獣の島 グロウ 第三話 一歩前進二歩後退
「こんの馬鹿野郎!」
「ぐほぉ」
ドサァ
30分後・・・
「あ〜〜〜痛い」
いきなりこんな出だしで申し訳ないと思う。だが、言わなければ気が済まない。
今日の朝、師匠には肉体的に天本さんには精神的に半殺しにされた。何故かって?それは………いや、やめておこう。また半殺しされるのはゴメンだからな。
そんなことはおいといて、今俺達は山登りをしている。何故かって?それには色々話す必要がある
まず、俺達(勝利、誠治、正喝あと師匠)はこの世界の人間じゃない。
それで元の世界に帰るためにはナナシマって言う場所に行かなければならない。そこに行くためににはある封印を解かなければならない。その一部がこの山の頂上にあるらしい。
で、一体いつになったら着くのやら。9時半から初めておよそ二時間。いまだに頂上が見えない。
「あ、天本さん、?一体いつになったら着くんだ?」
「そうですね、この山は1776キロメートルはありまから、あと……
「え?」
「冗談ですよ。しかし1776は間違ってはいませんよ」
「キロは冗談ですよね」
1776メートル確かに長い。
「それにしても寒くなってきたね〜」
「ああ、何故か知らんが登るごとに寒さが増す。」
「いや〜まいっちゃうよ。暖かい服欲しいな〜」
桃花が愚痴の独り言を言うと…
「そう思ってちゃんと毛布を持ってきました」
「え?」
天本さんが背負っているリュック。確かに大きかったがまさか、毛布が中身とは、
「一応五つ有りますので遠慮せず使って下さい。」
「あれ?一人足らない?」
「?何を言ってるんですか。ここには私と桃花ちゃん、あなたと八神さん、本田さんしかいませんよ。」
「え?」
辺りを見ても確かに5人しかいない。
「あれ?師匠は?」
「ああ、あの方ならあなたを一発殴った後どこかに行きましたよ」
「そ・・そうか」
全く、あの人はどこまで自由勝手なんだか。とりあえず俺は毛布を身につけて、山登りを続けた」
そして30分後………
「おい!正喝、速いぞ」
「!済まない」
今は6、7合辺りか、ここまでくると足も疲れてくる。だが、正喝は明らかにペースを落としていない。むしろ速く感じる。
「正喝、どうしたんだ?そんなに急いで・・
「わからない…ただこの山は何故か疲れない」
正喝だけだろう。疲れていないのは。
「それに……頂上に何かが呼んでいる気がする。」
「そっ」
さて、そろそろ桃花が駄々をこね始めるだろう。そう思ったさなか桃花が後ろでぐったりしているのを見た。何も言わず、俺は桃花の元に向かった。
「どうした?疲れたか?」
「あはは、ちょっとね。」そういえばもうお昼頃。昼食をとるにはちょうどいい時間だ。
「天本さん、休憩して、昼食にしませんか〜」
「そうですね昼食にしましょう。」
高度千メートルは越えているはずだが、そこまで寒くない。天本さんは背中のリュックから弁当箱を取り出した。
といっても、そこらの弁当屋で買ったものだ。ふたを開け、豚の生姜焼きを口に加えた瞬間!
「はぐはぐ………は…何だよ、辛すぎるぞこれ」
「おやおや、勝利さんに当たりましたか」
「ちょ…天本さん!?一体なにを!?」
「何か、ですか。七味唐辛子ですよ。」
「七味か」
辛い、その一言で頭がいっぱいになる。
「ハァ………」
ため息をつきまた一口食べたが 今度は辛くなかった。
「あれ?辛くないぞ」
「要は慣れですよ」
「(そうゆうものなのか?)」
疑問も抱きながらも弁当を食べ終わった。
「さ―て、そろそろ行くか」
「ああ、先を急ぐ」
と言い正喝は先に行ってしまった。
「行こっか〜」
「ええ、その前に八神さん、これを持ってくれますか」
「これは〜?」
「荷物が重いので少し持ってくれますか」
「お安いご用だよ〜」
なんと、バックの中からバックが出てきた。天本さんは大きいほうのバックを、誠治は小さいほうを持った。
「あと・・・桃花ちゃん!」
「へ!?い・一体なに?」
天本さんには珍しい激しい口調だ。若干怒っているようにも聞こえる。
「桃花ちゃん、あなたケガしているでしょ」
「・・うん、ちょっとね」
桃花は左足を天本さんに見せた。
「これは……ちょっとじゃありません」
左足のかかとが赤く腫れている。
「桃花ちゃん」
「な、なに?」
「痛いのならガマンしなくてもいいのですよ」
「お姉ちゃん・・・」
「しかし、これでは歩けませんね」
「え?じゃあ・・
「・・・勝利さん、頼みますよ」
「え?俺?」
「本田さんは先に行かれましたし、八神さんは荷物持ち。手が空いているのは勝利さんしかいないのですよ」
やれやれ、面倒な役割を任されたもんだ。ま、ここでのんびりしていても何も変わらないか。
「ま、乗れよ。」
「う・うん」
桃花はやけに疲れている。おぶっている俺にすがりついて、なかなか離れない。必然的に背中に柔らかい感触……ではなく重く・・・無い?
「(やけに軽いな?)」
いくら小柄といっても軽すぎる。ま、いいか。
「勝利さん大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫です」
「そうですか、先を急ぎますよ」
やれやれ、あと少しだって言うのに足が………
相当痛い。疲労によるものだがさらに重くなったため。スピードも落ちた。気がついたら、天本さん達はもう見えなかった。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
何だ?この重い空気は?
「おい、桃花、なんか喋ってくれ。」
「ん〜何?」
話題がないこの状況を突破したかった。何かないか?自問自答してみる。
「そういえばなんで俺のベットに居たんだ?」
「う〜ん、なんとなく」
「なんとなくで居ないでくれ、また半殺しはイヤだから。」
「いや〜、あれは面白かったね。計27回お姉ちゃんに土下座してたし。」
「言わないでくれ、余計悲しくなるだけだから。」
「そろそろ頂上だね」
気がついたらもう頂上に着いていた。
「もう着いたか」
重い空気は意外と長かったようだ。
「あ、あんなところにに小屋が」
「天本さん達は中か?」
恐る恐る小屋の扉を開けたが、天本さん達はいなかった。
「どこに行ったんだ?」
小屋の中は何もなく、雨風を防ぐただの部屋だった。
一歩一歩恐る恐る入るとゴゴゴゴゴゴとゆう音のあと、床が消えた。
「え!?」
突然のことで反応しきれず、あっけなく落ちた。3秒くらい落ちたあと地面に着いた。正確にはトランポリンのようなものに。
「痛てて、・・何なんだよいきなり」
いきなり落とし穴(?)にはまり何も見えない。幸い桃花は離してはいない。
「桃花?聞こえるか」
「うん、聞こえるよ。」
良かった…と言える状況では無いだろう。辺りは暗く・・無くなった。ライトがつき、辺りが明るくなった。
すると急に2つの黒い影が襲ってきた。
「!!!……」
突然の事に桃花を手放し、俺は素早く後方へ移動し、ステップを踏み向かって来る影を刀で突き刺した。影はもがき苦しみながら消滅した。
「もう一つは!?」
辺りを見渡し影は桃花の方へ向かっていた。
「はわわ……」
桃花の方に襲いかかっていた。
「ったく」
咄嗟の判断で右手の刀を投げた。見事に当たり、もう一つの影も消えた。
「いきなり何だ?」
「はわわ……」
「・・・しっかりしろ。まず深呼吸だ」
「う・うん。すーはーすーはー」
しっかりと深呼吸をし落ち着いたようだ。
「もう大丈夫だよ。さ、先に行こ」
「まて、先って言っても道が・・・
ガラガラガラ
「ほら、道ならあるよ。」桃花は指を指し扉の方へむかった。俺もおいてかれないようついて行った。
「桃花?どうして道があると分かったんだ?」
「ある人が言ってたんだよ迷ったらいらないものを消しちゃえばおのずと答えは見えてくるって」
扉の先は車一個分くらいに細さで道は曲がりくねっていた。
少し歩くと光が見えてきた。
「ほら、ちゃんと出口見えたよ。」
「はあ」
ずいぶんと疲れたがやっと終わった。と思ったが実際は違った。
「桃花ちゃん!無事でしたか」
「うん。私は大丈夫だよ。」
出口だと思っていたがここは何だ?まるで古代ローマの闘技場だな?
丁度観客席の場所だ。戦っているのは………正喝?
相手は師匠より大きい刀を持ち一見鈍いように見えるが正喝より速い。
「ちょ、助けに行った方がよくないか」
「それは無理。バリアがあってこっちから手が出せないんだよ〜」
「え?」
「私達ができるのはただ見守ることだけです」
正喝は焦っていた。体力の消耗が激しかったからだ。
「押されている?俺が?認めない・・・」
正喝の動きが止まり槍を前に突き出した。
「ブレイブ………」
静かにそして冷酷に言った。
正喝が黒いオーラに包まれる
「ブレイブだって!?」
「ブレイブ………ですか、まさか本当に存在するとは…」
「え・え?ブレイブって何?」
「ブレイブ・本来ならレイブは武器として使うがそのレイブと一体化して一時的に能力を飛躍的に上昇する技だ。」
「ふ〜ん。で、勝利君はやったことあるの?」
「・・・あるわけ無いだろ、正喝だってやったことは無いはずだ」
「(僕は一応できるけどあれは・・・)」
「ハァァァァァァァ」
ドゴォォォ………
爆発音と共に黒いオーラが消えた。槍は………手にあった。
「失敗か!?」
ビュ
目では追えない速度だった。
一つ分かるのが相手が段々と宙に浮いて行くことだけ。
一撃一撃加えられていくごとに周りに闇の玉が集まっていく。10個の玉が出現したあと、正喝が天高い場所にいて闇の玉が相手にぶつかったあと、槍が相手ごと地面まで叩きつけた。
『十王無尽葬破!』
「ハァハァハァハァハァハァハァ………ドサァ」
「正喝!」
バリアはすでに解かれていて正喝の方へむかった。
「かなりの消耗していますが3日ほど休めば大丈夫でしょう。」
「そうか良かった。」
俺は正喝を背負った。
「お姉ちゃん?どこに行くの?」
天本さんがむかったのは正喝の相手。
「!これは・・・」
天本さんは黙ってその人を背負った。
「あれ、その人も連れて行くの?もしかして生き別れた兄とか?」
「ち…違いますよ!そんなんじゃありません!」
天本さんが珍しく焦っている。
「ふ~ん。まぁ検索はしないけど〜」
出口は・・・無いな。その代わり、リフトはあった。
リフトに乗って一分ほど待つと………
台座にアクアマリンがおいてあった。
「わぁ~綺麗な宝石」
桃花がアクアマリンをとると蒼い光に包まれ気がついたら舟の前にいた。
「終わったのか?」
「ええ、次の島に行きましょう。」
次は機械の島だ。




