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偵察終了のお知らせ

ふむ相当遅くなってしまったな


「まず正喝、昨日の夜は誠治が何かを開発していたと聞いたが?間違えないか?」

正喝は無言で頷く。

「それならなぜそれを使わずに王様を仕留めなかったんだ?」

これまで誠治は開発に無駄はなかった。だからこそあの誠治が開発した物を使わなかったことに疑問を持った

「つまり八神さんが無駄に開発はしないということですね」

「はい、前から暗殺を計画していたならそもそもそんなものを正喝に気付かれるように作るとは思えません」

「!言われてみれば・・・そうか」

「それに正喝を始末するなら昨日の夜にやっているでしょう」

「ふぅん、確かにそうだな。俺様なら真正面から行くがな」

「それと誠治が風系統の術を使ったのも気になるな」

「私が受けたのは間違いなく水ではなかったですね」

基本的に俺たちは一人一つの属性しか扱えない。

「そういうことだ。優佳里姉、これが俺の持論だ」

おかしいと思うことはすべて話したつもりだ。あとは・・・

「では八神さんはどこに消えたのです?」

この質問は想定はしていた。

「俺があいつなら余計な混乱を防ぐためまず自分が二人いるという状況を解くことから始めるだろう。少なくとも自分からは出てこない。生きてるならどこかに隠れて俺たちに任せるかな。」

「どこかで偽物を狙ってる可能性もあるな」

「最も本物の誠治が見つかれば話は早いがな」

「では、生きてるか、それとも・・・死んでいるか、それをはっきりさせた方がいいですね」

「何か確かめる方法が?」

「ブレイブゼロを使えばあるいは」

「ブレイブゼロか、原因は分からんけど発動は出来ない」

「出来ない?あれは力を貸す人達が貸そうとしなければできませんよ?」

「そんな制約があったのか?」

「言っていませんか?」

「言われてないよ」

まるでどこぞの契約者だな。

「場所を移しましょう。なんせここはむき出しになってしまいましたから」

俺たちが戦った場所は本来起きてはいけない場所だ。王室もこうなってしまえばただのガレキの塊だ。

「ではみなさん、ブレイブゼロの準備をお願いします」

「利、こちらはいつでも大丈夫だ」

「勝利、いつでもいけるぞ」

「私も準備okだよ」

「いけますよ〜」


「では初め・・・イリナ、いたのですか?」

「何やら大きな音が聞こえたと思えば部屋はバラバラ、その上皆さんはぞろぞろと移動してきちゃいました〜」

「ハァ、まあいいでしょう。あなたも手伝ってください」

「俺様もやらせてもらおうか、ブレイブゼロを見てみたいしな」

「キラさん・・・」

「俺様の力を果たして使いこなせるかは別だけどな」

ツンデレ?いやちょっと違うな。多分彼なりの期待だろう。


「ブレイブゼロ!」

放たれた六つの光が集まってくる。それと微かにもう一つ、合計7つの光が来た。

姿こそ変わらないが二人分増えたブレイブは更に力を増しているのが分かる。

「今の小さな光は・・・」

「十中八九八神さんのですね」

来た方角を辿ればつける。しかしそれは誠治(偽物)に感づかれているだろう。

「余計なこと考えんな、本物の八神見つけてあとは偽物潰せばいいんだからな」

「キラさん、そうですね、偽物の方の捜索は任せますよ。

キラさんだけ別行動にし、感覚を頼りに誠治を探す。

・・・



「この小屋からだ」

街はずれにあった小屋から誠治の反応を感じる。鍵等はなく、扉を開けたが誠治の姿はなかった。

「いない?」

「利、本当にここであっているのか?」

「他に隠れられそうな建物等はないし、ここだと思ったんだがな」

「・・・せまい」

桃花がポツリ呟く。

「なんか変だね、外から見た小屋の大きさと部屋の大きさ、釣り合ってない感じがするよ」

そう言われれば部屋は2畳程度の大きさだが、外から見ればあと2畳はありそうだ。しかし入り口からは壁しかない。影になっているため少し暗い。

「利、ここは任せろ」

「正喝?何か考えがあるのか」

「この壁、ただの幻覚だ」

正喝が壁に触れ壁を紙みたいにくしゃくしゃにし、崩れ去っていく。

「誠治!」

壁の向こうに誠治を見つけた。ぐっすりと眠ってはいるが、特に傷もなく熱も普通でただ眠っているだけのようだ。

「こんなところで寝てたら風邪をひくぞ、誠治」

正喝が体を揺さぶるが全く起きる気配はない。

「無駄だよ、誠治はその程度じゃ起きねえよ」

俺はため息一つつき、誠治の耳元で囁く。

「昨日の物全部燃えるゴ・・・

言い終わる前に俺は頭に拳銃を突きつけられていた。

「冗談だ。冗談」

「やめてよね。本気でそんなことしたら・・・

「したら・・・?

「本当に怒るよ?」

「(十分怒ってるだろう、今でも)」

などと言えないので心の中に留めておく。

「気分は大丈夫か?」

「最悪だよ〜、寝ぼけてる間に連れ去られて

僕がもう一人出てきたと思ったらさらにもう一人出てくるんだから」

「待て、今なんて言った?」

「寝ぼけてる間に連れ去られて・・・

「その後だ!」

「だ〜か〜ら〜僕が三人に増えたって言ったの」

三人、仮にここにいる誠治が本物だとしても俺達を襲ってきた誠治とはもう一人化けてる奴がいるという事だ。いや誠治が複数人いる可能性も考えられる。

「優佳里姉、ここにいる誠治は本物ですか?」

「?それは勝利が1番分かっている事でしょう?」

「そう・・・ですね」

聞くだけ野暮というものだ。ブレイブからくる力の源はここにいる誠治のものだ。

「とにかく、誠治が二人だけとは限らなくなったことは間違いない。後は・・・

それを言い終える前に町の中央の方で大きな爆発が起きた。

「なんだ!?」

「銃撃音・・・偽物の八神か!?」

颯爽と正喝が向かう。 俺は向かうか迷った。仮に敵の狙いが桃花ならここで俺が行くべきではない。だが・・・

「勝利、貴方も行きなさい」

「優佳里姉?」

「ここで彼を逃せばまた大きな被害を被ります。ここで終わりにしましょう」

「大丈夫だよ〜僕もいることだし、それに自分を倒したくもないし」

「どちらかというと自分を撃ちたくないんだろ?パパッと終わらせて戻ってくるよ」

俺も戦闘のある方は駆け込む。

今は月村、正喝、キラさんの三人で抑えている。しかし戦況は五分五分といったところか。

「月村、右から行きな、正喝は左、俺様は正面から追い詰める!」

「フッフッフ、水は切れぬ」

三方からの同時攻撃を奴は難なくと躱した。自分の身体を液体状にし、まるで水たまりを動かすようにすり抜けていく。

「あーー、とことんウザイ奴だな!」

『溶かし炎よ、その消えなき熱で焼き尽くせ!ドライス』

俺は地面の熱を上げ水たまりごと溶かそうとした。奴は堪らず誠治の姿に戻り、空中に飛んだ。

「その程度の策で俺を倒せ・・・

グサァ

『ドライス』

奴が空中に浮くのも予想していた。あらかじめ俺も飛び空中で仕留める予定だったがこうもうまくいくとは思わなかった。

「・・・る・・・

「消えろ!誠治の偽物め!」

「アアアアア!」

悲鳴ととも水蒸気の爆発を起こす。これでひとまずは安心かな。

「よし、これで・・・」

俺たちはひとまずの勝利を収めた。優佳里姉さん達のところに戻り戦果を報告しにいった。

「優佳里姉さん、ひとまず終わったよ」

「いえ、これは・・・始まりです」

その発言はこの世界の終わりを迎える最後の戦いの始まりだった。

遠くから大砲の砲撃音が響き、砲弾はいくつもこちらに向かって来た。あれは飛行船だ。

とっさに桃花を庇ったがその必要はなかった。見えない障壁のようなものが砲弾を弾いていた。

「来ましたか、前より少し早いですね」

「姉さん?」

「勝利、これから戦争が始まります、といっても明日からですがね」

「どういうことです?誰だか知らないがこちらに攻撃して来てるのは今でしょ!?」

「これはただの偵察、先ほどの八神さんの偽物も偵察の一部です」

優佳里姉さんの言う通り何発か撃っては弾きそのまま飛行船は遠ざかっていった。

「諦めも早いと、いうことですか」

姉さんの発言は少々おかしい。まるでこれまで起きたことがあることを振り返ってるようだった。

「勝利、顔にてでますよ。貴方の考えが」

「えっ」

「何故私が戦争が始まる、あれが偵察だと分かったのか。そういう疑問な顔ですよ」

「・・・まあ、そうですね」

「そろそろ話しておいてもいいですね、この世界の真実を」





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