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第十二話『伝説のラッキーなあれ』

僕があげた『ひょっこり くまのすけ』のストラップをみて、にこにこ喜ぶ、活発少女カナデ。いつもは快活というイメージだが、かわいいものは好きらしい。ただ、『ひょっこり くまのすけ』が可愛いかどうかについては疑問が残るが。


「さて、みんな、そろそろ寝ましょう!」

と、ヒビキさんが言う。確かに疲れた。今日は特にいろいろあった。異世界も楽じゃないね!と、思っていると、女子陣は、テントの中に入っていってしまった。


「覗かないでよ!!」とカナデが笑って言った。


「あ、やっぱりそういう感じ?」と、僕が呟く。

やはり昔のライトノベルの出来る剣士ポジションで、座って寝ながら、敵の気配を察知する役かぁ。ムリだよ!そんなにストイックじゃない、オフトゥン、オフトゥンが必要だ!!


僕は『キャンプ 敷布団』で検索する。

一通り見て呟く。

「あ〜。低反発マットというのがあるのかぁ!」

欲しい、めっちゃ欲しいが流石に、異世界にネットショップは届けてくれない。作るしかないよなー。しかし、低反発マットを作れるビジョンが見えなかったので、さらに、検索を続ける。


『アルミシート』!!

それもかなりいい。

けど、アルミの製造も難しい感じだ。


と、見ていると、『エアーマット』というものを見つけた。

これだ!!このままのクオリティでは作れないかもしれないけど、この発想はいい気がする。そのうち作りたい。

と思ったところで、眠りについた。



そして、夜が上げた頃、パチッと目が覚めた。


「みんなはまだ寝てるのか・・・な?」

とちらりとテントの方を見る。

寝ているのを確認するのは紳士の嗜みに反するので、しない。


なんとなく、目が冷めてしまったので、湖のほとりだったらしく、喉も乾いていたから、すこし、手ですくって飲もうかな、と思った。


僕、ミネラルウォーター派だけど、お腹壊さないかなぁ、とも思ったが、背に腹は変えられぬ。寝起きで喉も乾いていたので、掬いあげて飲んだ。


「あー、おいしい!!生き返る!!」

と冷たく冷えた水を飲み、呟く。


すると、ガササ。

と音がする、だれかいるのか。

「だれ・・・?」

と僕が、聞く。


「コ、コータ!?」とカナデの声がする。

「あっ、あっ」

と、その僕の声に驚いたのか、バシャーンと倒れる音がした。


「大丈夫??」と近づく僕。


「バ、バカッ!!くるな!!」

とカナデの声が大きくなる。が僕はそのまま近づいていく。心配だったからだ。


すると、そこには、全裸のカナデが倒れていた。

慌てて、タオルのようなもので体を隠す、カナデ。

その刹那にちらりと見えた胸、の輪郭はそこそこなボリュームのものだった。最初に会った時に、胸の小さい方の女性とか思ってごめん!


と、思った瞬間、カナデに蹴られて僕は気を失った。



「・・・だ、大丈夫?」

しばらくした後だろう。

カナデが心配そうにこちらを見ている。

もちろんしっかり服を着ていた。


「ううぅ」

と、言いながら起き上がる。


そして、この一連の流れを整理して僕は思う。

はっ!!これが伝説の『ラッキースケベ』ってやつか!

アニメの1話スタートから発生まで『平均2分28秒』で、お馴染みという伝説の『ラッキースケベ』だ!!。


ちなみにこの『平均2分28秒』という情報は昨日カナデとお風呂の話をした後にちゃっかり調べてあった。


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