3.家族と親友
ユニークアクセス数500突破!!
ありがとうございます!!!!
説明を聞き終えて、俺は頭の中を整理しながら訊いた。
「クシラにいる俺の家族やタクは、俺が急にいなくなってどうしてるかわかるか?」
これは、冷静に物事を考えてから一番気になったことだった。
ここに出てきたタクって名前は俺の唯一の友人であり親友の河内 拓夢である。
俺は、クシラで、……まあ、悲しい話だが、友人というものは一人しかいなかった。
原因は完全に俺で、小学校のころから、いつも前髪でほとんど顔を隠して学校の教室でも一人でひたすら読書にふけって友人を作る気はまったくなかったからだ。
はたから見たら、ものすごく暗い奴に見えたことだろう。そんな俺に声をかけてきた唯一の奴である。
小学5年の春に、クラス替えで同じクラスになり、何を思ったか、俺に話かけてきて腐れ縁とでもいうのか、中学高校も同じになり、俺の唯一の友人となった人物である。
そいつと、家族が俺が急にいなくなってどうしてるのか、気になっていたのである。
物思いにふけっていた俺は琳希の声に現実に引き戻された。
「河内拓夢は君のことをすごく心配していたようだ。
君の家族は君がいた時と何も変わっていないようだが、君の家族は薄情者なのか?」
「琳希はしらないのか?」
「この情報はクシラの神経由だからね。君の家族のことまで私はわからないよ」
神様にも知らないことはあるらしい。
「別に家族仲が悪いわけじゃないぞ。俺の家の家族は変わり者ばっかりなんだよ。
だって、前に姉貴が10日家に帰ってこなくても何も言わねーんだぞ」
たしか、俺が中学に入ってすぐのことだった。
5歳上の姉貴がいきなり行方をくらました。父さんや母さんが「そのうち帰ってくる」って言うもんだから俺はそうなのか、と思いながら日々を過ごしていたら10日後に帰ってきて、第一声が、
「山籠りしてた!!」
だった。
そのあともたびたび、姉貴は行方をくらまし、暇なときは俺もついて行ったりしてたもんだから、親は多分気にして無いだろうことも想像がつく。姉貴にいたっては「とうとうセイも一人で行くようになったかあ」とでもいってそうだ。
タクには行方をくらます前はちゃんといつも連絡入れてるから今回は心配しているだろうなあ。
そのことを話すと琳希はポカン、とした顔をした。おお、神様のこんな顔見た奴とか俺が初めてじゃね?
「君の家族は自由すぎないか……」
「そうかぁ?」
俺が疑問符を浮かべるとため息をつかれた。失礼なやつだな。
そんなことより、俺は琳希に頼みたいことがあった。
「なあ、俺はクシラにいけないのか? せめて、タクには事情を説明したいんだが。ってか、もう俺、二度と家族やタクに会えないのか?」
「すまないが、君はもうクシラには戻れない。……だが、手紙ぐらいなら私経由で渡すことができるが、書くか?」
家族やタクに会えないのはつらいが、手紙を渡せるのはねがってもないことだった。
「もちろん、書かせてもらう。つってもこの身体の状態じゃ当分無理だけどな」
現在の俺は身体を動かすことすらままならない健康状態だ。手紙を書くのは当分先のなりそうだった。
「そうか。それなら君が起き上がれるようになったらまた来よう」
「おう。よろしく頼む」
そう言った時には神の姿はどこにもなく、換えの服を持ったカンナが俺の部屋に入ってくるところだった。
あれ?もしかして短い?
すいません!!けど、ここが一番キリがいいんです。
ちなみに、聖夏は4人家族で両親と姉1人です。
姉だけ名前が決まってて『秋葉』です。
この家族と親友の番外編を余裕があれば書くつもりです。