第三十七話『ビッグアニマルシリーズ』
「でも、コータのおかげで大分楽になったわ!あとは尻尾だけ気をつければいいのよね」
と、カナデが言い。剣を構えて向かっていく。
「突進も気をつけて!!」
僕がやられたから尻尾だけ気になっているが『ビッグアリゲーター』はまだ、短距離なら『結構速い突進』も出来る。尻尾での攻撃も出来る。
実質的には、致命傷を与える『食いちぎり』がなくなっただけで油断しているともちろんやられる。ちゃんと気をつけるようにカナデにいった。「オッケー!」と笑顔が帰ってきた。
「ググググウウウウウ」
巨大ワニが呻き声とともに突進してくる。
その『ビッグアリゲーター』を冷静に観察し、ジャンプで飛び越えるカナデ。しっかり敵の動きが見えているようだ。
「おおおぉぉぉぉ」
と叫びながら、上空から放物線を描き、巨大ワニに跳びかかり、剣を突き刺し『ビッグアリゲーター』に突き刺す。
「グググウウウウウ」苦痛におののき、暴れまわる、『ビッグアリゲーター』それに振り回されつも落とされないように、バランスをとり、カナデは刀を突き刺す。
しばらくその攻防が続くと、ついに、モンスターの体力が尽きた。「グウウウゥゥゥゥ」と呻き声が途切れ、『ビッグアリゲーター』が絶命した。
「や、やった」
僕を吹き飛ばした『ビッグアリゲーター』をカナデが倒した。かなりの強敵だった。
「カナデえらい」
といいつつ、早速『ビッグアリゲーター』の素材集めを開始するキョウちゃん、もちろん前回の失敗から、ちゃんと、生存確認をしてからだった。
「だいたいゲットした」
キョウちゃんが言う。どんどん、パンパンになるキョウちゃんの秘密リュック。いったいあそこには何がどれだけ入っているのだろうか。言うと何でもでてくる秘密のリュック。
「さて、そろそろ、ゴールのはずよ」
と、言うヒビキさん。ここを超えると次の街『ギリムウィル』につくという。そしてキョウちゃんが言うには最後に出口を守るものがいるという。
進んでいくと、そこには、うめき声、が聞こえてくる。
ここは明らかに今までと、空気もプレッシャーも違う。
あからさまなラスボス感が伝わってくる。
脳内でのBGMも壮大なものに変わっている。
そして、その正体が見えるところまで僕達が近づく。
これは・・・
「検索しても意味がなさそうな、めちゃくちゃ強そうな敵が出てきたな」
と僕が呟く。ゲームとかでよく見るかなりのボス。その特徴的なフォルムで、デザインが少し違うくらい気にならない。
この洞窟の『ビッグアニマルシリーズ』も大詰めかと思いつつ。最後は、元いた世界にはいなかった、モンスターだ。アグレッシブに動く三体の犬の頭と1つの体を持つその巨体を確認する。
そう、『冥府の入り口を守護する番犬』であった。
「最後に凄いのが出てきたわね」
と、カナデが剣を構える。
「戦闘開始よ!!」カナデが言った。




