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サティスファクションできない

サブタイトル思いつかなかった

「ここでいいのか」

俺、天本勝利は宮殿の入り口に佇んでいた。昼頃に姉さんからこの時間に来るよう言われたが、特に迎えは来ない。場所を間違えたかと思い帰ろうとした時、

「勝利?こんなところで何を?」

「月村か、待ち人だよ。優佳里姉をね」

「優佳里さんなら宮殿の中だが?」

「・・・もしかして中で待ってろという意味だったのか」

せめてもう少し場所の指定をして欲しかった。まあ結果オーライだが。

「そういえば月村はなにをしてるんだ?」

「私は散歩です。昼からずっと優佳里さんの雑用をこなしていましたから疲れてしまって・・・」

月村はいったいなにがあったんだ?わずか半日で月村をここまで疲れさせるとは・・・

「まあ一言でいえば事務仕事なんですけど、どうやらここに居なかった間相当溜まっていたみたいです」

・・・なんとなく想像できてしまうのが恐ろしい。

「とりあえず行きましょうか。優佳里さんの元に」

「ああ」

月村に誘導されるまま俺は宮殿の奥へと向かった。




「お待ちしていました。勝利、月村」

「姉さん。こんばんわ」

「ええ、こんばんわ」

姉さんは大きな扉の前に立っていた。この扉の向こうに何かはあるのだろう。

「早速ですがこの扉の向こうに何があるか当ててみてください」

「まさかもう元の世界に戻る扉が出来たと?」

「いえ、あれにはそれなりに時間を要しますから、まだです」

「じゃあ、考えられるのは・・・

俺は彼女の名前を言おうとした時、本人は扉から出てきた。

「やっと、・・・」

「桃花・・・その動けないんだが」

俺は桃花に抱きつかれて身動きが取れなくなった。

「ずっと・・・ずっと待ってたんだよ?」

桃花は弱り切った声で囁く。俺なんかよりずっと頑張っていたんだろう。

「ああ、ごめんな。遅くなって」

俺も抱きしめ返した。

「勝利君・・・」

「二人とも、イチャつくのはいいですが、それは二人きりの時にやってください」

姉さんの声で桃花を離す。以前の俺ならそうしていた。

「そうですね。・・・行こうか、桃花」

「うん!」

俺はそのまま部屋に入った。

「・・・変わったな、勝利は」

「ええ、彼は何が変わりましたね」

「しかし、あのことは話さなくていいんですか?」

「彼に話してしまえば、きっと彼は命を落とします。彼にはまだ運命を変える程の力はないです」

「悲しいですね。分かっているのに止めなれない運命は・・・」



「それでね、運命って信じる?」

「運命?」

「うん。お姉ちゃんから聞いたんだ。勝利君と私が結ばれたのはきっと運命だって」

「運命か、あんまり好きな言葉じゃないな」

「どうして?」

「俺は運命なんて言葉で人生が決まるのは嫌いでね。運命ってのは残酷なもんがほとんどだ。だから、俺が桃花にあったのは運命ではない。必然だったんだ」

「?でもそれって同じことだよね?」

「違うな。同じ意味でも俺にとっちゃ運命は残酷、そう思ってる。だから、あえて必然という言葉を使ったんだ」

そう。運命って言葉は良い意味で使われることは少ない。もし選択できる余地があったのであればそれは運命とは言わない。

「っと、そろそろ宿舎に戻らないとな」

俺はそう言い部屋から出ようとする。だが桃花は俺の服を引っ張った。それはとても弱々しい力。軽く力を入れればすぐにでも外れるだろう

「離してくれないか?」

「い、嫌だよっ」

桃花は頭を左右に振った。彼女の気持ちも分からなくはない。だが、

「いいか桃花?俺はここではただの一兵士、桃花は姫様なんだ。もし俺が戻らなければ俺は明日どうなってるか分からない。だから我慢してくれ」

「・・・・・・」

あと俺も桃花が隣にいてスヤスヤと眠れる程気が楽じゃない。お互いの為に夜は別に過ごす必要がある。

「分かってるよ。本当は分かってるんだ。自分がどんな枷を背負ってるかぐらいは、でも

気持ちを抑えられないんだ」

俺は溜息をついた。でも安心した。立場が変わっても気持ちは全く変わっていなくて。

「分かったよ。じゃあこれで我慢してくれ」

「え、ちょ?はむっ」

俺は桃花の唇にキスをした。それは短い時間。けど俺にとっては長く感じられた。桃花は顔を赤くしてなすがままにしている。

「今はこれで満足してくれ」

そう言って俺は部屋を出て行くこれ以上いたら俺の気がおかしくなりそうだ。

「あ、待って・・・」

俺は出口の扉で止まる。

「明日のお昼なんだけど、良かったら一緒に・・・」

「ああ、分かった」

正直今の流れは危なかった。

ともかく明日の昼が少しだけ楽しみになりそうだ。

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