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第百一話『新大陸号』

「名前、みんなひとつづアイデアだしてみる?」

と僕は名前の案を募集した。

ハーデス号だとさすがに困る。


僕らは、船を手に入れ、新大陸に向かっている。

港の町『リーバー』。

そこで手に入れた、アイリーが作った船『AS-113』に乗っている。この船の名前を決めようということになった。


「ハーデス号じゃの!」

とまた、ハーデスちゃんが言ってる。

謎のタフネスがあるんだよな、ハーデスちゃんには。

折れない心。それは見習っていきたい。


「うーん、でも、そう言われると、なかなか名前って思いつかないわね『ふねちゃん号』とか?」

とカナデが言う。

うむ、それもなかなかヒドイ。

出してもらっておいて、こう思うのは大変失礼で心苦しいが・・・。名前を付けるのってほんと難しい。


「スカイシップ」とか?

と僕も案をだしてみる。やっぱり難しい。

なんとく、空に向かうから、見たいな意味だけど。

意味を説明するとめちゃくちゃ恥ずかしいな、これ・・・。


「うーん、かっこつけすぎか・・・?」

と僕が言う。

シンプルなのがいいと思うんだけど・・・。

なかなか良いのが見つからない。


「うーん、名前を付けるのってかなり難しいんだなー」

『異世界号』とか?それがわかるのは僕だけか・・・

『スマホ号』だと、もう何を言っているのかさっぱりわからん状態になっちゃうし。


「まあ、人の名前じゃなかったらなんでもいいか・・・」

と、ちらっとハーデスちゃんの顔を見る。

ハーデス号にアイリーシップ。

というのが今のところでているまともな案だった。

まあ名前をつかっちゃうのが一番簡単なのか。


「太陽号。疾風号。・・・」

と僕が適当にいくつか出してみる。


「唐揚げ号」とキョウちゃんが変なこと言い出す。

それファミレスに売ってる、美味しいやつの名前みたいになっちゃってるし!


「キョウちゃんまで、変なことを言うキャラに!!ハーデスちゃんの、侵食力おそるべし・・・」

と、僕が言うと、赤くなるキョウちゃん。


いままで、キョウちゃんは、困ったときにビシッと決めるシリアス担当だったのに・・・。ハーデスちゃんの相手をしているうちに侵食されてしまったようだ。ハーデス、恐ろしい・・・子!


「僕らの船、蒸気号、大きな船、蒸気一号」

と、さらにブツブツとアイデア、を出す。

こういうのは思い付いたのは全部言っちゃうのがいいって聞いたことがある。全部イマイチだけど・・・。


「シンプルに『新大陸号』でいいんじゃないかしら?」

ヒビキさんがそう言った。なんとなくみんなそれ以上の名前が思いつかないことを察したのか・・・。


「それだ!!」

「それだ!!」

「それだ!!」

「それだ!!」


と皆が言った。

ついに僕らの船の名前が決まった。


「よーっし決まりね!!『新大陸号』どんどん行きましょう!!」

とアイリーが蒸気船『新大陸号』をさらに進めた。

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