おいデュエルしろよ
今回は恐ろしいレベルでパロしかしてねぇ・・・
本来一話にするところを二話にしたため今回短いっす
次の試練は草原で行われるようだ。時間帯は日光がギラギラと照らす真昼間で先ほどとは気温も湿気もだいぶ違う。
「・・・暑い、余計にか?」
「うん・・・暑いよね」
二人して服の首筋から新鮮な空気を入れる。服の下が見えそうになったため一応目は逸らしておくが・・・
「召喚士カーバー・・・一体何者なんだ?」
「フッフッフッフ、アッハッッハッハッ!アーハッハッハッ!」
特徴的な三段階による高笑いが響く。この笑い方、そしてこの声は一人しかいない。
「ラーゼ、またお前か」
現れたのはまたもやラーゼだった。前と変わり武器は持っていないがそのかわり札を何枚か持っている。
「今の私はラーゼではない。私は・・・いや僕は仮面を外すとカーバーになるんだ」
お前は何を言ってるんだと思い、呆れて言葉が出ない。しかしラーゼの説明は続く。
「僕はね召喚士決闘では全国大会に出場するほどの腕なのさ」
そんな大会聞いたことはない。あったとしてもきっとショボい大会なんだろうとまた呆れ顔で話半分で聞く。
仮面を外し、札を一枚地面に放つ。札は巨大なスタジアムに変化していく。
これも召喚士の術なのだろうか?スタジアムで向かい合う俺達とラーゼはここで戦うのだろう。
「ここは全国大会一回戦の会場だ。ルールはカーバースペシャルルール。モンスターを召喚し、先に倒れた方が負けだ。分かりやすいだろう?」
「いや、全く分からん」
カーバースペシャルルール?そもそも普通のルールすら知らないし、どう戦うのかすら知らないためついていける気がしない。
「分かりやすく教えてやろう。自らの魂を具現化し武器にする。つまりはお前の刀を持って出すのと同じ様に札を出すのだ!」
「札を出すイメージ・・・こうか!?」
俺の右手には4枚の札が現れた。絵柄が書かれており一枚は左足が書かれたもの、
二枚めは聖職者の集まり、
三枚目は赤いドラゴン、
四枚目は槍の形をした武器だ。
今のところ使えそうなのは二枚目のドラゴンあたりしかないだろう。それなりに強そうだがもっと上の位のドラゴンがいそうだ。
聖職者・・・使えるのか?これ
槍・・・戦士辺りにでも使わせればいいか
左足・・・どうしろと言うんだ?これでどうやって戦えと・・・
札の考察をしていると桃花がある一枚に注目しているのに気づく。目線の先には左足の札だ。
「ん〜どこかで見たことあるような・・・」
「どうせ使うこともあるまい、欲しけりゃやるよ」
そう言いつつ桃花に札を渡す。渡した後もじっくりと観察している。しかし桃花にも戦って貰わねば。
「桃花、お前も・・・
「おっと、カーバースペシャルルールは一対一の真剣勝負だ。故に君は応援でもしているんだな」
つまり普通のルールならバトルロイヤルもありだった訳か。やれるだけやってみるか。
このゲームはモンスター同士を戦わせるが、モンスターが倒された時に召喚士にもダメージが通る。より強いモンスターが倒された時のダメージの方が多く発生する。
倒された時のデメリットを考えると強いモンスターをただ出せばいいってもんじゃなさそうだ。
「先ずは僕のターンだ」
カーバーが出したのは一つ目巨人サイクロプスだ。俺自身が戦えば苦戦するだろうが今は頼もしい味方がいる。
「行け!ルビードラゴン!」
俺の合図でドラゴンは火球を放つ。火球は真っ直ぐ進み、サイクロプスを包む。
「この程度は必要経費だ。痛くはないぞ?」
カーバーにダメージが見られないのでサイクロプスは大した強さではないようだ。
「次はこいつだ」
次は大きな帽子を被った魔術師の登場だ。サイクロプスと違い、こちらは守備固めか?召喚したモンスターに守備を固めさせれば召喚士のダメージも半減する。
「時間稼ぎのつもりか?まあいい、踏みつぶせ!」
「甘いぞ少年!魔術師のスキル発動!」
守備を固めていた魔術師はただ守っていたわけではない。網による罠を用意していたのだ。ドラゴンの突進攻撃は網を破けずつかまってしまった。
体が痺れる感覚に包まれる。麻痺付きの網か?力が入らず網が破けなかったのも納得だな。
「僕のターンだ、バーサークゴリラを召喚」
現れたのは10メートルほどの大きなゴリラだ。右手には体相応の斧を持ち雄叫びを上げて俺のドラゴンを切り裂いた。
「ぐぅ!?」
ドラゴンがやられた事でこちらにもダメージが来る。腹を斬られたような感覚に見舞われ、態勢を崩す。
「勝利君!?大丈夫?」
「ああ、このくらい・・・」
仕切り直して新しい札を加える。次は右腕?
なんなんだよこれは。仕方なく聖職者を守備で召喚する。
「攻撃だ!バーサークゴリラ!」
攻めのゴリラ、守りの魔術師相手にジリ貧な状況が続き、守備を固めているとはいえ体力が少しづつ持ってかれる。
「まずいな・・・」
あの体が描かれたパーツも両手両足が揃ったが、肝心の胴体とか頭とか無ければ意味なんかない。そもそもあるのかすら分から・・・
「あー!やっと分かったよ」
悩んでるところに桃花が打開策を持ってきてくれた。
「桃花、そいつらの使い方分かったのか?」
「うん。やっぱり知ってたんだよ私達」
桃花が耳元で囁く。今後の展開がもしアレと同じなら俺たちの勝利は確実だと話す。
「そうか、ならその通りにイメージするまでだな」
この四枚があの封印されし者の一部なら先ず奴のエースを引っ張りださなければならない。
・・・そういえばこの槍まだ使ってなかったな。
「招来せよ・・・ゲイボルグ!」
前方五メートル程の場所に空から降ってくるその槍は鏃のように地面に突き刺さる。まるでどこぞの聖剣のように使い手を選ぶようだ。
「ゲイボルグ、それは余程の剛のもので無ければ使いこなすことの出来ぬ投槍。君にそれを使いこなすモンスター・・・
「誰がモンスターに使わせるって言った?」
「何?」
「使いこなせるモンスターがいないなら、俺がやってやるよ」
その意気込みのままゲイボルグを必死に抜こうとするがビクともしない。まるで地面の方と綱引きをしているかのようだ。
「もういい、お前など知らん!」
そう言って腹いせにゲイボルグを蹴り桃花の方に戻る。
「さて、どう打開・・・
するとどうだろうか。あれほど硬く突き刺さっていたゲイボルクはあっさりと抜けゴリラの方へと向かっていく。魔術師の網程度あっさり突き破りゴリラに突き刺さる。
ゲイボルグは破裂する様に無数に増え全身を突き刺し爆発した。
「えー・・・あれああいう使い方だったのかよ」
「あはは・・・」
桃花の苦笑いとその視線が痛い。
偶然とはいえこの状況を打開したゲイボルグ、こいつは威力がありすぎる、迂闊には使えんな。
あんな攻撃で召喚士のカーバーも無事では済まないはずだ。
「クックック・・・アッハッハッハッハッハ!痛い、だがこれがいい!」
カーバーが豹変し出した。痛みで頭がおかしくなったのか?
「何?あれ」
桃花が不安そうにカーバーを見つめる。
「あれだけの攻撃を食らったんだ。おかしくなるのも無理はない」
「そうだ!この攻撃によって僕の最強のモンスター、白き龍を出せるのだからな!」
カーバーの体が光り始める。一体何をする気だ?
「見ろ!これが召喚士の目指す最終形態!僕の力を思い知るがいい!」
雄叫びと共にカーバーの体が巨大な龍へと変貌していく。
「それがあんたの本当の姿か?つまりあんた自身を倒せばこの試練はクリアってことだろ!」
槍を使って倒したため、今の俺は何も召喚してないわけだ。龍を倒すために必要な最期のパーツ・・・
「五枚で一つの絶対無敵のモンスター・・・その力を今ここに!」
引いたのは封印されし最期のパーツ・・・ではなかった。
「あ・・・あれ?」
この意気込みで引けなかったのは正直ダサいな。仕方なく俺は引いたモンスターを守備で出す。
「なんだぁ?ただのハッタリか」
龍となったカーバーは体内のエネルギーを放出し、光線のように真っ直ぐ俺のモンスターを粉砕した。
「くっ、何故だ、何故呼べなかった?」
一度深呼吸し心を落ち着かせる。しかしイメージがどんどん遠ざかっていく。また失敗すると恐れているのか?俺が?
「大丈夫、勝利君なら大丈夫だよ」
桃花が俺の震える手を握る。
「次は私も頑張るからきっとできるよ」
桃花は幾度だって俺の事を支えてくれている。誠治や正喝が戦闘での支えなら桃花は心の支えだ。ある意味彼女には誠治達以上に世話になっているかもな。
「・・・ああ、やるぞ桃花!俺(私)のターン!」
・・・来た。これが俺の望んでいた希望。
俺達はその場で笑い合う。
「何がおかしい!?勝利を諦め笑うしかなくなったか?」
「な訳ないだろ、俺は希望を手にしたんだ。俺が、いや俺達が手にしたのは封印されし玩具の巨人・・・ガングオーだ!」
五枚の札を同時に解き放つ。雷鳴が鳴り響き、空からゆっくりと巨人が降ってくる。
「バカな!?ガングオーだと!?」
サイシェイで思い出したこいつがこんなところで役に立つとはな。
「ガングオーの全力の一撃!その身で味わえ!」
『革新の炎、ガングート・バースト!」
ガングオーが両腕を広げ巨大なエネルギー弾を作り出す。螺旋回転をしながら球体に完成させ、野球のサイドスローの様な構えでカーバーに放つ。
「っくさせるか!」
カーバーも負けじと口から光線を放つ。しかしパワーの違いが圧倒的に見え、エネルギー弾がカーバーを飲み込んだ。
「カーバー!俺達の勝ちだ!」




