なんだかよくわからないシステム 通称NYS
燃料がなくなり、厄介なことになった。潮の流れにより何処かの島に着いたのは不幸中の幸いだ。島について一応一安心したのだが、船は砂浜に上がり、次の満潮まで動けない。
「なんか、昔に戻ったみたいだな」
物思いにふける。昔は理不尽な戦争をただ力でねじ伏せて来た。だが、今の俺にはそんな力は無い。俺では奴には勝てない。
「勝利、どうしたんだ?」
「なんか、昔に戻ったみたいでな」
「昔?」
昔、と言っても本の五、六年前の事だが、戦争は残酷だ。敵は全て滅ぼす。敵になるものは破壊する。そのために此方も破壊する為に武器を壊す。結局誰も得なんてしないのだ。
なぜ戦争が起こるかなんて俺にはわからない。
そもそも戦争とは人間同士が争う最終段階であり、本来なら言葉で分かり合えるはずだ。しかし、それは難しいことなんだ。戦争になるきっかけは様々だが、多いのは誰かが殺されてその人を殺した人がまた誰かに殺される。そんな負の連鎖を繰り返しているんだ。
「昔の俺は戦ってばかりでしたよ。だから俺は・・・」
「勝利、できることなら戦いたくはないよな。けど今は戦うしかないだろ」
「ええ、分かってますよ。分かってはいますけど・・・」
圧倒的な力の差を見せつけられた俺たちはただ絶望しかなかった。どうすればやつに勝てる?
「お困りの様ですね、らしくないですよ」
「由佳里姉、・・・確かに俺らしくはないですよ。けど今の俺じゃあ」
「確か今の勝利には無理でしょう。しかし打開策はあります。」
「!?何ですかそれは」
この際なんでもいい。
「ブレイブですよ」
「・・・え?」
「ブレイブです」
「ああ、はい。・・・やりますよ。やる気になれば」
『ブレイブ』
勝利が光に包まれる。見えて来たのいつもの刀だった。
「あれ?おかしいな?昔は・・・
「昔はできた?甘いですよ。とても甘い。そんな考えだから貴方は負けたのですよ」
「だったらもう一度習得するしかないのか」
「そうなります」
目標は決まった。ブレイブの習得だ。
「けど、ブレイブは一朝一夕で覚えられる技じゃあ・・・」
「確かにそうです。ですがそれを可能にするアイテムがあるのですよ」
由佳里姉がポケットから小さな箱を取り出す。それは見覚えのあるものだった。
「ああ、BBFですか、確かにそれなら・・・」
「違いますよ。これは見た目こそ同じものの機能は違う。体感型RPG、そのシステムは企業秘密でなんだかよくわからないシステムなのでNYSとでも言っておきます」
「由佳里姉、こっそりパクリはやめてください」
「パクリ?マット鈴木なんて知りません」
「ちゃっかり知っていますよねそれ」
「まあその話題はスルーでお願いします。先ほど言った様に、体感型RPGを勝利と桃花ちゃんにやってもらいましょう」
「え?なんで桃花を?」
「このゲームは二人以上でないとプレイ出来ないのです。私が行っても良いのですがそれではこのゲームはクリアできない。」
「なぜです?」
「お楽しみです」
「・・・そうですか、いつものことですけどやたらと隠したがりますよね。」
「ネタバレはいけませんから」
そして・・・
「コレを使えばいいんだね」
「ええ、勝利、桃花ちゃんのサポートよろしくお願いします」
「ええ、やりますよ」
「では・・・GO!」
光に包まれる。まるで夢を見ている様な感覚でゲームはスタートされた。




