スノーダリア
セレイアで補給隊と合流し、十分な物資を確保した上でセレイアを出発した。…あの戦いの後、森の中で盗賊団全員の無残な死体と、丁重に整えられた…連れ去られた娘達の遺体が発見されたとの事だった。…決してハッピーエンドでは無かったが、村人からは最大限の感謝をもって見送られた。
二日掛けてセレイアから次の町、スノーダリアを目指していた。
斎城が、これまた自衛隊から貸与された純白の10式雪上車を操縦していた。雪道を馬に乗った騎士達の為に雪原をラッセルして雪道を作り、時速40キロ程度で銀世界を進んでいた。
「…後味はほろ苦かったが、取り合えず一つクリアだな」
「…そうだね。…でも、誰が森の中の盗賊団を?」
「…さぁ…獣かモンスターにでも襲われたんだろうな、きっと」
「…大隊規模の元兵士が全員、相手の死骸も無しに?
「不思議な事もあるもんだなぁ。…斎城は心霊とかオカルト番組とかよく見るか?」
「え?あー…やっていればまぁ、見るかな…? …だけど、最近は下火だから」
「だよな。まぁ、アレに良く出て来る宇宙人やビッグフットとか、チュパカブラみたいなもんだろう。気にするな」
「…チュパカブラは皮膚病に掛かったコヨーテだと思うけど」
「よく知ってるなー、やっぱ好きなんだなぁ?…さては小さい頃は親御さんや爺ちゃん婆ちゃん付き合わせて、怖いながらも興味津々で見ていたクチだな?」
「…」
「えぇい、さっきから訳の分からぬ話をするな、私にもわかるような話をしろ!」
予備の洋服に着替えたマオが後ろから声を上げた。
「あの…実は私もああいうの見てました」
…珍しく、香山まで無駄口に乗ってきた。
「…あの家でか?…こう言っちゃなんだが、雰囲気あっただろうなぁ。多分、大人になった今、同じ事やっても結構怖いと思うぜ?例えば見た後にあの二階の部屋に行くときとか…」
無駄口を叩きながらも大淵は後部の窓から覗いて隊全体の状況把握もしていた。最後尾には尾倉が高機動車を馬の行軍速度に合わせて追随している。
今の所、大隊を襲ってくる敵の気配はない。雪原には自分たち以外の足跡は無く、淡雪の舞い降りる曇り空ではあるものの、穏やかな冷気に包まれた銀世界と、思い出したように小規模な樹林帯が広がるだけだ。
「そうそう!私も昔はそれでお爺ちゃんとお婆ちゃんの間に入って寝てばかりで…」
「へぇ、楽しそうね。…ところであの家ってどの家?…話しぶりからすると香山さんのお家っぽいけど、香山さんのマンションじゃなさそうね?」
…操縦席の斎城がニッコリと笑いかけて来る。 …ビッグフットや宇宙人より、斎城の方が怖い。
「…あー、それはだな…」
「ナンデスか斎城、知らなかったんデスか?年末に大淵は香山の田舎の家に転がり込んで二人っきりで…」
「アリッサ、ややこしくなるからお前は喋るな!ただの整理の手伝いだ、何も疚しい事は無い!
なぁ、桜!?」
「は…は、はいッ!?」
「…へーえ?いいなぁ…あ、じゃあ私がお願いしても当然、来てくれるんだよね?」
「…はい、勿論」
「アリッサの家はバージニアデスケド、当然来てくれマスよねー?」
「…遠いわッ!」
「…所でアリッサよ、こ奴ら本当に疚しい事は無いのか?私にはそうは思えんが…ん?ダイス、今のイメージは何だ!?ええい、隠し立てするな!」
『…そろそろスノーダリアの町に到着する。警戒しろ』
盗聴でもしていたのか、と言いたくなる程完璧なタイミングで、完璧な援護を尾倉がしてくれた。
「あ、ああ。そうだな!」
と、尾倉に感謝しつつ通信を返した。
「そうだ、無駄口終わりっ」
「また後で、ゆっくりと、ね♪」
「…後で聞かせてもらうからな…」
後ろでガルルと唸るマオが戦闘服越しに爪を立てた。
(…くそー、ベラベラと迂闊だったぜ…)
灰色の空の下、スノーダリアの町に到着した。なだらかな山の麓にあり、やはりこちらも雪と針葉樹の森に囲まれていた。この町には石積みの高さ4メートルほどの防壁があり、幾つかの監視塔が見えた。…盗賊対策だろうか。あんな小さなセレイアの村にすら、盗賊が2000も大挙してきたのだ。この町であればもっと大勢の兵崩れの盗賊が押し寄せて来そうなものだが…
ともかく、このままぞろぞろと押し掛ければ盗賊だと思われて撃たれ兼ねない。全隊に停止命令を出し、大淵は雪上車を降り、一人で正門の前へと進んだ。
「そこで停まれ!」
「盗賊では無い!ブレメルーダ王の命でシバ領民のための治安維持を命じられた。各地で敗残兵が略奪を働いていると。後ろにいる騎士達は紫心騎士団の女性騎士達だ、心配ない」
「パープルハートって…実在したのか…」
監視塔の兵はまだ十代の少年だった。
「…見ての通り、見目麗しい可憐な乙女達だが、滅法強いぞ。セレイアでは2000の元シバ兵の盗賊を、たった500の一個大隊で死者0のまま全て返り討ちにした」
…500前後はフローズィアの手柄だが、少女達は自分の期待以上に強くなってくれていた。…最早可愛いだけじゃない、自慢の後輩達だ。
「…わかった。最近、近隣の村でも盗賊の被害が増えているらしくてな。…加えて、サダル遺跡の封印が解けたらしいとかで、町の守備隊長と町長の間でもすごく揉めているんだ」
「どんな風に揉めてるんデスかぁ?」
屈託のないアリッサの笑顔で、…絶妙なラインを素朴に質問され…若い兵は鼻を掻きながら答えた。
…流石、情報収集のプロである。歳は圧倒的にアリッサの方が上だろうが、童顔に加えて無邪気な笑顔を常に浮かべている為、同年代のような親しみやすさと安心感もあるのだろう。
「…遺跡を完全に封鎖しちまおうってさ。この遺跡はカーバが拵えたものじゃ無くて、それが問題らしい。 …何が問題なのかは分からないけど、とにかく、中身を持ち出して町の為に有効活用しようという町長と、コレはもう厳重に封印しようという隊長とで意見が二分してるんだ」
「面白い話をアリガト!」
大淵が手招きし、騎士団が町に入った。
「…さて、クロエ。まずは町長にご挨拶と町の使用許可を頂きに行こうか」
「は、はい!」
大淵は町の様子をざっと見回した。 …身なりのきちんとした兵士が数人見える。シバ軍ではなく、町独自の治安維持組織…自警団という奴か。
地元の兵…自警団員に話しかけると、すぐに町長のいる町役場へと案内してくれた。
「…考え直してください、あの遺跡は危険すぎます。即刻封じるべきです。…確かにこの村が発展してこれた事実と、私達自警団がその恩恵にあやかってきた事実は認めますとも!…しかし、事が起こってからでは…」
自警団員が咳ばらいをして、町長室のドアをノックした。
「…どなたかな?」
「ツラーク町長、ブレメルーダからの治安維持大隊の代表がお見えです」
「ブレメルーダの…!」
町長が居住まいを正した。
皴が深く刻み込まれた、6、70代の気性の激しそうな赤ら顔に、大きな丸眼鏡をかけている。…丸眼鏡の奥にはどこか警戒心を秘めた計算高い光がちらついていた。
部屋の奥に下がった自警団の団長と思しい男は、休めの姿勢を取りつつも自分達の挙動にそれとなく注意を払っていた。
…国の戦争としての勝者敗者、市町村視点での勝者敗者の立場は微妙だろう。…自分とて本来は戦争経験者では無い。平和な日本では例えようもないが…
…例えば昔、自分に凄惨なトラウマを植え付けたいじめっ子の子供が若手ビジネスマンとなって、自分の所属する会社に有益な取引を持ち掛けてきたとしよう。
個人としての心理・公人としての心理、 相手が元凶では無いのだからという心と「親御さんが昔、自分に何をしてくれたか教えてやりたい」という親切心。
それでも会社として利益になるなら、と言う公心と「最高の形で復讐を送ってやりたい」という私情。
…そんな、「複雑」としか言い表し様がない世界もある。…余計な事は口に出さない方が吉だろう。
「ブレメルーダ王国軍・紫心騎士団団長のクロエ・スノー・グラスランドであります。…今回、敗兵による治安悪化を抑止するため、ブレメルーダ国王・リノーシュの命によって参りました。…実は、町の一角を大隊500人の野営地としてお借りしたいのですが…」
…ぶっちゃけ、いざとなればフローズィアに貰った翡翠の魔法石…「ワープジュエル」によって、この問題も解決できる。
…現代日本に帰還し、適当な宿泊施設を借り受けて、騎士団の少女…500名を泊まらせればよいだけだ。何も個室を500取る訳では無い。50名くらいなら、冷暖房完備の拠点の座敷と空き部屋に十分収容可能だ。
だが、この世界の戦場と平和な日本とを行き来する事は、その極端な温度差から士気低下と無用な混乱を招きかねないし、星村が言った忠告の事もある。…あくまで非常手段として留意しておくに越したことは無い。
「…えぇ、勿論ですとも!スノーダリアは皆さんを歓迎しますよ!…一筆認めるので、少々お待ちください。…これを。町の南側に宿屋がありますので、50名ほどはそちらでお休み頂けるでしょう。…本来ならば治安の為に来て下さった皆様を町を挙げ、盛大に歓待すべき所ですが、件の盗賊に加え、問題を抱えておりまして、これが精一杯のもてなしとなります」
団長が眉を顰めて町長を睨んだ。
「…例の遺跡ですか?これまでに自分達はカーバの謂れがある遺跡を二つ、攻略してきましたが、この近くにある遺跡は違うとか?」
今度は団長が大淵を凝視した。
町長は目を剥きながらも、渡りに船とばかりに喜色を露わにした。
「カーバの遺跡を攻略…!?それは凄い!さぞかし勇名を馳せる騎士様とお見受けしますが、それならこの遺跡の問題も解決して頂けること間違いなし!…なぁに、カーバの遺跡と言えば恐ろしい存在が封印されていると聞きますが、この遺跡はもっと単純なものです。皆様からすれば雑魚モンスターしかおりません。 …そこで皆様に…」
「町長…!」
見かねたように団長が鋭く遮った。
「…何かな、自警団長?」
町長は穏やかな声で団長を振り返った。
…大淵とクロエの方からは死角となっているが、町長と団長とで険しく睨み合っているのが容易に想像できた。
大淵は溜息を吐きながらクロエを見た。クロエも(お任せします)と視線を返して頷いてきた。
「…見事な演技ですが町長、隠している事があるのなら全て包み隠さず話してください。…それを聞いた上で可能なようであれば、こちらで判断しますから」
「それでは…」
「いや、私から話そう。…自警団を預かるシュミットです。…遺跡は一ヶ月前に偶然発見されたものでしてね」
炭鉱とを繋ぐルート上での雪崩の被害を確認するために向かった所、土砂も崩れており、土の中に埋まっていた遺跡が現れたのだという。
大賢者カーバが危険な魔物と宝物を封印する為に超常的な力で建造した遺跡には決定的な特徴があった。…それは、遺跡を見つけさえすれば誰しもが遺跡内に立ち入る事ができ、なおかつ常に開放されている出入り口から、中のモンスターは決して外に出て来れない、という事だ。
…かつて聞いた、クリフェの話からも整合性が取れる。
(…そう言えばフローズィアを収納で連れ出しちまったが、良いんだろうか…? …まぁいいか…)
どうせ、奴に関しては大賢者カーバも、凶悪だからと言うよりは(ウザイから)という意味合いで封印したのだろう、多分。
「…しかしその遺跡は固く閉じられていた。…だから我々もこれをどうするかと対処を揉めている内に…三日前、突然その封印…分厚い岩壁が粉々に打ち砕かれていました。…勿論、町の者ではありません。盗掘者か、或いは…」
…大体察しは付く。
「…わかりました。どの道封鎖するにせよ、内部の状況を確認しておいた方がいいでしょう。…万一、中に人間が居たらと思うと気持ちが悪いですしね」
ガッチリ封印した後になってから中に取り残された人間を実況付きライブ中継する…そんな悪趣味な事でも、あの銀ピカ頭なら嬉々としてやるだろう。
「任せて下さい。あくまで捜索ですから。…ご協力いただいたお礼としても、ついでに町の為に役立ちそうな物があれば、持ち帰って来ますよ」
町長の意を察して殊更安心させるように言うと、満面の笑みを隠そうともせずに頷いている。
「…今の所、遺跡には可能な限りの防壁と自警団の兵を見張りに付けています。…何かあればすぐにお伝えするので、せめて今日はゆっくり休まれてから明日、向かわれては?」
「お言葉に甘えて、そうさせて頂こう。 …実は武器を新調したいのだが、武器屋などはありますか?」
「ああ、それなら中心部に店がある。出入口の上にでかでかと剣と盾の看板が掛かっているから、すぐに分かりますよ」
「ありがとう」
斎城と香山がフローズィア戦で、長らく愛用していた武器を損失していた。…完璧な代替品は望めないが、とにかく間に合わせてもらうしかない。
「OKだ。全員、町の大広場に野営地を設営してくれ。…桜、日菜子。ショッピングに行こうぜ」
言葉の意味を当然の如く理解し、香山と斎城が立ちあがった。
…当然の如くマオも付いてくる。
「イッテラッシャーイ♪」
アリッサは雪上車を操縦し、町中に乗り入れにかかっていた。
「…警戒と夕食を用意しておく」
尾倉も端的に告げると、高機動車で騎士と馬達を誘導していった。
「頼む。例の如く俺達は宿の方へ」
武器屋を探しながら町の様相を窺った。
…スノーダリアは比較的潤った町だと言えた。町を歩く人々の顔色を見れば一目瞭然だ。
食料品店も賑わっている。さすがに保存食や乾燥野菜が目立つが、食料事情も悪くないらしい。
町長室前で漏れ聞こえてきた声にあったように、あの町長がこの町を潤わせてきたことは間違いなさそうだ。…自警団のおかげもあるのか、治安も問題なさそうだ。
やがて、町長に言われた通り剣と盾の看板が掛けられた店先が見えてきた。
「いらっしゃい…おや、旅の方が来られるとは珍しい」
品の良い初老の店主がカウンターの向こうで顔を上げた。
「どうも。…という事は、普段は自警団相手に商売を?」
店主は苦笑いをしながら頷いた。
「はい。ですから、ここにあるのはほとんどが大量生産された武器の在庫ですよ。…ああ、そちらのショーケースに飾られているのは、若い連中が給料を貯めて自慢のタネにと買っていくような、まぁまぁ値が張る商品がありますが」
「見せてもらっても?」
「勿論ですよ!」
店主がショーケースに歩み寄り、腰に掛けていた鍵束の一つを使ってケースを慎重に開けた。そして大淵達に場所を譲った。
「刀や薙刀は流石に無いが、代わりのアクセサリーをどうぞ」
大淵はそう軽口を叩いて下がった。ついてきたマオは退屈そうに店の中を見回している。
「ありがと」
斎城はウエストポーチから刀の血糊拭きや手入れに使っている懐紙を取り出すと、それで直接手に触れないよう、丁寧に商品のバスタードソードを握ったり構えたりして検め始めた。
香山もそれに倣ってディスポ手袋をはめると、短槍とハルバードを比べ始めた。
「…勇ましいご婦人方ですな」
「百戦練磨、一騎当千の古強者ですよ」
結局、斎城は高級感あるバスタードソードと予備の両手式サーベルの二振りを、香山は短槍と予備のハルバードを購入した。
宿に戻ると、暖炉の前でアリッサと尾倉、リザベル、クロエがコーヒーや紅茶を片手に寛いでいた。
「オカエリ~」
アリッサは最も暖炉の近い場所のシングルソファに陣取り、長い脚をピンと伸ばしたり曲げたりして寛いでいた。
「…夕食はできている。…食堂が狭かったので俺達は先に済ませた」
「サンキュー。食べ終えたらこっちで打ち合わせしよう」
…アリッサマッシュルームとアカリダケ入りのチキンシチューを平らげ、暖炉の前でコーヒーを受け取りながら会議を始めた。
「…アカリダケはエリンギみたいな感じだったが、アリッサマッシュルームってのはなんか癖のある食感だったな。美味かったけど」
「…てのはって、大淵が名付けたんデショーがっ!?」
「そういやそうだったな。 …さて、明日、またもダンジョンの探索を行う。今回は何もボスを倒してお宝を、って訳でも無い。遺跡内に人が紛れ込んでいないか捜索し、ついでに一宿の礼としてお宝を見つけたら回収するだけだ。…町長の話としてはボスはいないと言っていたが、本人が見てきた訳でもなかろうし、まぁ信用しない方がいいだろう」
「…出撃要員は?」
「今回は前と違ってどうしてもやらなきゃならんミッションじゃない。…いざとなれば逃げて帰ってくる。俺、香山、斎城で充分だろう」
…嫌な予感があった。ダンジョンも危険だが、あの銀ピカは俺を怒らせるために仲間を危機に晒させようとする。ダンジョン内で自分の力で確実に守れるのは、せいぜい二人までだ。
「引き続き尾倉はここで連絡要員を頼む。騎士団から通信役を一人見込んで手伝いを…」
「私は行くからな」
マオが憮然としながら言った。
「で、では私も…」
「認めん。リザベル、ここを守るよう命ずる」
「はっ…」
「どっちもダメだ。今回は留守番してろ、マオ」
「嫌だっ」
腕組みをして三人掛けソファの中央座り込み、プイと顔を背けた。
…意固地モード全開だ…こうなってはもう、口で言っても仕方ない。
(…伝えた時間より早く出て撒くか…)
思考を隠しながら手筈を考えた。
「…わかった。後は全員留守番を…」
「だ、ダイス殿、私では力不足と仰るのですか!?」
クロエが戦力外通告でもされたかのような絶望した面持ちで大淵を見上げていた。
「…そうじゃない、お前は前回、よくやったよ。ここで部下達を見てやれ。メノムもまだ…」
「だ、ダイス先生!メノムはもう大丈夫です!お供させてください!」
物陰で話を盗み聞きしていたのか、メノムを筆頭に三人娘が飛び出して来た。
「あ、あなた達…」
クロエが咎めるように三人を睨んだが、メノムは引かなかった。
「前回の屈辱を晴らしたいんです! この通り、お願いいたします…!」
メノムは片膝をついて頭を垂れた。
「…桜、手の状態を診断してくれ」
「…はい」
香山がメノムの手を念入りに調べ、時折本人に質問しながら指示をして手を動かさせて様子を確かめた。
「問題無しです」
「…お前だけ卒業試験受けられなかったしな。…良いだろう、メノムのみ参加を許可する。他二人は既に合格済みだから、ここで友の無事を祈ってやれ」
「アリッサ行きマース、アリッサは命令系統違うノデ♪」
「コイツ……まぁ良い。 …以上で決まりだ。明日朝6時に出発するから、しっかり休んでおくように」




