センシン 三日目 2桃花と行く場合
ルートに分かれている。
「桃花、いっしょに行くか?」
「そうだね、勝利君となら私も安心だね」
「・・・では楽しんでください。」
月村が行った。
最初に行ったのは服屋だ。
「かわいいー!」
「でもぶかぶかだな」
「うーでもこれしかサイズが・・・
正直いずらい。なぜ俺がここにいるのか嫌な意味で見られてる。
「ねーねー、どっちが似合うかな?」
「えーとじゃあ右で。」
「テキトーだね!」
なぜか驚いた。そして早速試着室に行って着替え終わった。
「どう?似合う?」
「ああ、まあ似合ってるよ」
薄手のシャツに藍色のカーディガン、黒いスカートで始めてあった時のバージョン違いみたいな格好だ。
正直、何着ても似合う気がする。
俺は飾らない方なので実用性重視だ。
結局、上下二着買った。
「あ、心さん、奇遇ですね。ちょうど探していました」
「月村?」
「これをプレゼントしておきたくて」
それは黒いマフラーだった。
「ああ、ありがと
プルルルル、プルルルル、
「また電話?・・天本さんからだ」
電話に出ると天本さんはまた冗談を言った。
「どうも、あなたの名前を知っているようで知らないものです。」
「天本さん、あの・・
「天本?いえ、違いますよ。あなたの・・・
「あーもういいです。自己紹介とかどうでもいいんで、要件だけお願いします。」
「ふふ、やはりかなわないですね。要件は一つ桃花ちゃんと月村さんのケータイを買っておいてください」
「メーカーは?」
「EU・・・ではなくてauでお願いします。私もそれですから」
「了解」ピッ
「お姉ちゃんからなんかあったの?」
桃花が問いかけてくる。
「ああ、なんか二人のケータイ買っておいてだとさ」
「ケータイ?何それ美味しいの?」
「え?いや食べ物じゃないから。電話とかする奴だよ。」
「ああ、あれか〜」
本当に分かっているのか?そんな疑問も残りながらも、買った。
桃花のは俺の物の二世代上のものだ。
月村はシンプルなデザインのものだ。
色はそれぞれ白と黒になっている。
・・・月村は黒にこだわりでもあるのだろうか。
「あ、ちょっとトイレ寄るね」
桃花が行く。だがこれがあんな事になるとは思わなかった。
十分経っても桃花は出てこなかった。
「遅いな、何かあったのか?」
プルルルルとまた鳴る。それは俺のケータイだ。
番号を見て桃花のものだと分かった。
「もしもし、桃花、今どこに・・・
「・・・・・」
「桃花?」
「クックック」
「!お前桃花じゃないな!誰だ!」
電話に出たのは桃花の声とは似つかない低い声だった。
「お前のお姫様は頂いた。返して欲しければせいぜい空港でも探すんだな。」
「なっ!
ツーツーツー
そこで電話は切れた。
「心さん?いったい、
「月村、よく聞け、桃花が何者かに誘拐された。
「なんですって!?」
「空港でも探せ・・・か
「いえ、犯人はおそらく飛行機は使わないでしょう」
「なんで?
「わざわざ居場所を教える人がいますか?
「じゃあいったいどこに・・・
無意識に右のポケットに手を入れる。
「あ、これは・・・
正喝から貰った笛だ。確か、足に困ったら使えって言われてたな。
「どうなるかわかんねーがやるしかない!
笛を吹いた。