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3. 精霊の星祭り――辺境が示した“受容”の証
ローゼンベルク領に伝わる星祭りは、娯楽ではない。
領民が精霊へ感謝を捧げ、領主がまた「共に在る」と示す夜である。
要塞の門が開くのは、本来、脅威から逃げ込む時だ。
だがこの夜だけは違う。
恐怖のためではなく、平和のために開かれる。
純白の衣が広場を埋め尽くすのは、誠実さの誇りであり、祈りの形である。
この夜、領地に特筆すべき現象が記録された。
当主と聖女が手を取り合った瞬間、夜空より多色の光粒が降り注いだ。
赤、青、緑、金――色は散り、数は尽きず、雪ではなく、火でもなく、害を伴わない光として領地全土へ広がった。
同時に、当主の視界において、精霊の気配が明確な“像”として結ばれたことが報告されている。
これは聖女の力による補助を介し、当主の魔力が安定した巡りへ移行した徴と見做される。
この夜を境に、領民の間で「不毛」とされた辺境の印象は大きく改まった。
恐れは薄れ、祈りは増え、土地は再び“生きるもの”として語られるようになった。
以後、当主の力は呪いではなく、守護として受け止められていく。
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