第5話
私…やっぱり、真人が好き…。
誰にも渡したくない…。
私と真人の頭の中から、私達が兄弟だとゆう記憶が無くなればいいのに…。
そしたら、こんなに苦しくないもの…。
「…すき…。」
真人に、聞き取れないくらい小さい声で、真人に言えない…言ってはいけない言葉を言ってみる……。
「え?」
聞き取れないくらいの小さい声を…真人は聞き取っていた…。
「………。」
私は、黙るしかなかった……。
ごまかそうとすれば、できた言葉…。
だけど…ごまかすのを私の気持ちが止めた…。
受け止めてほしいこの気持ち……。知ってもらいたい。
姉としてじゃなく女として見てほしい……。
「祐子姉……?」
真人は、あきらかに、戸惑ってる。…当たり前か…。実の姉に
「すき」
と言われて戸惑わないわけない…。禁断の言葉…。
叶わない恋…。
手に入らない愛…。
…どうして他人に産まれられなかったんだろう…。
誰よりも愛しているし…なにもかも分かってあげられるのに……。
家に帰ってからも、真人は、私と話しをしようとは、しなかった…。
真人を勝る人が現れれば…私は、その人を好きになれる?
色々な思いが、私の心の中を駆け巡り…気がつけば、目から、涙が、溢れていた…。
コンコン
誰かが、ドアを叩く…。
「祐子姉?入るよ?」
私は、泣き顔を見られなくなかったから、返事しなかった。
カチャ…。
返事をしてないのに、真人は、入ってくる…。
「祐子姉?…寝てるの…?」
泣き顔を隠す為、寝たふりをする。ギシッ
真人は、ベットの端に座り話かけてくる…。
「さっきは…ゴメン…。無視してた訳じゃないんだ…。…ただ…ビックリしたんだ。」
私の返事を待ってるのか、少し沈黙する…。
そして、また話だす。
「祐子姉の気持ち…嬉しかった…。俺も…祐子姉の事…好きだよ…。」
その言葉を聞いて起き上がり、泣きながら、真人に言葉をかける。
「ありがと……真人。…でも…真人が言う…好きは……姉としてでしょ?」
真人の思いやりで言った言葉は、更に私を苦しめる。…そんな言葉を言ってほしいわけじゃない……。
胸が苦しい……。
「…ゴメン…。……でも…兄弟だし…やっぱ姉として大好きだ……。」
謝らないで!
もう……何も言わないで……!
「それだけは、伝えたかったから…。おやすみ…。」…消えてしまいたい…。
もう…何も考えたくない…。
……想う事さえ…許されないの…?楽に…なりたい……。
死にたい……。
死んだら楽になるかな?
「真人?さっきはゴメンね…。少しだけでいいの…。傍で寝かせて。」
戸惑いながらも隣で寝かせてくれる真人…。
「おやすみ。真人…。」
この時、真人は、まだ知らない。
「おやすみ。祐子姉。」
真人の部屋へ向かいながら、私が、致死量の睡眠薬を飲んだ事を……。叶わない恋……。報われる事のない愛…。
想う事さえ許されなかった…私の気持ち……。
私の行き場のない想いは……。
私と共に消え去る……。
大好きな人の隣で死にたかった…。私の勝手なワガママだけど…。
最後だけは、今まで押し殺してきた想いを願いを…叶える事ができた…。
…さよなら…。
あなたの温もりを感じながら……。…最後は…あなたへの叶わない恋に苦しまずに死ねます。
死んでも忘れないでね?
あなたを愛せて……あなたを好きになれて…私は、幸せでした……。