表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/106

第二十七話『スマホの中の師匠』

「じゃあ、とりあえず、洞窟よね!」

と微笑みながら言うカナデ。


カナデの提案にヒビキさんが頷く。

これからの旅の方針がきまったようだった。


「そのまま次の街に進んじゃいましょう。少しでも魔王に近づいた方がいいわ」

と、魔王を倒しにいくという目標を再確認するヒビキとん。なるほど、美少女の魔王だったな、と思い出した。それは、僕が勝手に思っているだけだが、異世界の魔王は美少女と決まっている。頑張っていきたい。


「キョウちゃん、準備は大丈夫よね?」

と、道具使いのキョウちゃんに確認するヒビキさん。

そう、キョウちゃんのために街まで戻ってきていた僕らだった。


「大丈夫、だいたい買ったし売った」

そう『ブラックドラゴン』を倒して得た素材を売ったり、その素材で『覇竜の剣 - ドラゴンキラーナイフ』を作ってもらったりしていたのだ。


「洞窟に向かおう」と言うキョウちゃん。

「おーっ!」と元気なカナデ。

「頑張りましょう!」と微笑むヒビキ。


「おお、RPGっぽい!」と思った。

洞窟かぁ、どんな感じなんだろうか。

わりとパワースポットっぽい感じなんだっけ?洞窟って、と思った。


ここを抜けると次の街『ギリムウィル』よ。


「いっちょ頑張りますか!」と笑うカナデ。

「頑張る」とキョウちゃん

「頑張りましょう!」ヒビキさん。


すると、影が動く。薄明かりの中、子どもくらいの大きさの影が動く。


「さっそく来たよ、ゴブリンだ」

とりあえず敵といえばゴブリン。さて頑張るか。


『覇竜の剣 - ドラゴンキラーナイフ』を抜刀する僕。

相手が攻撃してくる前に、攻撃する。

一撃で倒した。


「さすが」

キョウちゃんがほめてくれる。


やはり『覇竜の剣 - ドラゴンキラーナイフ』の力は凄い。軽いし、攻撃力も半端ない。


「なるほど」

と、カナデが僕の攻撃を見て、頷いていた。


すると、さらにゴブリンがやってくる。


「ああ、たくさん出てくる感じか」

と、僕は軽口を叩くも、もう一体を逃してしまい、それはカナデの方に向う。


「あ、しまった」

と、僕が言った瞬間。スタッと走って、ゴブリンを斬りつける。カナデ。前回苦戦していた、ゴブリンを一瞬で倒した。


前回はゴブリンと互角だったので僕が、五百円玉で引きつけて倒したのだった。


「え!?すごい僕の動きを真似したのか!すごい学習能力!!」

と僕が驚く。前回の苦戦は一体なんだったのか。という位あっさり倒した。


「もしかして、今まで師匠がいなかっただけ?」

「そう、カナデは独学」とキョウちゃん。


「そうなのか、動き自体はめちゃくちゃいいもんなぁ」

と、僕が言う。そう、僕より重い武器を簡単に扱えるし、動きも軽やかだ。戦い方がわかれば、めちゃくちゃ強そうだ。


僕にはたまたま、師匠がいただけだ『スマホ』の中に。


僕はスマホの師範代の動きを何度も見て、その動きを真似したり、ゴブリンの弱点を検索したりしただけだった。


自力の高いカナデがいろいろ学べば、一気に強くなってしまうのではないか、僕は思った。


「どんどん行くわよ!」

カナデがみんなにそう言って、先に進む。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ