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ラグナルクの旅 一章 ナナシマ編  作者: 村田殿
かけらさがし編
18/49

センシン 三日目 少しだけ安心した

「こいつを使う!」

笛を吹き、辺りに煙が舞う。次第に煙は消え、フェンリルが遠吠えとともに、現れた。

「・・・ん?勝利のガキじゃねーか?なんだ?俺様を呼んで?」

「え?ああ、お前喋れたのか?」

「え?私には唸り声しか聞こえませんけど?」

「そうなのか?月村?」

「ええ、」

「俺様の声は呼び出した本人にしか聞こえないのさ」

「そうか・・フェンリル、桃花が誘拐されて大変なんだ。お前の助けがいる。」

「嫌だ・・・と言ったら?」

「その質問自体が意味無いな。自分のご主人の悲しい顔見たく無いだろ?」

「ふぅん、いいだろう。振り落とされんなよ!」

俺はフェンリルに乗る。

「月村!一応天本さんにこのことを伝えておいてくれ」

「わかりました。」

「さーて、行くぜ!」

まず、モールに出て、港の方面へ全力ダッシュ。俺は振り落とされないようしがみついているので精一杯だった。

「ちょ、フェンリル!どこ走ってるんだよ!?」

「ショートカットだ」

川の上を走っていた。水の中に落ちる前に次の足が出ていた。余りの速さに水が痛い。

「よっと」

やっと川を出たと思ったら、今度は跳躍。建物から建物に飛び移り、ほぼ一直線で港方面へ向かった。

「おっと、見えてきたぜ」

そう言ってスピードを落とす。橋の上だ。

約50mほど先に車が見える。それも一際目立つ車だ。色は黒でタイヤは10個ほどあり縦に長い。簡単に言えばリムジンだ。

「あれか?」

「そうだぜ、で、どうするよ」

「とりあえず動きを止めるぞ。真横に移動してくれ」

「了解だぜ」

フェンリルがさらにスピードをあげ、車の横に着く。

「この距離なら外さない!」

右側の後ろのタイヤを撃ち抜き、バランスを崩す。車は橋から落ちそうになったものの、ギリギリ落ちなかった。中から銃を持った黒ずくめの人が出てきた。

「フェンリル!ここは頼む」

「しょうがねえなぁ」

俺は一気に包囲をつっきり、桃花を探した。

しかし、車の中にはいなかった。

「!まさか!」

俺は橋の先をみる。桃花を連れて逃げようとしている奴がいた。

「あいつが!」

全力で追う。人一人抱えてる状態じゃあ、そう動けまい。

だが、奴は俺の想像を超えた動きをした。

橋から飛び降りたのだ。

「逃がさねえよ!」

反射的に俺も誘拐犯を追うため飛び降りた。

幸い、下は川だ。思いっきり突っ込んでも問題はない。

「邪魔だ!」

思いっきり殴り川に叩きつけた。衝撃で桃花が犯人の手から離れる。

「桃花!」

水の中で身動きが取りにくい。桃花は眠らされていて身動きが取れない。その前に俺の息がづづくかどうか・・・

死に物狂いで川から上がった

「たぁ、ハアァハアハァ」

ゆっくり息を整える。

「桃花、目覚ませ。」

桃花の身体を揺らす。

「ん?・・・あれ?おはよう」

「おはよう・・・じゃないけどな。」

「へ?」

「お前は誘拐されてたんだよ。あの黒ずくめの奴らにな」

「ええーええ!?」

「まあ、無事で良かったよ」

「あ、・・・うん」

なぜか頬を赤く染める。あ、そういや濡れて・・・

ギュ・・・

「わっ?」

桃花を抱きしめる。

やらしい理由とかじゃない。冷えてるだろうから温めてやっているだけだ。

「じっとしてろそのままじゃあ僕風邪引くぞ?」

「あ、うん」

そういえば上が騒がしいな?なんだ?

上を見上げるとパトカーの音と共に月村達が来た。

「おーい、心〜?無事〜?」

「利なら問題はないないだろう。これぐらい。」

「ふぅ、一時はどうなるかと思いましたよ。」

よく聞き取れないが、心配されていることはわかる。

「なんとか間に合ったみたいですか」

「ああ、ありがと」

月村が飛び降り・・・なんてしないで普通に来た。

「そういえば桃花さんは?」

「え?あ、寝てる・・・」

「疲れますよね。あれだけのことがあれば」

「ああ、俺も・・・眠い。さっさと帰って寝たい」

「そうですか。では警察の話は私からしておきますよ。」

「頼む」

そのあと月村は警察に話をいろいろと聞かされて、俺達は家に帰った。

後から聞いた話だが、奴らは金目当てで誘拐したわけではなく桃花だけを狙っていたらしい。

桃花は一つだけ何かを隠している。

それがなんなのか、記憶喪失しているじゃあ分からない。

天本さんにでも聞いてみよう。




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