「俺の寝床は?」 「無い」
「ただいま」
少女を抱きかかえて、玄関からに上がり、リビングへ入った。そこには正喝と誠治がいた。
「!!?・・・何があった?」
「ん~心~ナンパでもしたの?」
「なんでそうなる。いろいろとあったんだよ。いろいろと」
勝利は少女をリビングのベットに寝かせて・・・
説明中~
「なる程、起きたら目の前に・・か」
『レジェ起動』
「お・おい、なにをする気だ?」
「夢から覚ましてやるよ」
「おい、いくら何でも現実と夢の違いぐらいはつくよ。」
「あはは」
「ま、冗談だ」
そう言ってレジェを手放した。
「どうする気だ、その子?」
「とりあえずリビングのベットで寝かせる。師匠はどうせ俺の布団使ってるんだろ?」
「あー、あの人?勝利の部屋好き放題にしてたよ。」
「・・・またか、また掃除しなきゃな・・・」
師匠が部屋を使うと、なぜか一晩でゴミ屋敷と化す。
「そういえば誠治、なんでここにいるんだ?」
「ああ、今日は遅いから、泊めて貰うよ。」
「俺の寝床は?」
「無い」
正喝がキッパリと答えた。いつもなら、師匠が俺の部屋使うときは、正喝の部屋で寝てるのだが、今日そこに誠治が来るため、結果寝床はなくなる。
「・・・毛布と枕があれば大丈夫だ」
毛布と枕があれば大抵は寝れる。
「腹減ったな」
「残り物のカレーでいいか?」
「ああ、頼む・・」
黙々とテーブルでカレーを食ったが、いろいろとあって、味がイマイチ分からなかった。
「俺は寝る。」
「んじゃ、お休み~」
ハァ、何で俺がこんな事を・・やらなきゃ・・いけないんだ。
めんどくさがりのためあまり疲れそうなことは避けたかった。だが、何かが勝利を止めた。
いろいろと自分に問いかけてみた。
Q1 今何処にいる?
A1 リビング。
Q2 今何時ぐらいか?
A2 午後九時ぐらいか
Q3 今なにをしている
A4 ちょうどカレー食べ終わった。
Q5 リビングにはだれがいる?
A5 俺だけ(正確にいえばベットの少女も)
Q6・・・
寝てしまった様だ。
そしてまた日は上る。
今は午前5時日がまだ上がっていないが明るく、電気をつける必要はなかった。
勝利は溜め息をつきベットの近くまで行った。
「起きたらいないってゆうパターンはなしか」
よくアニメなどで起きたらいないパターンはよくあったが、お約束では無かった。
俺は彼女の顔を見た。彼女の寝顔は天使のように美しくまた、清らかであったが、俺はは軽くスルーし、いつも通りテレビのリモコンを取り電源ボタンを押した。
「あれ?つかない・・」
テレビ本体の電源ボタンを押してもつかなかった。
「故障か?」
そう思った矢先、「んん」とゆう声が聞こえた。
思わず彼女の方に向いた。彼女は目を覚ました。
「・・・あと5分・・・」
「え?」
再度少女は寝た。俺は悟った。この子は師匠と同じタイプということを。自由奔放。フリーダム。
(あと五分したら起こすか)
あしらいかたは知っていた。だいたいのことはやらせておくこと。わがままに付き合ってやればいい。
5分後・・・
「起きろ、5分たったぞ。」
「ん・あ・・あれ?私・・」
「だ・大丈夫か?」
「うん、大丈夫」
身を起こし、ソファに座る形になった。
「で、名前は?」
「名前?、・・・ごめん。思い出せないや。」
「記憶喪失ってやつか」
「そうなのかな?」
「それ以外になにがある?」
「・・無いね」
「無いよな・・・」
名前が分からないなら情報ゼロ。さっさとこの子の件を終わらして、二度寝したいのだが、そんな希望は砕かれる
ピンポーンピンポーンと玄関からチャイムが鳴り、反射的に玄関に向かった。
「はーい、どちら様?」
「すみません、こちらに桃花ちゃんが紛れ込んでいませんか」
玄関にいたのは、白いワンピース姿の女性だった。ストレートの黒い髪に黒い瞳。身長は俺よりやや高く、落ち着いた雰囲気を持つ人だった。
「もしかしてあの子のことか?」
「知ってるようですね、上がらせてもらいます。」
今情報がありそうなのこの人だしいいか。
そして・・・
「記憶喪失・・ですか?」
「ええ、名前・・・さっき桃花でいいんですかね?」
「ええ。あと申し遅れました。私は桃花ちゃんの姉の天本由佳里です」
「お姉ちゃん?」
「そう、あなたは桃花。そしてこの人が・・
「あ、自己紹介が遅れたな。俺は勝利、心勝利だ。」
「・・勝利さんですね」
「勝利君だね。・覚えたよ」
「でも、なんであんな場所に寝てたんだ?」
「寝てないもん、気絶してただけだもん。」
同じだろうとつっこむ気もなかった俺は天本さんの方に尋ねた。
「桃花ちゃんは家出したんですよ。」
「家出?」
「ええ、お父さんと少しケンカしてしまいましてね。」
「ケンカ?」
言われたことをそのまま返し尋ねる形になった。なんかこれ嫌な予感しかしないんだが・・・
そしてその予感は当たってしまった。
「あ~~おは・・・
扉を開け、入ってきたのはアホ師匠暫激煌だった。師匠は無言で俺の方に近づき、ソファから俺を壁に叩きつけた。
「がはぁ・・いきなり何を・・
「何をやってるんだ!!!!お前は!!!」
「何をって・・・
「女なんか作っているから、お前はいつまでたっても強くられねーんだよ!!!」
何を言ってるんだ?この人?あれのどこにそうゆうやりとりがあった?
「師匠、一つ勘違いしてますよ」
「何っ!!?
説明中・・・
「なんだ、そんなことなら早く言えっての」
俺に言わせる時間がどこにあった?そんなひとりツッコミをしている最中、さっきの怒鳴り声につられて正喝たちも起きた。
「あれ?心~まさかひとり足らず2人目まで連れ込むとはね~」
なんでお前まで話題を無理に広げるかな~。
「利、二股はいけない」
だからお前も広げるんだな。別に今いらんけど。
「どうしたの?何かあったの?」
ま、本人は分かってないしいいか。
「さて、『帰ります』と言いたいところですが、
「ですが?」
何か不吉な予感しかしなかった。実は犯罪者とか戦争中で帰る場所無いとか言われそうだった。
「家がここからとても遠く険しい道のり何ですよ。」
「・・・・・・」
何だ、そんな事か。ホッとしてため息を着いた。
「ですが・・・
「え?」
「あなた達も帰れませんよ」
何を言っているんだ?この人。ここは俺の家だぞ。他に帰る場所なんて・・・
「あ、正確にはあなた達の世界って意味です。」
「・・・は?」
「もしかして、パラレルワールドってやつ~?」
「平行世界?」
「何だぁ?じゃあここはどこだ?」「落ち着いて下さい。今は帰れないだけで、帰る方法はあります。」
「どうすればいいんだ?」
ナナシマに行きます。
「ナナシマ?」
「・・ええ、そこには時空を移動する神がいます」
「じゃあ俺たちがこの世界にいるのはその神のせい?」
「ええ」
ダメだ。話についていけない。いきなり異世界に連れてこられた。明らかにこの流れは・・・
「心~諦めてこの人の言うこと従った方がいいよ~」
「利、諦めろ」
なんでお前らは順応能力が高いんだ?
俺はため息をつき、仕方なく決意を固めた。
「分かりました、行けばいいんですね。」
「ええ、ナナシマの途中に私の家もあります。ひとまず、そこまで一緒に行きましょうか?」
「まあ、それで」
結局、俺の日々は異世界人に崩壊させられた。
「ナナシマに行くにはアクアマリンとルビーマリンの二つの宝石が必要です。その後で私の家に行きましょう」
「ふ~ん、そいや、名前聞いてなかったね。僕は八神誠治」
「本田正喝だ」
「天本由佳里です。どうぞよろしく」
「え・・と、桃花だよ。よろしく」
「・・・腹減った」
師匠がボソッと空気を読まず俺に語りかけてきた。
「わ、分かりましたよ。作ればいいんでしょう」
「朝食ですか?なら、私が作ります。」
「いいんですか?」
「ええ、これからお世話になるので、少しぐらいは」
「じゃあ、お言葉に甘えてお願いします」
30分後・・・
でできたのは野菜炒めと肉団子、普通のご飯と納豆。あと味噌汁だった。
「ここにあるものだとこの程度しか作れませんでしたが、大丈夫ですが?」
「あ、はい。大丈夫です」
なかなかのボリュームだった。普段はコンビニとかでテキトーに買ってくるから、汁物は久しぶりに食べる気がする。
「「いただきま~す」」
一同が一斉に食べ始め、あることに気づいた。
「白味噌?」
「ええ、そうですが何か問題でも?」
白味噌など買った覚えが無かったため、少し驚いた。
「ああ、白味噌は私の自前です」
まるで心が読まれてるんじゃないかと思った。
白味噌もたまには悪くは無いと思う。
約一時間で俺の生活はガラリと変わり、異世界人との第一回朝食回は終わった。