表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/106

第十話『手回し充電ラジオ』

「魔王が美少女だといいなぁ」

と僕は笑った。それなら最近のトレンドだ。


もちろんみんなは「何を言っているんだコウタは」という顔をしていた。


「魔王が美少女とか、アーサー王が美少女とか、めちゃくちゃ大事なんだぞ!!フィギュアの売上のほとんどを歴史上の人物や美少女化した兵器が占めているこの現実を見ないと!!」と僕が熱弁する。


そんな僕のことは放っておいて、活発少女カナデは、先ほど、用意した、キャンプファイヤー、焚き火を動かしながら、うーんうーん、唸っていた。


「もっと、火が強くなる方法はないのかなぁ」

と、枯れ木の傾きを変えたりしている。

もっと火を強くしたいらしい。


「あ!それなら!」

と、僕が思いつきスマホを出す。

指紋認証をして、パッと開く。


『キャンプファイヤー コツ』

で検索をする。

するとズラーっとたくさん出てくる。


さすが歴史の長いイベント「キャンプファイヤー」と思う。

上から順番に、バンバンと新規のページで開く。10個位開いたところで、どんどん一個ずつ見ていく、写真がないページはサクサクフリックで閉じていく。


すると、本格的なキャンプファイヤーのページと、簡易的なベージが出てくる。本格的な方はボーイスカウトとか修学旅行とかそういう大規模人数用だったので、これは違う、と思って閉じた。


簡易版のキャンプファイヤーの写真を見る。

「お、これは簡単だ」


と写真を見て理解した僕は、カナデが作った焚き木の横に、木を組み上げる。


「ピラミッドみたいにするといいらしいよ!」

「ぴらみっど!?!?」

と、カナデが不思議そうな顔をする。


「あ、ピラミッドわからないか、分かる言葉で言うと山だね」と組み上げる、平に詰むのではなく、縦に山を作るように木を並べる。そうすると、この間に空間が出来る。これがいいらしい。


カナデの方の炎を拝借して、僕が組み立てた方に火を着ける。すると、いままでよりずっと高く炎が立ち上がる。


「わっ、すごい!」

カナデが言う。

「へっへっへ」僕も思ったより上手く行って嬉しかった。


こういう手軽で簡単なやり方を

『Teepee Campfire (テントキャンプヤー)』

というらしい。なんでも分かるネット凄い!!

まさに欲しい情報がそのまま。


「さっきの太刀筋といい、これといい、コータ凄いわね!魔法使いなの?」

「いや、魔法じゃない・・・」

と言いかけたところで

「いや魔法か。人類の英知、地球の記憶だ。それを引き出す魔法なのかもしれない」とカッコつけて言ってみる。


「また、わけわからないこと言い出した」

と、キョウちゃんが笑った。


「さて、そろそろ、これをやらないといけない」と僕はバッグからとあるものを取り出した。

「それは何??」とカナデが聞く。


「これは、手回し充電ラジオ、震災の時に大変な思いをしたから、その時に買って持ち歩いていたんだよね!」

「??」

と、なんのこと?という顔をカナデがする。


「しかも、これは、スマホを充電できる!」

と、充電コードを差し込むと、画面が光り充電が開始されるマークが表示される。ラジオ用に充電したものを、なんとスマホの充電に使える、つまり小型発電機なのだ。


そう、これを持っていたから、ネットが繋がった時点で

「無双確定」だったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ