裟斬り、横になぎ払い。あ、あと、突きというのもあると思うけど、今回は除外。


「横に移動しているときは、横に薙ぎ払ってきて、ジャンプしているときは、縦に斬りつけてくるということね」

そう、僕が頭の中でおもったことを、カナデも思っていたようだ。

「そう、さすがに理解が速いね」という僕。


「これ、逆をやってもらえればいいんだよね。」と考える僕。

「逆?」と不思議そうに聞くカナデ。


「そう、横に移動しているのに、縦に攻撃してくれれば、その隙に攻撃できる。」と簡単な原理を説明する。絵で書くともっとわかりやすそうだけど、残念ながらいまそれをやるのは大変そうだ。


「なるほど、でもどうすればいいのかしら?」

作戦は分かったけど・・・と言うカナデ。


「なんとなくこれで行けるんじゃないか、という方法があるる」と僕が言い。

「え?あるの?」

とカナデが僕に聞いたところで、僕は走りだしていた。


覚悟が決まったからだ。

それまでは、作戦はいいけど、ミノタウロスの斬撃こわいなぁ、と思っていたのだ、心のなかで。しかし、これ以上放ってっておくと、風圧で一気に全滅なんてこともあり得る。


ミノタウロスは常にやる気なのだ!!

そういう使命を持っているらしい、検索したときに読んでいた。人を倒す呪いが掛かっているのだ。いままでの敵のように隠れたらやり過ごせたりする可能性は少ない。


全速力で走り出す僕。

「言ってくる」と言いながら全速力で走る。

『覇竜の宝石』がきらめく。僕に超常の力が働く。僕の体も光っているようだ。

「やる気というより、覚悟に反応しているのかな?」

そう、覚悟がかなりあった。一気に、懐に入り込む。ヘタしたら、一撃でやられる可能世が高い。だが行く!!


その縦の斬撃を横に避ける僕。

そう、これが作戦その一。『縦に斬ってきたら横に跳ぶやーつ』だ。

思った以上に上手く行った。


「一気に行くぞ!!」

横に跳んだ僕が叫ぶ!!


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