表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【箱】詩

不眠城

作者: FRIDAY

 その街は眠らない


 昼は陽の光を浴びて


 壁面に照り返す


 黙々と 清々と


 鳥の鳴く声一つと聞こえず


 猫の歩く影もない


 やがて陽は入り夕暮れに染まる


 一様に 一面に


 夜は街の明かりが照らす


 虫の一匹も飛ぶ姿はなく


 影一つ作るものもない


 黙々と 煌々と


 生温い風だけがある


 時計は刻々と時を刻む


 黙々と 淡々と


 明滅する電灯がある


 取り替えられることもなく


 黙々と 点々と


 やがてしめやかに雨が降る


 黙々と 蕭々と


 そうして雫が止む頃に


 日付の変わり目を時計が告げる


 誰も聞くものはなく


 音は空虚に大きく響く


 そうして東が白み始め


 陽と電灯は切り替わる


 光の絶えることはなく


 その街は眠らない


 そこに誰もいなくとも



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ