機械の島 サイシェイ
サイシェイ 別名機械の島。
グロウは自然を大事にしていた島だが、ここは真逆で工業優先。
工場の為に山を崩し、コスト削減の為に生産をすべて機械に任せている。
街にはロボットが至る所にある。
「あっ、見えてきたよ!」
桃花が船の上から叫んだ。港は工場の一部と化していて、ずいぶん殺風景だった。
「そういや、天本さん、ここには人もいるんだよな?」
「ええ、いるにはいますよ。」
「?」
天本さんの言葉の意味が分からなかった。島に着けばだいたい分かるだろう。
港にて………
「なんだ、この島は?野良犬や鳥までロボットって」
「この島じゃあたりまえの光景だよ。」
「ん?」
いきなり背後から話しかけられたらので少し驚いた。話しかけてきたのはロボットで仕事中のようだ。
「あんたら人間だね。人間はこの港とそこの町以外は立ち入り禁止だよ。」
「なんで?」
桃花が頭に?マークをつけ聞いてみた。するとロボットは表情一つ変えず言った。(そもそもロボットに表情なんてものは無い)
「何でって危険だからだよ。町の外で問題を起こされたらたまんないからね」
じゃ!とそのロボットは去っていった。
「天本さん、どうします?」
「船に戻りましょう。正喝さんも心配です。」
いや、心配なのは正喝よりあの正喝が倒した人だろ。そう思っていたが、口には出さなかった。
「ただいま〜」
「おかえり〜」
出迎えたのは誠治だった。さすがに寝ている二人を放っておくわけにはいかないので、誠治には残ってもらっていた。
「次は僕も行っていいかな?」
「そうですか、では明日は私が残りましょう」
明日のメンバーは俺、桃花、誠治に決まった。
翌日
町の中を歩いていると、人の集団が見えた。
最前列には赤い旗を持ったロボットがいた。
「すみませ〜ん、これは何の集まりですか?」
桃花が考えもせず突っ込む。すると、一人のひとが答えた。
「このツアーでね、機械の体にしてもらうんだよ。」
「機械の体!?」
思わず俺が驚いてしまった。
「このツアーの料金は高かったんですがねなにせ機械の体でしょう。疲れないし、いくらでも残業できて、元なんてすぐ取り戻せますから。」
「私は食事がいらないって聞いたから。食費を他に回せるから。それに、病気にならないし。」
「僕は会社の命令で来ましたよ。いや〜社長バンザイですよ。」
「機械の体か・・」
誠治が目を珍しく本気にさせていた。
「誠治?・」
「あ・ああ、うん、何?」
「何はこっちのセリフだよ。どうしたんだ?」
「・・嫌な予感がするんだ。」
「そうかい」
いろんな場所を回ったが、今日は他に目立ったものはなかった。
「ただいま〜」
「お帰りなさい、桃花ちゃん。」
出迎えたのは天本さんだった。ちょうど食事を作り終わったようだ。
この島は食べ物が粗末でレトルトばかりだ。
「またカレーか」
「カレーで悪かったですか?」
「いや、そうゆうわけじゃあ・・」
「ならいいです。」
最近天本さんが怖い。グロウのあの人を持ち帰ってからだ。
「あ・・そうです。本田さんが目を覚ましましたよ。」
「へえ〜?」
「なんだその返事は。」
ドアを開けて入ってのは正喝だった。起きて寝起きが悪いようだ。
「正喝、ケガはもういいのか?」
「問題無い。」
だいたい4日ぐらいは寝ていただろう。むしろ体が鈍っている。
「明日は俺も行く、町の様子が見たい。」
「じゃあ明日は四人か、誰残る?」
「私でいいです。この人ももうじき目を覚ます。そんな予感がするので。」
天本さんが残る事になった。
「ところで天本さん、その人は一体何者何だ?」
「・・・そうですね・・・起きたら話しますよ。」
「そうですか・」
カレーは何事もなく、食べ終わった。
翌日、相変わらずロボット達が群がっている。
「機械の町・・か」
正喝が珍しそうな目で町を見ている。さすがに驚くだろうな。俺も驚いたから。
「機械の体ってどんなんだろうな?」
俺が独り言のように言うと
「機械の体に興味がありますか?」
「えっ?」
不意を突かれて後ろを向いた。後ろにはAIのロボットがいた。
「機械の体はあらゆる苦しみや悲しみから解放されますよ。大きなものを得ます。」
「・・遠慮しときます・」
「そうですか」
そのロボットは残念そうに去っていった。
「なんかの勧誘かな?」
「さあ?」
「機械の体か〜・・嬉しさとかも解放されるんだろうね。」
桃花が少し意味深のように呟いた。まああながち間違ってはいないんだけど。
そんなこと考えてると後ろからドン!と何かにぶつかった。
「おいおい邪魔だぞ、こんなところで突っ立って」
「す・すみません」
ぶつかったて来たのは旧式のロボットだった。
「敬意は行動で示してもらわないとな、これにサインしな。」
これとは一枚の紙だった、紙には「機械の体になります」とゆう契約書だった。
「・・・どうしてこんなものにサインしなけゃならない?」
「ええっ!うるさい、こうなったら実力公使だ!」
いきなり左手から青いビームを撃ってきた。素早く身を右に翻し躱した。
躱したビームは誠治ガルゼのビームで相殺した。
隙をついて正喝が槍を刺したが、堅い鉄なので、弾き返された。槍が通らなければ、刀も通るはずが無いので、桃花を連れて、一度後退した。
「ふぇぇ?」
若干驚きつつも、俺の左手にしっかり掴まっている。
「そんなボケーッとしてると巻き込まれるぞ」
さて、戦況を確認すると正喝はロボットと接近戦、誠治は俺の右側で正喝の援護射撃をしている。
相手はダメージは無く、こちらは決定打を与えられず困っている。
「誠治、なんか手は無いか?」
「・・・過電流流してショートさせるとか〜?」
つまり電気をあのバカロボットに流せばいいわけだ。問題はどうやって電気を作るかだ。
「電気はどうする?」
「火と水と風で雷雲を起こして当てる」
「なる程ね・・桃花手伝え」
「あ・・う・うん」
『焼け、天を焦がす炎・ バーンスブレッド』
『放て、天に登る水気・ ミストウォーム』
『えーと・吹け、天空に登れ・ウインドランス』
三人で危なげなく(?)、呪文を唱え、雷雲を発生させた。
『バニッシュボルト』
雷を落とし街はパニックだがスルーしておこう。
「ビリ・・ビリリリ・ビリ」
ロボットは放電して倒れた。
「やった・か?」
ビリリリリリ!!
あのロボットは立ってきた。
「パワー充電180%・・ありがとよ。」
旧式ロボットはビーム砲を勝利達に向けた。
「マジかよ・・・」
正直もう終わったと思う。機械の体とか、そんなものはどうでもよく、俺達の旅は終わったと・・・
発射されたビームは車ほどの幅で向かってきた。
だが、それを止めた人物がいた。しかも片手で。
「な・・なんだ!?」
背丈は180センチはあるだろう。黒のコートを羽織り、威風堂々したその男は天本さんが看病していた人だった。
「間に合ったようですね」
「天本さん?」
後ろから天本さんの声が聞こえた。
「大丈夫か?」
ビームを止めつつこちらを気遣ってくる。随分と余裕があるな。
「な・・・なんだ!テメーは!?」
「なんでもないよ、だだ、・
そう言いつつ、背中に背負っていた太刀を構えた。
「止めにきただけ」
スラリとした背丈から繰り出される刀の刃は、まるで三日月のような弧線を描き、ロボットをどんどんと追い詰めていった。
「ぐ・あ・・あ・・
ロボットは煙を吐いて止まった。
だだ呆然としていた。
圧倒的な強さを持ち、スタイリッシュな身のこなしをした青年は天本さんの所に行った。
「あれで良かったのか?」
「ええ、上出来です。」
「そうですか」
「あの・・天本さん?」
なんとなく声がかけずらかった。二人が並んでいると、なんというか、美男美女のカップルにしか見えなかった。
「ああ、勝利さん、無事でしたか」
「え・ええ、まあ・」
「すごいね〜今のどうやったの?一瞬消えたよね?」
「だだ早く動いただけだ」
「へえ〜」
あれは「早い」じゃなく「速い」の方があってるだろう。
「自己紹介が遅れたな。月村影野だ。」
そう言って、左手を差し伸べてきた。流れで俺も左手を出し、握手に応じた。
「月村さんは・・私の護衛です。」
「護衛?」
正喝が少し驚いたように尋ねる。
「二年前、彼は突然行方不明になって、まさか操られてナナシマ封印の守護をしているとは・私も思ってもいませんでした。」
「天本さんの護衛か〜。あんなに強くてもおかしくはないね〜」
俺はそんなことより護衛と明かす前の少し黙った意味を知りたい。
「勝利君も月村君ぐらい強くならなきゃだめだよ。」
「ハイハイ、がんばりまーす」
桃花に諭されてもな〜桃花自体あんまり強くないし(戦いでは)あんまり説得力無い。
「ちょっと疲れたわ、俺船に戻る。」
「ええ、ぜひそうした方がよろしいでしょう。」
とぼとぼ歩き船に戻った。
続く




