止まるんじゃねえぞ
これからの説明をしようかとおもったら最後は暴走してしまった。
後悔はしていない。
だってもう怒る人いないし
深い海の底へ沈んでいくようだ、しかし息が苦しいわけではない。全身から力が抜けていき無気力状態が続く。
ああそうか。これが死ぬって感覚なんだろう。体から意識が消えていき、もう何もかもがどうでもよくなる。
結局俺も誠治や正喝、師匠と同じ道をたどっていく。どんな偉い偉人も底辺で生きる貧しい人も、死は平等に来る。それは人である限り避けられない運命。
ごめんな桃花。約束守れなかったよ。だから耳元でそんなに騒がないでくれ。もう俺の体はレーヴァテインのせいでボロボロなんだ。いい加減眠らせてくれよ。
もし次の人生があるなら、今度は楽しく暮らしていきたい。馬鹿みたいに笑って騒いで、疲れて眠って、それの繰り返し。こんな命を懸ける戦いを続けていて、今まで耐えてきたのが遠い過去の話になればいい。
そろそろそんなことも考える気力すら薄れてきた。何も見えない、聞こえない、感じない。そろそろ眠るか。
・・・なんだ?やけにまぶしい?いやそんなはずはない。既に光すら感じなくなってきたのにどうして今頃になって・・・
「く・・・か・・・し」
ついには幻聴までもが俺の睡眠を妨害しようというのか?意地でも寝てやるよ。もう目覚めることはないんだからな。かすかに聞こえる幻聴を無視し、俺は深い眠りについた。
「おはようございます。勝利」
もう目覚めることはないと思ったが目をさました。いや、覚ましてしまったというのが適切だろうか?ここは天国か?地獄か?少なくとも天国はないな。俺のやってきたことはこの世界でやってきた善意を差し引いても地獄向きだろう。イメージとしては廃鉱とか、活火山の近くで強制労働とかなんだが、どうにもそうではない。
意識が戻ってくる。質素な布団が敷かれていて、そこに俺はいる。仰向けで寝ていたがその天井には見覚えがあった。ここはセンシンの家か。
「喋らなくて結構ですよ。まだ何が起きてるのかはっきりしていないでしょう?」
優しい声で彼女は俺の髪をなでる。俺の意識があるかの確認だろうか?
「貴方は一度死にかけた。もはや肉体は炎で消えかけ、その精神ですら持たせるのに犠牲を払った。しかし貴方が、・・・生きてさえいればまだ可能性は残ります。」
夢だと思いたい。もう一度寝るか?いや、またここに戻ってくるな。
確信はないが何となくそう思った。
「貴方はこの世界のキーなんです。鍵、貴方の魂がこの世界を開くことができるんですよ?」
何を言ってるんだ?鍵?俺が?
「とにかく言えることはよく耐えてくれましたね」
そこで彼女の会話は終わる。俺の体は動きそうにない。軽く半日は寝て起き抜けのようだ。動くにも体も頭も動かない。頭で考えても体がついていかないんだ。しかも体の一部に異変を感じる。
そんな起き抜けにはいい刺激剤の投入だ。
「お姉ちゃんパジャマ~」
「お姉ちゃんはパジャマじゃないです。それより桃花ちゃん。勝利が目覚めましたよ?」
風呂から上がりバスタオル一枚で桃花が部屋に来た。
「ホント!?」
桃花は自分の姿も忘れ、俺の方に早歩きで来た。そして馬乗りから俺に倒れこんできた。幸い布を折って胸の上で軽く縛っていたため大事なところは見えてない。その代わりあちこちに柔らかい感触とかいい匂い、これは桃か?洗い立ての髪から伝わってくる。
「よかった、ほんとによかった・・・」
「コホン、桃花ちゃん、とりあえず服を着てきなさい」
姉さん。天本優佳里がわざとらしく咳をし、桃花の冷静さを取り戻させる。
「あ・・・」
桃花が赤面しパジャマを手に取り部屋を出る。
「たっだいま戻りました!勝利さんどーお?」
「いえまだ目を覚ましていませんよ?」
ビニール袋を2、3個持ったイリナがハイテンションに部屋に入ってきた。それに対し姉さんはやや早口で堂々とウソをついた。
「ん~そうですか。とりあえずポカリここに置いておきますね」
「ありがとうございます。次は夕飯の皿洗い、お願いできますか?」
「ハイハイ、私には勝利さんと戯れる時間はないんですね」
「放置しておくと何かしらやりかねないですから」
「もしかして信用されてない?」
「むしろなにかしらやりかねないと信用してますよ?」
「ハァ、いーですよー。負けヒロインはおとなしく皿洗いでもしてますよーだ」
イリナが不機嫌ながらも台所に向かう。その足音が消えていく。
「もう寝たふりはいいですよ」
「そのまま寝とくべきでしたよ。おかげで今日は寝れそうにないな」
さっきまで眠っていたのに、起き抜けにあんなことされて寝れるはずもなかった。主に精神的に。
「さっきはその・・・はしたないところを見せちゃったね」
「気にするな、俺は気にしていない」
パジャマに着替えた桃花が戻ってきた。明るめの赤と白の二色の水玉模様のパジャマはよく似合っている。
さっき気にしてないと言ったがあれは流石に体に来る。いろいろと俺の体を刺激しやがって、まあそれを天然でやるとこがまた可愛いんだが。
「あれ?そういえば月村は?」
少し体も覚醒し、俺は未だ会ってない月村の存在を確認する。しかし、二人は黙り込む。この時俺は嫌なことを聞いたことを察する。月村もまた俺の前からいなくなってしまったのか。しかしなぜだ?何で月村まで死ななくちゃならない?
「月村君はね勝利君を助けるため自分の命を使ったんだよ」
「月村が・・・そうか」
「私の術、ソウルチャージを応用し、月村さんの生命エネルギーを使って勝利の命を持たせている間、体の傷、火傷等を治し、ここに連れてきました。最も火傷のひどかった右腕はもうないですけど」
違和感の正体は右腕か、道理で起きるときバランスが取りにくかったわけだ。
「居なくなってしまったんだな。みんな・・・」
「しかし貴方は最悪の結果だけは免れました。本来なら前の世界と同じ結末、いえ、それ以上に酷い結末だったかもしれない。世界のやり直しも検討してましたが、どうやらその必要はないようですね」
「やり直せるのか?もう一度?」
「やり直したいんですか?そんな体で?精神で?」
今の俺にはまともに戦えるだけのものは残ってない。それは俺が一番よくわかってる。既に死んだはずの命だ。今後同じようなことがあれば本当に死ぬ。
「もしやり直したいと強く願うのなら、私にも考えがあります。しかしそれは茨の道、このまま静かに暮らしていた方が身のためだと私は思いますよ?」
「そうかもな、もうこれ以上戦う必要がないなら・・・いっそ バシィ!
俺が諦めかけていた時、桃花が俺の頬を叩いた。弱弱しいその右手から放たれたビンタに痛みはない。しかし気持ちを伝えるには十分だった。
「どうしてそんなこと言うの!?私の大好きだった勝利君はそんなこと言わない。勝利君は諦め悪くて、意地っ張りで、その上鈍感で・・・
「桃花ちゃん、もういいです。・・・貴方には失望しました、いつからそんな弱腰になったのですか?」
「もう、もう休ませてくれ、これ以上戦う必要があるのかよ・・・」
もう死ににいくような真似はごめんだ。月村の思いを踏みにじる形になるかもしれない。それでも俺は死が怖い。怖いんだ。
「戦う必要・・・ですか。ならどうすれば戦う気になりますか?」
「そうだな・・・もう死を背負って生きず、だれもが命のやり取りをしないような世界なら、考えてみるか」
「そうですか。・・・では死になさい」
突然姉さんがフェンリルをブーメラン体で呼び出し、付いていた鋭利な刃を使って俺の首を狙う。俺は咄嗟に布団から転げ落ちるように避けた。
「姉さん!?何を?」
「甘い、甘すぎます。そんな世界じゃあ誰一人救えはしない。今度は桃花ちゃんやイリナさんまでもが消えますよ?」
その言葉に俺は雷を打たれるような感覚に包まれる。
「黒崎・・・彼を倒したからと言って、何も脅威がなくなったわけではないんですよ?今のあなたではそこいらにいるチンピラからも、桃花ちゃんを守れないでしょうね」
今の俺はそこまで無力か。そんなのは嫌だ、嫌だ。結局戦うしか道はないのかよ。
「結局道は一つしかないのかよ・・・」
「いえ選択肢は二つですよ?戦い続けるか、それとも諦めるか」
「そんなの選択肢なんて言わないですよ。戦うしかないのならこの残った左腕だけでもやって見せる」
「その左腕でですか?あの様な力を持ってしてもですか?」
左腕?俺は記憶を辿る。確かレーヴァテインを使ってる最中意識が奪われそうになって・・・左手が鉤爪のようになったんだ。
「姉さん、あれはいったい・・・」
「その先は彼女に聞いた方がよさそうですね。少し席を外します」
そういって姉さんは部屋を出る。彼女とは誰のことだ?少なくとも桃花やイリナではないようだ。
「桃花?何か聞いているか?」
「ううん、何も聞いてないよ。でもきっと悪い話じゃないと思う」
どうしてそう思うのか?俺は桃花に訪ねる。
「私はあの力、ううん、あの青い光を昔みた気がする。あれは希望なんだ」
青い光?確かに左腕は青く変色していたが、光など出していた覚えはない。どちらかというと黒ずんでいたはずだ。あの青い血に触れたことは意識を奪われたことに関係するのは間違えない。本来毒らしいあれは俺にとってはむしろ気分がすぐれるものだった。
「希望か、確かにあの力がなければ黒崎との闘いも長引いていたかもな。でもあの力に操られた俺は桃花のことまで斬りそうになった。ごめん」
「でもちゃんと抑えてくれた。私が勝利君をもとに戻すきっかけになれたのは、それはそれで嬉しいかな」
そうだ、桃花があの場にいなかったら俺は自分の手で皆を手にかけていただろう。あの戦いに勝てたのは桃花のおかげでもある。感謝してもしきれないな。
「ありがとな、桃花」
左手で桃花の頭をなでてやる。桃花は黙って行為を受け入れ、顔を近づけてくる。キスでもする気か?いいけど今はやめておいたほうがいいと思い、左手を肩に持っていき、軽く桃花のことを押す。
「勝利君?なにを?」
「一応聞いておくが、見られても平気なタイプか?」
「?」
桃花はよくわかっていないようだ。姉さんが出てから、明らかにこちらのことをのぞき見してるやつがいるんだよな。
「イリナ、のぞき見は趣味が悪いぞ?入ってこい」
「アハハ、やっぱりバレてましたか」
イリナが申し訳ないように入ってくる。それをみて桃花が赤面する。どうやら平気ではなかったようだ。俺はあまり気にしないタイプだが、のぞき見される趣味もない。
「二人がキスしたらそのまま勢いでもっと先の方まで見られると期待していたんですがねぇ、残念です」
「も・・・もっと先!?からかわないでよ!」
「見られていなかったらしていただろうな。・・・というかもう一回はしたがな」
「!?おや、二人はもうそんな関係まで発展していたと?いったいどんなことをしていたんですか?情弱な私にぜひ教えてくれませんか?」
「・・・言わせんな。さすがにそれは俺でも恥ずかしい」
初めてはブレイブ習得した時だ。あの時は課題だったが、いまはあれで踏ん切りがついたことには感謝している。
「お待たせしましたね。皆さん」
イリナが入ってきた約10分後、いつものゴスロリを着たシエルさんが入ってきた。
「あれお姉ちゃん?着替えてきたの?」
そういえば桃花とシエルさんは初対面だったな。まあ俺も間違えたのだから無理はない。
「私はシエルです。天本優佳里の別次元の同一人物、そして傍観者、そして・・・パーティクルを持つもの」
前二つは聞き覚えがあるが、パーティクルとはなんだ?
(「あの血・・・まさかパーティクルの一部?」)
戦場でそんな言葉を聞いたのを思い出す。あの青い血に関連することなのだろう。
「あ、じつは私もパーティクル?だったよ」
イリナが唐突にしかも大胆な発言をする。パーティクルってのは実は希少ではないのか?こんな奴でも持ってるくらいだし。
「シエルさん、教えてくれ。パーティクルとはなんなんだ?
「それは誰しもがその可能性を持った力。たいていの人はそれに気づかずに生涯を閉ざす・・・わかりにくかったですね。
パーティクルは並行世界、いわゆるパラレルワールドを作ることのできる力。それは粒子のように無限に広がる可能性のもの。タイムマシンというものをご存知でしょうか?」
「ああ、未来や過去にタイムスリップできる機械のことだな。まああれは架空の存在だが」
「そう、しかし架空の存在と思うこと自体が間違いですよ?」
「タイムマシンが実在するとでも言うのか?」
「それよりももっとすごいものですよ。所詮タイムマシンとは人類が神に近づこうとした機械でしかありませんから。天本優佳里、彼女は神様ですから」
「・・・いやそれは少し違うな、姉さんは神様の分身あたりだろ?」
「そこまでわかっていたのですか?」
本当に神様なら何でもしてくれるはずだ。いろいろと制約をもっているのなら本当の神様とはいいがたい。
「お姉ちゃんが神様・・・じゃあこの世界での私は・・・」
「貴女も私と同じ神様の分身、もとは天本優佳里から派生した存在です。どんな形であれ、貴女は貴女らしくいてくださいね」
「うん。分かったよ」
絶対分かってないわ、顔に出てる。しかし俺も話には半分くらいしかついていけてない。
「そして天本・・・いえ、勝利、貴方も新しい神になれる可能性を秘めてます」
「俺が神に・・・?」
「パーティクル、これは誰しもが神様になれるまじないのようなもの。しかし神様になれるのはこのパーティクルの力を認識できるかどうかです。あなたの左腕はパーティクルの力を認識し、並行世界の自分の力を借りた。その結果があの爪というわけです」
並行世界を紡ぐ力は誰しもが持っているが、気づくのは少数。それがパーティクル。俺は
神になんかに相応しいんだろうか?
「私は、いえ私達はパーティクルに目覚めた者を次元の適合者、通称WUと呼んでいます」
その私達っていうのはおそらく姉さんとシエルさん以外にもいるのだろう。
「WUか。さしずめworld unityと言ったところか。しかしなんであんな土壇場で目覚められたんだ?」
「大方貴方の成り立ちが原因でしょう。今のこの世界は前世界の行動から派生した非常によく似たパラレルワールド。仮に前世界の大戦の結果が違ければ、貴方は存在すらしていない。前世界の魂達の思いが、そのパラレルワールドの壁を破り、貴方をwuにしたと考えられます」
「そうか・・・パーティクルのことは大体分かった。ならあの統治は何なんだ?」
「あの死神もどきはwuのまがい物、本来wuでない者が青い血に触れれば並行世界を繋ぐ時のエネルギーに耐えられず、脳や体に障害となります。あれは薬等で無理やりwuにされた何かでしょう。あの生存能力は並行世界の自分の生命力をかき集めた結果です」
「・・・俺もあんな風にされかねなかったんだな。最初に意識が奪われた時、何かが入ってくる感覚があった。あれはきっと・・・
「勝利君が元居た世界の過去の自分・・・かな?」
「当たりだ。しかし俺が子供のころはそんな話は一切聞かなかったな」
「同じ存在でもパーティクルに目覚めるとは限りませんから。この世界の黒崎はパーティクルに目覚めた。それだけの話です。そして彼は貴方の・・・
「俺の・・・なんだ?」
「そこから先はご想像にお任せします」
そう言ってシエルさんは姿を消す。あれだけ秘密そうなことを喋ったのに、最後は何一つ言わなかったな。
「消えた?勝利君、お姉ちゃんは大丈夫なの?」
「問題ないな。何度かやったやり取りだ。それよりイリナ、何でそんな大事なことを黙っていたんだ?」
「聞かれなかったから答えなかった。説明しても理解してもらえるわけないです」
「その言い方はなにかイラっと来るからやめろ。まあお前がwuだからといって、お前の評価を変える気はないがな」
「そんな~私のものを初めて奪ったくせに酷いですよ~」
「は?」
「勝利君!?今のはどうゆうこと?ちゃんと説明してよ!?」
「・・・レーヴァテインを強引に奪ったことを言ってるんだろ?その誤解を招きかねない言い草はやめてくれ」
「なんだ~、そうゆうことか~」
「ほほう、ではどういう意味で考えていたのですか~?」
「え?あ・・・それは・・・
桃花が言葉に悩む。しかし答えを言わせる気はない。
「イリナ、あまり桃花をいじめないでやってくれ。そんなに聞きたいなら俺が言おうか?」
「・・・いえ、これは姫様に言わなければ意味ないんです」
その言い草に少し腹を立て、俺は無言で手刀をかます。イリナは頭を抱え込んで下を向いた。
「少しは反省しろ」
「・・・まさかこれが勝利さんなりの愛?」
「もう一発食らいたいか?」
それを境にイリナは黙り込んだ。
「全くシエルさんはペラペラペラペラ、良く喋りますね・・・」
自分自身に文句を言いつつ、姉さんが部屋に戻る。
「おかえり姉さん」
「大体のことはイリナさんから聞いてますね?私からはこれからのことを話します・・・が今日はもう遅いので明日にしましょう」
そういえば俺が起きたのは皆が夕飯を食べた後か。結構長い話をしていたからもう月も下がりかけてる。あと5時間もすれば太陽が出てくるだろう。どれくらい眠っていたかわからないが、自然と腹は減ってない。
「じゃお休み~」
「イリナ、間違っても勝利の布団に紛れるような真似はしないでくださいね?」
姉さんが笑顔で釘をさす。
「やだな~私だってそれくらいはわきまえてるつもりですよ?」
本来に大丈夫だろうか・・・まあ入ってきても即効追い出すつもりだが。部屋も違うしわざとでもなければ布団の数の違いで判るだろう。
ダメだ、やはり眠れない。
今まで眠っていたせいで睡眠は十分にとってある。目を瞑っても睡魔が襲ってくることはない。このまま布団にこもっていてもらちが明かないと思い、部屋を出て軽く夜風にあたることにした。空は雲一つない快晴で、嵐の後の静けさと言ったところか。ただ風の音だけがこの夜を包み、自分がちゃんと生きていることを実感させる。この命はもう俺だけのものじゃない。誠治や正喝、師匠、それに月村だって俺の命を救ってくれた恩人だ。今を生きる桃花、姉さん、イリナにも感謝している。正直イリナは苦手なタイプというか・・・根から少し腐ってるのか?まあ悪いやつではないんだが。
・・・この世界をやり直せるのなら、今度はうまくやってみせる。誰ひとり犠牲になんかさせはしないと心に強く刻んだ。
そんなところに新しい客が来た。
「勝利君、眠れないの?」
「そっちこそ」
桃花がこちらにやって来て俺の右隣に座る。その後軽く倒れこんでくる。桃花は何も言ってこない。なにかを察せと言わんばかりだ。とりあえず頭を撫でてみる。
「またそうやって・・・」
小さい声だったのでよく聞き取れなかったが、嫌がってるわけではなさそうだ。俺は手を頬に移動し頭と同じように撫でようとしたが、親指を軽くくわえられてしまった。
「桃花?」
「キス・・・して」
「お安い御用で」
二つ返事で唇を近づける。しかし片腕ない俺は体勢を崩し、押し倒すようになってしまった。桃花は軽く悲鳴をあげるも、受け入れてくれた。
そこから先はよく覚えてない。ただ起きた後に突き付けられた現実は、一緒の布団で寝ていたということだけだ。
なんか壮大な話になったが、パラレルワールドの自分を認識し、力を借りることができることがパーティクルの力。
それが使えるのがworld unity
あと1,2話で終わる予定だ




