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第十六話『素材』

「『覇竜の宝石』には、信じられないような魔力があると言われる。『神の力』を得られる。それはコウタが身に付けるといい。」

と僕は『覇竜の宝石』を身につけた。


この力を知るのはもう少し後の事だった。

「あらら、これは、一体!」とヒビキさんがやってきた。

竜の咆哮、みんながいないことから僕らの事を探して、やってきたのだろう。


「コータが倒してくれた!」とキョウちゃんが説明する。

「凄かったのよ!このナイフ一本で『ブラックドラゴン』をやっつけちゃった!」

と、カナデがヒビキさんに説明する。


「たまたまですよ!」

と僕は笑った。実際たまたまなのだ、ドラゴンの一般的な心臓が指し示された、ネットの情報があったからだ。毎回毎回、確信にせまる情報があるとは限らない。


「謙遜」

と、キョウちゃんが言う。

やたらキョウちゃんの評価が高いのが気になる。

ありがたいことだけど。


「二人を助けてくれたのはよく分かったわ!!ほんとありがとう!!コータくん」

と、手をにぎるヒビキ。涙を流しそうな勢いだった。いままでに今回のような危険な状況になったことがあるのだろう。


「二人とも手伝って」

とドラゴンから素材を取り出していた、キョウちゃんが、言う。さくさくと素材を集めているが、巨大な竜なので終わらなのだろう。


「了解」と、僕。

「はいはい、今行くわね」とヒビキさんもやってくる。


「私は??」とカナデが聞く。

「足を捻ってるカナデは休んでていい」

と、キョウちゃんが応える。口数は少ないがやさしいキョウ。


「これは、道具屋に売れる」と指さし、言うキョウちゃん。

「へー、どのくらいで??」とヒビキさんが聞く。

「結構高く売れる、しばらく毎日ホテルに泊まれるくらい」

「え、それは凄いわね!!っとそれはそうよね。このモンスター、『ブラックドラゴン』でしょう??」

「そう、とてつもなく凄いこと。普通倒せない」

とキョウちゃんが言う。


「全部売るショップを作ったら、一年は食べていける」

「まぁ、それは凄い!」


「これと、これも、保存したい」「はーい、はい」

とサクサクと作業をするキョウちゃんと、ヒビキさん。


「凄かったのか・・・」

自分がやったことを評価するのは実際かなり難しい。


「すごい。コータは『ドラゴンスレイヤー』」

「『ドラゴンスレイヤー!!』そうよね、凄いわよね」と納得する、ヒビキ。


「ドラゴンスレイヤーってそんなに凄いの??」

後で検索してみよう。いまいちピンとこない僕だった。

ファンタジーのゲームだったら、みんな普通に倒しちゃうしね。


かなりの素材を集めた三人だった。

「これは凄い、こんなに素材になるんだ」

「ドラゴンに無駄な部位はほとんどない。」

へーっと思った。


よいしょっと、その素材を担ぐ少女。

「武器屋に持って行く、もっと良い武器が作れる!」

キョウちゃんがそう言った。

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