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ラグナルクの旅 一章 ナナシマ編  作者: 村田殿
かけらさがし編
15/49

センシン 三日目 1月村と行く場合

ルートに分かれている。


「月村、俺もいっしょでいいか?」

「いいんですか?私なんかで?」

「いいよ、桃花もたまには一人で羽伸ばしたい時もあるだろうし」

「・・・それもそうですね。」

「じゃあ私はいろいろと見てくるね。」

桃花が行った。

「さて、俺たちも行くか」

「はい」

月村に行くところは任せていた。最初に寄ったのは服屋。月村は普段着飾らないのだが、たまにはこうするのも悪くない。

「心さん、こんなものはいかがでしょう?」

渡されたのは黒いマフラーだった。

「こんな時期にマフラー?まだ寒くはねーぞ」

今は9月だ。確かに売っている店はあるだろうが、買うにはまだ早い気もする。

「時期とかではなくて、心さんに似合うと思いましたから」

「ん〜そうか、んじゃあ買っとくか」

千円程度のごく普通のマフラーだが、こいつは大事にしておこう。

プルルルル、プルルルル、

「また電話?・・天本さんからだ」

電話に出ると天本さんはまた冗談を言った。

「どうも、あなたの名前を知っているようで知らないものです。」

「天本さん、あの・・

「天本?いえ、違いますよ。あなたの・・・

「あーもういいです。自己紹介とかどうでもいいんで、要件だけお願いします。」

「ふふ、やはりかなわないですね。要件は一つ桃花ちゃんと月村さんのケータイを買っておいてください」

「メーカーは?」

「EU・・・ではなくてauでお願いします。私もそれですから」

「了解」ピッ

「優佳里さんから何か?」

月村が問いかけてくる。

「ああ、なんか二人のケータイ買っておいてだとさ」

「ケータイ?ああ、あの通信機器ですか」

「そうだけど?なんか古い言い回しだな」

「はあ、すいません」

「まあいいや、桃花を探すぞ」

「はい」

「あ、いたー!」

背後から聞き覚えのある声がする。桃花だ。

「ああ、桃花、ちょうどいい時に来たな。ちよっと付き合ってもらうぞ。」

「ん〜?」

「ケータイ買えと天本さんがね」

「ケータイ?何それ美味しいの?」

「え?いや食べ物じゃないから。電話とかする奴だよ。」

「ああ、あれか〜」

本当に分かっているのか?そんな疑問も残りながらも、買った。

桃花のは俺の物の二世代上のものだ。

月村はシンプルなデザインのものだ。

色はそれぞれ白と黒になっている。

・・・月村は黒にこだわりでもあるのだろうか。


「あ、ちょっとトイレ寄るね」

桃花が行く。だがこれがあんな事になるとは思わなかった。

十分経っても桃花は出てこなかった。

「遅いな、何かあったのか?」

プルルルルとまた鳴る。それは俺のケータイだ。

番号を見て桃花のものだと分かった。

「もしもし、桃花、今どこに・・・

「・・・・・」

「桃花?」

「クックック」

「!お前桃花じゃないな!誰だ!」

電話に出たのは桃花の声とは似つかない低い声だった。

「お前のお姫様は頂いた。返して欲しければせいぜい空港でも探すんだな。」

「なっ!

ツーツーツー

そこで電話は切れた。

「心さん?いったい、

「月村、よく聞け、桃花が何者かに誘拐された。

「なんですって!?」

「空港でも探せ・・・か

「いえ、犯人はおそらく飛行機は使わないでしょう」

「なんで?

「わざわざ居場所を教える人がいますか?

「じゃあいったいどこに・・・

無意識に右のポケットに手を入れる。

「あ、これは・・・

正喝から貰った笛だ。確か、足に困ったら使えって言われてたな。

「どうなるかわかんねーがやるしかない!

笛を吹いた。


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