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転生先はパラレルワールドだった  作者: こぶたファクトリー


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帰還

 日本時間午後八時十四分。魔王軍が本格的な第二次侵攻を開始。

 

 けたたましいサイレンに叩き起こされ、宿舎で仮眠をとっていた兵達は慌ただしく身支度を整え、各チーム、部隊ごとに迎撃態勢に移っていた。

 黒島も身支度を終え、全メンバーの前に立った。…そこにいるべき男は未だ、居なかったが。


 大淵大輔が行方不明になってから既に五日目の夜を迎えた。すぐに帰ってくると楽観していた自分も、早くも絶望の二文字が頭に浮かびつつあった。敵地で五日間生き延びる…それが簡単な事だとは思えない。

 ましてや、大淵は竜騎兵でも何でもない。腕が良いだけのごく普通の汎用騎兵…平凡な一人の戦士に過ぎないのだ。

 …そこへこの二度目の襲撃である。親友は帰らず、敵の大軍だけやって来る。そこに希望を見出せ、という方が無茶な話だった。

 これまでは健気に気丈を装っていた香山と斎城の焦燥は日を追って増し、見ているこちらが辛くなる程だった。

 二人だけではない。

 川村はじめ、他の仲間達も次第に口数は少なくなり、塞ぎ込み始めた。…尾倉は元からあんなだが…。

 そんな中だからこそ自分は殊更陽気なピエロを気取ってジョークを飛ばすようにしていたが、正直、それもキツくなってきた。

 …心がしんどい時に馬鹿を演じるより辛い事はない。

 それでも、アイツが帰ってくるまでは、その馬鹿の居場所を俺が守ってやらなければならない、と自分を奮い立たせて耐えてきた。

 なぜなら、今までは大淵がここに立ち、俺や皆の命を一身に背負って戦ってきたのだから。

 それでもアイツは一度の泣き言も言わなかった。…今回の事だって、逃げたのではない。俺達の命を惜しんで一人、ハリウッド映画の主人公も真っ青な、とんでもない勝負に身を投じたのだ。

 …それを一週間もしない内に、俺が根を上げてたまるか。…俺にだって一ミリくらいの意地はある。


「…やれやれ、これから九時のロードショーでも見て寝るかって時に迷惑な話だな。それじゃ前回同様、各自やれることをやるとしますか」

 とはいえ、射撃武器への装備適正が無い他のメンバーは、この要塞内で最悪の事態…正門を突破された後の白兵戦に備えるしかない。それでも、と藤崎は壁上で防御に加わり、元自衛官である尾倉は元より、斎城や川村、星村までもが84㎜無反動砲の再装填作業を自衛隊員らから講習を受け、銃砲弾の運搬を自主的に手伝っていた。

 門が突破されるまでは補助という形で味方の火力を維持しようというのだ。

 …実際、そのくらいしなければ、自分達自身がいつやられるか分からない程に切羽詰まっていた。


 壁上に駆け付けると、例の如くギガントが盾を連ねて二体、突進してきた。

 先日の戦闘もあり、敵が通って来る通路はどんどん広がっていた。今では別に繋がっていた地下スロープまで使って敵が入り込んできている。

 その為、今までは一列に並んでくる敵に集中攻撃を繰り返せば良かったのだが、そうも行かなくなってきていた。

 現に今も、壁上の84㎜砲や40㎜砲の火力が分散してしまい、一体も倒さぬうちに四体目がホールの突入に成功していた。

 ようやく、先頭に居た一体が倒れる。

 再装填した84㎜砲を味方に手渡した香山が敵を凝視した。

 倒れたギガントの肩や背に、魔物達がびっしりとしがみ付いていた。倒れたギガントに乗っていた魔物達は、ヘルハウンドは直接城塞に爪を立てて登り始め、ハヌマーンは別のギガントに昇って乗り換えた。

「中世の攻城兵器かよ!」

 

 城壁に辿り着いたギガントが撃たれながらも40㎜砲座を手で薙ぎ払いに掛かり、味方が壁上から退避した。その隙に背や肩に乗っていた魔物達が続々と壁上に降り立ち、壁上と「雛段」で白兵戦が始まった。


 二体目のギガントが倒されるが、魔物達が侵入を果たし始めていた。不運な兵がヘルハウンドに捕まり、壁外に放り投げられる。

 ようやく三体目を倒すが、四体目が辿り着き、正門を叩き壊した。魔物達が喊声を上げて突入し、16式の発射した榴弾砲を浴びて爆散した。しかしそれを掻い潜った魔物達が防衛部隊と衝突した。

 こちらもこれまでに兵力を増強されていた。以前、計画にあった全国から集められた精鋭の内、要請に応じてくれた40人がここに配備され、侵入した魔物と死闘を繰り広げている。

 

 流石に日本全国から集められた精鋭中の精鋭だけあって、個性的かつ頼もしかった。一対一ならばまず魔物に負ける事はないような連中ばかりだ。こちらのクランで言えば斎城以外の連中とほぼ同等だろう。


 門は壊されたが、何とかなる筈だ…!

 黒島は壁上から対物ライフルを構え、魔物の突入を支援している敵魔術師を探し出して狙撃した。

 ついに四体目のギガントも戦車砲を受け、崩れ落ちた。


「敵、第二波接近中!」

 味方の伝令がなんとも嫌な()()()()を報告してくれる。

「畜生め、ロードショーが終わっちまうぜ!」

 ギガントが三体やって来る。その足元から初めて見る煌びやかな連中が続々と向かってくる。

「何だありゃぁ…」

 白銀の甲冑を纏った騎士が、黒馬を駆ってやってくる。壁上から放たれた40㎜砲弾を切り払い、猛然と速度を上げて突進して来る。

「ヤバいぞ、ありゃ…」


 黒島も騎士を狙い、狙撃。

 涼しい顔で難なく避けてくれる。

「冗談キツイぜ…!」

 騎士達は城内へ難なく侵入し、魔物の群れと戦っている味方の横腹に襲いかかった。

 一瞬で五人のギルド戦士たちが血祭りに上げられた。

 ハヌマーン、ヘルハウンドといった魔獣達がその場を騎士達に任せ、地上へと突破を果たしていく。

 地上にも精鋭ギルドの応援が二十人以上居たはずだが…。彼らが止めてくれるのを祈るしかない。

 味方のギルド戦士は次々と血祭りに上げられるものの、まだ騎士を一人も倒せずにいた。…いや、騎士が一人、倒された。斎城だ。続いてもう一体。川村や尾倉達が反撃に移ったのだ。


 だが、対等以上に渡り合えているのは中央クランのメンバーたちだけだった。他は圧倒的に苦戦を強いられ、一人、また一人と倒れていく。このままでは仲間達も包囲殲滅されてしまう…


 …バイクの音?


 魔界側ゲートから一台のバイクがホールに飛び出して来た。

「大淵ィ!」仲間達に聞こえるよう、大声で叫ぶ。

「すまん!遅くなった!」

 ギガントの足元をバイクで潜り抜けつつ、呆れるような長大剣を左手で軽々と振り回している。七メートルの巨人が足を刈られて仰向けに倒れる。その巨体に地上に居たヘルハウンドやハヌマーンが潰され、敵同士で二次被害を生じさせている。


「今すぐ戦いを止め、魔界に戻れ!この魔王の命令である!」

 

 魔王が大声を張り上げる。魔物達は一瞬、怯みかけるが戦闘を止める気配は無い。

「それはできませぬ!陛下はこの者らに洗脳されて居られる! 陛下こそ御城へお戻り下さい!」

 魔族の騎士が声を上げ返した。他の魔物もその言に従い、引き返す様子は無い。

「私よりあの奸賊・ゼルネスに従うか!?」

「今、お助けいたします!」

「分からず屋どもめ! もうよい! ダイス!邪魔立てする者らに容赦はいらぬ!」

「了解。しっかり掴まってろ」


 二メートル近い大剣が巨人を次々喰らい、近づく魔物達の頭上にその巨体が落下していく。ギガントを全て倒し終え、騎士達に向けてバイクを突進させる。二人を一度に跳ね飛ばしつつ、魔王を抱きかかえ、仲間達の元に戻った。

「藤崎、パス!」

「うおおっ!?」

 魔王を藤崎に預ける。

「むむっ、これはまた立派なキングオークだな!?」

「き、キングオーク…」藤崎が言葉を失っている。


「あー…香山、斎城…すまん。後で改めて謝るが…皆、悪かった。勝手に逃げ出して」

「…」二人からの返事は無かった。…仕方ない。後でいくらでも謝ろう。

「おう、帰ってきたな! お前への刑罰は俺の閻魔帳に皆に一つずつ書き込んで貰ってあるから楽しみにしとけ。 …とりあえず今は戦うとするか」

 壁上から降りてきた黒島が陽気に…しかし不敵に笑った。


 魔族騎士…百体はいるか。それが自分達と他ギルド戦士を取り囲んでいる。

「…お前ら、どうあってもこの魔王よりあの捻くれたゼルネスとかいう魔物に従うのか?…和平よりも殺し合いを望む覚悟はあるんだろうな?」

 騎士達に向かって声を掛けるが、沈黙と殺気で返された。


 筋力アシスト。80…いや60%、全身強化。

〈マイクロモーター負荷にご留意ください〉やや弱めの警告に切り替わる。

 ついでにスキル発動。

 ツヴァイハンダ―が深紅に染まる。


 周囲で息を呑む声が聞こえた。…確かに、ちょっとした隠し芸みたいだな。騎士達も流石に何かを感じ取ったらしく、不用意に向かって来る者は居ない。

 だがスキルを使った以上、こちらには制限時間がある。行くしかない。

「行くぞ…」

 深紅のツヴァイハンダ―がその途方もないリーチで獰猛に襲い掛かる。甲高い悲鳴のような金属音が立て続けに響き渡り、六人の騎士が茫然と立ち尽くしていた。手に持っていた立派な得物…ランスもロングソードも…盾さえも、全てひしゃげ、飴細工のように曲がって使い物にならなくなっている。

 盾で防いだ魔物は不運だった。盾ごと腕をあらぬ方向に曲げて苦悶の声を上げながらも、それでも強靭な精神力で耐え、大淵を睨みつけている。


「ど、どうだ、見たか!? 逃…戦術的撤退をとるなら今の内だぞ!?」

 想像以上の破壊力に自身も困惑するも、敵に退却を促した。

 冗談などではない。 こちらは最初から斬るつもりだった。それでも一人も死者を出さず、騎士達は大淵を睨みつけている。 …改めて魔王軍最精鋭の名が伊達では無い事を思い知った。


 果たして騎士達は…退却するどころか、空間から新たな得物を抜き出すと、何事も無かったように武器を構え直した。腕を折られた騎士はもう片手で強引に腕を整形し、剣の柄に手を結わえ付け始めた。

「…」

 …ビビらせるどころか、むしろ闘志にガソリンを注いだらしい。逆に、ツヴァイハンダ―から赤い光が消えていく。 …恐らく自分の顔色の様に。

 騎士達が何事か囁き合い始めた。言い争うような雰囲気もあったが、やがて一人の小柄な魔物が前に出て剣を抜き払った。

「魔王軍、闘将バルべス旗下・竜撃隊三番隊隊長リザベル。参る!」

 

 他の騎士達は自分達を円形に包囲しながら剣を鞘に納めている。味方が包囲されたまま敵が硬直している異様な状況に、壁上の兵も16式の兵も、唖然として見守るしかなかった。

(…これは決闘って奴か…?)

「そう、決闘だ。申し込まれた以上、戦士として応じろ」

 藤崎の左肩に、ちょこんと座った魔王が応じた。

「…」

「…万一お前が逃げたり、敗けたら仲間諸共皆殺しにされるぞ」

「…もう愛の逃避行は終わりだ。 …日本ギルド連合中央クランリーダー・大淵大輔。いざ」

 何とも冴えない名乗りだが仕方ない。 ツヴァイハンダ―を置き、大淵も騎兵刀を抜いた。


 …距離は二十メートルもある。体格もこちらが若干勝っている。…剣道と同じだ、最初は様子を見て後の先を…

 リザベルの姿が消えた。反射的にバックステップ。真下から上への突き刺し。目の前を剣が天に向けて飛び上がっていく。 しかしすぐさま軌道は変わり、振り下ろされる。これまた間一髪横っ飛びに避けた。…何か焦げ臭い。 見ると、左肩アーマーが半分ほど削がれ、内蔵されている探照灯が火花と煙を上げていた。戦闘服も衝撃で擦り切れていた。

「げっ!?」

「チッ…!」

 リザベルが舌打ちし、再び剣を構える気配。

 こちらも正眼に構え、何とか対応しようと相手の動きに集中する。

 リザベルの剣がしなりながら襲い掛かる。それを剣先で払い、面摺り上げ胴の要領ですり抜けるように移動して切り伏せようと振りかぶった。

「!?」

 予想外の動きだったらしい。相手の反応が一瞬遅れた。相手が剣で防御するが、騎兵刀は尋常ならざる切れ味でロングソードを叩き斬った。

 それでもリザベルは腰から短剣を抜き、繰り出して来た。倉田から教わった体術を応用し、その手を叩き伏せ、甲冑組討ちで組み伏せる。そして相手の手からもぎ取った短剣を掴み、相手の兜を押し上げた。

 

 …予想はしていたが、女だった。端正な顔。肩まで銀髪を垂らし、立派に尖った角が額の脇から伸びている。城で見た魔族の女と同じ種族…魔王とも同じ種なのかもしれない。黒目の中で、憎悪に満ちた赤い瞳がこちらを睨みつけている。

「…勝負あったな。終わりだ」

 首筋に突き付けた短剣を放り捨てた。

「ふざけるな!止めを刺さない決闘などあるか!」

 周りを囲む騎士達が自分の行為を咎めた。

「こっちはわざわざお前らの申し込んだ決闘に付き合って、勝ったんだ。文句を言われる筋合いはねぇ!」

 …女だから殺せないのもあった。だが、予感がった。多分、この女騎士の首を落としてしまえば、また()()を起こす。こうしている今も、気を抜くとただのアドレナリン過剰とは違う…血を求める好戦的な狂躁の気が内側から溢れようとしていた。


 仲間達や魔王…特に、斎城と香山には絶対に見せたくなかった。

「臆病者め、早く首を落とせ!私に…騎士に生き恥をかかせるつもりか!?」

 足元のリザベルも自分を非難した。

「喧しい!時代錯誤も甚だしいんだよ!そんなに死にたきゃ負け犬らしく、帰ってから勝手に死ね!最精鋭だか何だか知らんがプライドばっかりデカくなりやがって! 王に仕える身なら、私闘なんかで死なねーで、もっと意味のある事に命使え!それが本当の精鋭だろうが!」

 内側から溢れ出す殺戮欲を抑える為、大淵も怒鳴るように捲し立てた。その剣幕と、決して一概に否定できない内容にリザベルはじめ騎士達も、ぐうの音も出なくなっていた。


「…こんな屈辱は初めてだ…」

 リザベルが顔を俯けた。

「…リベンジならいつでも受け付けてやる。負け犬で終わるのと、挑み続けるのと、どっちがいい?」

「…ッ」

 逡巡する気配。

「…いいだろう…次こそはその首を落とし、雪辱を晴らす!」

「うん。戦うに値する戦士の挑戦なら、いつでも受けて立つ」


 その言葉を潮に、周りの騎士達もすごすごと退散を始めた。 敗者の処遇はどうあれ一騎打ちには正々堂々と勝ったし、戦士として敬意を以て返されれば、それを拒否する事は出来ない筈だ、とにらんでの一言だった。

『こちら公園守備隊。突破してきた敵を殲滅した。そちらはどうか!?』

 十代の若い通信要員が慌てて無線機に戻った。

「こちら坑内陣地、只今、中央ギルドリーダー・大淵大輔が一騎討の末、敵精鋭部隊の撃退に成功しました!敵は退却していきます!」

 まだ新米なのだろう…余計な事まで伝えている… 

 通信内容を訂正させようと歩き出した大淵の肩を黒島が掴んだ。


「いやー、また伝説を作ってしまったねぇ、大淵クン?一騎討の末、敵の侵攻を撃退って…神話かな?」

「だ、だから訂正させねーと…」

「いやいや何を言うのかね君?あの子が嘘を言ったか?全部本当の事じゃ無いか。そんな事よりほれ、これからお白洲の裁きを始めるのでこっちへ来たまえ」

 自衛隊が事後処理を開始し、慌ただしくなる中、人気の無い資材コンテナ脇へと連行された。既に他のメンバー全員が取り囲むように待ち構えている。魔王までコンテナの最も高い場所へ座らされ、腕を組んでニヤニヤと口元を歪めながら見下ろしている。


 クソッ、アイツめ…参ったな…

 咳ばらいを一つして、皆の前に立った。

「…あー、改めて皆…すまなかった。 …あんな事があって居づらくなって、逃げ出してしまった。…リーダーとして最もやってはならない事をしてしまった。…本当に悪かった…二度としないと約束する」

 殆ど全員が理解的な目で見てくれている。…許してくれているのか。しかし香山は俯き、斎城は冷ややかな笑みを浮かべているが…目は笑っていない。


 斎城が前に出た。…殴られるか?歯を食いしばりながら斎城と目を合わせた。

「…ばか」

 斎城の目には涙が浮かんでいた。

「…あほっ! お…おたんこなすっ!……約束破って、危ない事までして!」

 斎城の精一杯の罵倒と非難に圧倒され、大淵は言葉を失った。

「心配したんだから…」

「…すみません」

「…香山さんが許してくれたら許す」


 そう言われ、香山の前に押された。

「香山……」

 その顔を見て衝撃を受けた。明らかにやつれていた。

「大淵君…」

「その…本当にすまなかった…迷惑かけて」

 胸に衝撃。香山の甘い香りがしたかと思うと、その髪がすぐ下にあった。

「もう一人で行かないでください!約束して!」

 そう声を上げると、香山は泣き出してしまった。

「あーあ、泣かせちゃった」斎城のわざとらしい、非難めいた声。

「……悪かったよ、香山。約束する、今度こそどこにも行かない」

 胸で嗚咽する香山を抱き留め、大淵は心から誓った。


「…魔界で我を助け出した後、ずっとそなた達全員の事を思って悩み、悔いておったぞ。お前達は良い絆で結ばれて居るな」

  魔王が最後の最後にフォローしてくれた。


「アラー、皆さんお揃いデスねぇ?お久しブリデス!…アラ?感動の何とヤラでしたか?」

 どこからか陽気な声と共にアリッサが現れた。

「お、今更帰って来やがったな、デタラメ日本語女。今までどこ行ってた?赤坂か?横田か?」

 黒島が訳知り顔で皮肉った。

「ナンのコトデスかぁ? あっ、ケビン達は本国に帰らなければいけなくなったので、お見送りしてキマシタ! オミヤゲは本場のハンバーガーなんデスけど、皆サンいかがデスかぁ?」

  

(取り合えず、こいつらの元へ帰ってきたんだな…)

 揃った仲間達を見渡す。

 …もう二度と仲間を置いていくものか。

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