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ラグナルクの旅 一章 ナナシマ編  作者: 村田殿
かけらさがし編
9/49

機械の島 サイシェイ

サイシェイ 別名機械の島。

グロウは自然を大事にしていた島だが、ここは真逆で工業優先。

工場の為に山を崩し、コスト削減の為に生産をすべて機械に任せている。

街にはロボットが至る所にある。




「あっ、見えてきたよ!」

桃花が船の上から叫んだ。港は工場の一部と化していて、ずいぶん殺風景だった。

「そういや、天本さん、ここには人もいるんだよな?」

「ええ、いるにはいますよ。」

「?」

天本さんの言葉の意味が分からなかった。島に着けばだいたい分かるだろう。

港にて………

「なんだ、この島は?野良犬や鳥までロボットって」

「この島じゃあたりまえの光景だよ。」

「ん?」

いきなり背後から話しかけられたらので少し驚いた。話しかけてきたのはロボットで仕事中のようだ。

「あんたら人間だね。人間はこの港とそこの町以外は立ち入り禁止だよ。」

「なんで?」

桃花が頭に?マークをつけ聞いてみた。するとロボットは表情一つ変えず言った。(そもそもロボットに表情なんてものは無い)

「何でって危険だからだよ。町の外で問題を起こされたらたまんないからね」

じゃ!とそのロボットは去っていった。

「天本さん、どうします?」

「船に戻りましょう。正喝さんも心配です。」

いや、心配なのは正喝よりあの正喝が倒した人だろ。そう思っていたが、口には出さなかった。

「ただいま〜」

「おかえり〜」

出迎えたのは誠治だった。さすがに寝ている二人を放っておくわけにはいかないので、誠治には残ってもらっていた。

「次は僕も行っていいかな?」

「そうですか、では明日は私が残りましょう」

明日のメンバーは俺、桃花、誠治に決まった。



翌日

町の中を歩いていると、人の集団が見えた。

最前列には赤い旗を持ったロボットがいた。

「すみませ〜ん、これは何の集まりですか?」

桃花が考えもせず突っ込む。すると、一人のひとが答えた。

「このツアーでね、機械の体にしてもらうんだよ。」

「機械の体!?」

思わず俺が驚いてしまった。

「このツアーの料金は高かったんですがねなにせ機械の体でしょう。疲れないし、いくらでも残業できて、元なんてすぐ取り戻せますから。」

「私は食事がいらないって聞いたから。食費を他に回せるから。それに、病気にならないし。」

「僕は会社の命令で来ましたよ。いや〜社長バンザイですよ。」

「機械の体か・・」

誠治が目を珍しく本気にさせていた。

「誠治?・」

「あ・ああ、うん、何?」

「何はこっちのセリフだよ。どうしたんだ?」

「・・嫌な予感がするんだ。」

「そうかい」

いろんな場所を回ったが、今日は他に目立ったものはなかった。

「ただいま〜」

「お帰りなさい、桃花ちゃん。」

出迎えたのは天本さんだった。ちょうど食事を作り終わったようだ。

この島は食べ物が粗末でレトルトばかりだ。

「またカレーか」

「カレーで悪かったですか?」

「いや、そうゆうわけじゃあ・・」

「ならいいです。」

最近天本さんが怖い。グロウのあの人を持ち帰ってからだ。

「あ・・そうです。本田さんが目を覚ましましたよ。」

「へえ〜?」

「なんだその返事は。」

ドアを開けて入ってのは正喝だった。起きて寝起きが悪いようだ。

「正喝、ケガはもういいのか?」

「問題無い。」

だいたい4日ぐらいは寝ていただろう。むしろ体が鈍っている。

「明日は俺も行く、町の様子が見たい。」

「じゃあ明日は四人か、誰残る?」

「私でいいです。この人ももうじき目を覚ます。そんな予感がするので。」

天本さんが残る事になった。

「ところで天本さん、その人は一体何者何だ?」

「・・・そうですね・・・起きたら話しますよ。」

「そうですか・」

カレーは何事もなく、食べ終わった。



翌日、相変わらずロボット達が群がっている。

「機械の町・・か」

正喝が珍しそうな目で町を見ている。さすがに驚くだろうな。俺も驚いたから。

「機械の体ってどんなんだろうな?」

俺が独り言のように言うと

「機械の体に興味がありますか?」

「えっ?」

不意を突かれて後ろを向いた。後ろにはAIのロボットがいた。

「機械の体はあらゆる苦しみや悲しみから解放されますよ。大きなものを得ます。」

「・・遠慮しときます・」

「そうですか」

そのロボットは残念そうに去っていった。

「なんかの勧誘かな?」

「さあ?」

「機械の体か〜・・嬉しさとかも解放されるんだろうね。」

桃花が少し意味深のように呟いた。まああながち間違ってはいないんだけど。

そんなこと考えてると後ろからドン!と何かにぶつかった。

「おいおい邪魔だぞ、こんなところで突っ立って」

「す・すみません」

ぶつかったて来たのは旧式のロボットだった。

「敬意は行動で示してもらわないとな、これにサインしな。」

これとは一枚の紙だった、紙には「機械の体になります」とゆう契約書だった。

「・・・どうしてこんなものにサインしなけゃならない?」

「ええっ!うるさい、こうなったら実力公使だ!」

いきなり左手から青いビームを撃ってきた。素早く身を右に翻し躱した。

躱したビームは誠治ガルゼのビームで相殺した。

隙をついて正喝が槍を刺したが、堅い鉄なので、弾き返された。槍が通らなければ、刀も通るはずが無いので、桃花を連れて、一度後退した。

「ふぇぇ?」

若干驚きつつも、俺の左手にしっかり掴まっている。

「そんなボケーッとしてると巻き込まれるぞ」

さて、戦況を確認すると正喝はロボットと接近戦、誠治は俺の右側で正喝の援護射撃をしている。

相手はダメージは無く、こちらは決定打を与えられず困っている。

「誠治、なんか手は無いか?」

「・・・過電流流してショートさせるとか〜?」

つまり電気をあのバカロボットに流せばいいわけだ。問題はどうやって電気を作るかだ。

「電気はどうする?」

「火と水と風で雷雲を起こして当てる」

「なる程ね・・桃花手伝え」

「あ・・う・うん」

『焼け、天を焦がす炎・ バーンスブレッド』

『放て、天に登る水気・ ミストウォーム』

『えーと・吹け、天空に登れ・ウインドランス』

三人で危なげなく(?)、呪文を唱え、雷雲を発生させた。

『バニッシュボルト』

雷を落とし街はパニックだがスルーしておこう。

「ビリ・・ビリリリ・ビリ」

ロボットは放電して倒れた。

「やった・か?」

ビリリリリリ!!

あのロボットは立ってきた。

「パワー充電180%・・ありがとよ。」

旧式ロボットはビーム砲を勝利達に向けた。

「マジかよ・・・」

正直もう終わったと思う。機械の体とか、そんなものはどうでもよく、俺達の旅は終わったと・・・

発射されたビームは車ほどの幅で向かってきた。

だが、それを止めた人物がいた。しかも片手で。

「な・・なんだ!?」

背丈は180センチはあるだろう。黒のコートを羽織り、威風堂々したその男は天本さんが看病していた人だった。

「間に合ったようですね」

「天本さん?」

後ろから天本さんの声が聞こえた。

「大丈夫か?」

ビームを止めつつこちらを気遣ってくる。随分と余裕があるな。

「な・・・なんだ!テメーは!?」

「なんでもないよ、だだ、・

そう言いつつ、背中に背負っていた太刀を構えた。

「止めにきただけ」

スラリとした背丈から繰り出される刀の刃は、まるで三日月のような弧線を描き、ロボットをどんどんと追い詰めていった。

「ぐ・あ・・あ・・

ロボットは煙を吐いて止まった。

だだ呆然としていた。

圧倒的な強さを持ち、スタイリッシュな身のこなしをした青年は天本さんの所に行った。

「あれで良かったのか?」

「ええ、上出来です。」

「そうですか」

「あの・・天本さん?」

なんとなく声がかけずらかった。二人が並んでいると、なんというか、美男美女のカップルにしか見えなかった。

「ああ、勝利さん、無事でしたか」

「え・ええ、まあ・」

「すごいね〜今のどうやったの?一瞬消えたよね?」

「だだ早く動いただけだ」

「へえ〜」

あれは「早い」じゃなく「速い」の方があってるだろう。

「自己紹介が遅れたな。月村影野だ。」

そう言って、左手を差し伸べてきた。流れで俺も左手を出し、握手に応じた。

「月村さんは・・私の護衛です。」

「護衛?」

正喝が少し驚いたように尋ねる。

「二年前、彼は突然行方不明になって、まさか操られてナナシマ封印の守護をしているとは・私も思ってもいませんでした。」

「天本さんの護衛か〜。あんなに強くてもおかしくはないね〜」

俺はそんなことより護衛と明かす前の少し黙った意味を知りたい。

「勝利君も月村君ぐらい強くならなきゃだめだよ。」

「ハイハイ、がんばりまーす」

桃花に諭されてもな〜桃花自体あんまり強くないし(戦いでは)あんまり説得力無い。

「ちょっと疲れたわ、俺船に戻る。」

「ええ、ぜひそうした方がよろしいでしょう。」

とぼとぼ歩き船に戻った。

続く


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